昨年4月の熊本地震後に,庭の片隅に吊るしていた「椎茸菌打込み原木」に椎茸が生えているのに気付いた.数年前に知人から貰ったものの,生えないため樹木の陰に吊るしてその存在を忘れかけていたものである.地震騒動で気付くのが遅くなり,収穫期を過ぎていたので(5月3日),そのまま放置していたら,秋になりマルボーロのような椎茸が生えてきた(10月30日).度重なる地震の影響ではないかと思いWebを調べてみると,次のようなことをブログ(スゴモリ)に載せている人がいた.
シイタケに刺激を与えると発生が促される、ということは昔から言われていて、雷の影響で収穫が増えたとか、原木を叩くと発生が促される等と言われている。今回の場合は、地震や余震でも同様の効果があったのではないかとみられる。
そのようなことを知人に話していたら,椎茸栽培キットなるものが市販されていることを教えてくれた.早速アマゾンの通販で購入し,説明書通りに水に浸した後,ビニール袋に入れ霧吹きしながら放置していたら,3日後に下図(上段左)のようにきのこがニョキニョキ生えてきた.6日後には傘が開き始めたものを中心に15個を採取した.次の日には過密状態になったので,57個を収穫し,8日目には39個を収穫して第一回目の栽培を終えた.採れ過ぎて食べきれないため,冷凍保存して使用した.
第一回の栽培の後,1か月休ませ再び水に浸したものを霧吹きしながら室内に放置したら下図のように前回より大きめの椎茸が6個収穫できた.ちなみに,大きさを比較するために一緒に写したXYLITOLの箱の長さは8センチである.
菌床本体は国産広葉樹のオガくず(2kg)を固めて円柱状に整形し,シイタケ菌と栄養体(穀物)を含有させているとのことである.初めて見た時はびっくり仰天,驚異的な成長速度に圧倒されてしまった.
なお,栽培記録は昨年11月中旬のものであり,気温が下がり始めたため,特に夜間の温度低下を防止するのに留意した.今年の春,気温が上昇してきたので,三回目の栽培に挑戦したが,カビが生えたため観察を中止した.温度と湿度が高すぎたようである.宝珠山きのこ生産組合によると,カビが生えるのに適した湿度は80〜90%,一方椎茸の場合は60〜65%であり,家庭では過湿状態気味ではないかとの見解が示されていた.温度に関しては,椎茸の菌糸成長の至適温度は25℃であるが,栽培時は少し低い方(15〜20℃)がよいと記載されている.これから夏に向かう季節はエアコンで適切に温湿度を管理しない限り,熊本の夏は栽培には向いていないのではないだろうか.最大震度7の地震で甚大な被害を受けた阿蘇外輪山麓の西原村は,熊本盆地より涼しいためか,椎茸栽培が盛んである.地震で数千本の栽培原木が倒れたため,高校生や大学生のボランティアが「原木起こし」に協力したそうである.
追記
昨年は椎茸だけではなく,庭の日陰の地面に小さいキノコがたくさん生えた.地震との関連を言うつもりはない.