iNaturalistは生物観察記録専門のSNSです。
世界中のユーザーが観察記録を投稿して、ユーザー同士で同定をしていき、この記録を共有して生物観測や研究に役立てようというSNSで、これもGISの一種ですね。かなり専門的なユーザーも多く、いろいろ教えてもらうこともできます。以下はiNaturalist Canadaからの翻訳(カナダ版を使っているのですが、情報はどのバージョンでも同じく共有できる)。
”iNaturalist Canadaは、自然の中で見たものを記録して共有し、他の自然観察者と出会い、カナダの野生動物について学ぶことができる場所です。iNaturalistは、自然を愛する人々や日常生活における様々な人々の参加を促しています。iNaturalistカナダは、自然界に対するさまざまな認識や専門知識を結びつけることで、地域の生物多様性に対するコミュニティの意識を幅広く高め、地域環境のさらなる探索を促進することを期待しています。生物種に関するあらゆる情報が、市民科学者の膨大なネットワークと組み合わされることで、カナダの自然史の全体像を把握することができ、保全のための意思決定に重要な貢献をすることができます。”
現在iNaturalist日本版を作ろうという動きもあります。実現はまだ先になりそうですが、コミュニティがiNaturalist内にできています。まずは自分のiNaturalistでの観察記録を下に載せたので、実際に見た方が早いです。
iNaturalistでは、観察記録の同定提案者が自分を含めて2/3以上になると、研究レベルとなり、GBIFに記録が掲載されます。GBIFとは。。。以下GBIFより引用
”GBIFとは地球規模生物多様性情報機構は、地球上のあらゆる種類の生物に関するデータを誰でも、どこにでも、オープンアクセスで提供することを目的として、世界中の政府から資金提供されて設置された国際的なネットワークであり、データ基盤(インフラ)です。”
こちらは博物館や大学などが参加する国際的なデータベースです。どこにどんな記録があって、どんな標本が収蔵されてるかなど、調べることができます。分布データのダウンロード( QGISの場合、GBIFのデータはcsvをダウンロードするか、QGISのプラグインからも取り込むことができます)や学名解析ツールなどもできます。ここにiNaturalistの研究レベルの記録も入ってるということです。
私のiNaturalistの記録から「scutellinia fujianensis」の記録をGBIFで見ると、こんな感じで載ってます。
記録には観察記録フィールドを追加することもできます。これは発生場所のことです。フィールドの選択欄でアルファベットの最初の文字を打つとリストが出て来て、その中から選べます。フィールド情報は検索者も付けることができます。
逆に各観察記録のフィールド(探索のフィルターではなく)から同じフィールド情報を使っている記録を表示することもできます。
きのこでよく使うフィールド情報
Fungus Substrate/Host 発生環境・基物の情報
Microscopy Performed 顕微鏡観察の情報(このタグを使ってきのこの顕微鏡写真をまとめたコミュニティができている)
Host Plant ID 寄生宿主の情報
また、複数種の分布比較や観察年ごとの比較もできます。参考:解析ツールの紹介
iNaturalistは誤同定や、希少種に対する場所の特定の問題(タマゴタケやアミガサタケはSNS情報によって場所が特定され乱獲、減少が問題となっている)もあったりするのですが、記録の共有という面ではとても価値があると思います。
※ 希少種や乱獲の恐れがある種は場所を不明瞭にするか、非公開にすることを推奨します。
※ 詳細なヘルプは今のところ英語しかないため、翻訳版Wikiを参照