熊本地震から7年が経過した.今日(4月14日)のローカルニュースでは,地震の年に生まれた子供が小学校に入学したこと,地震で崩落した第一白川橋梁が完成し,JR立野駅ー長陽駅(第三セクター南阿蘇鉄道)間の鉄道の試運転が開始され,7月には17.7kmの立野ー高森が全面開通することなどが報じられていた.一方では,大地震の後だから暫くは地震は起きないだろうという楽観的な風潮を打ち崩すような事実が報道されていた.九州大学の研究によると,7年前の地震では布田川断層の歪は開放されたが,日奈久断層はほとんど動いていないことが明らかになっている.今日の報道では,当該地区で平成熊本地震の後に補修したアスファルト道路にヒビが入り,民家のブロック塀と門柱の間には上下のズレが生じたこと等が話題になっていた.
熊本地震で必ず話題になる熊本城については,宇土櫓の解体保存工事が開始されたこと,熊本城の石垣の修復には30年は必要ということ等が取り上げられていた.
布田川断層に起因する地震の確率は非常に高く,明日起こるかもしれないと言われているほどだが,最近の調査によると6割ほどは,危機感の薄れを感じているとのことである.そのようなことを勘案してか,前震,本震の中日の4月15日に熊本市役所から「熊本市からシェイクアウト訓練(地震訓練)のお知らせ」のタイトルを付けた熊本市災害情報メールが配信されてきた.
内容
4月16日(日)午前10時から、シェイクアウト訓練を実施します。
シェイクアウト訓練とは、地震を想定したその場でできる防災訓練です。
(1)「姿勢を低くする」
(2)「頭や体を守る」
(3)「揺れがおさまるまで動かず待つ」
などの安全確保行動を、その場で行っていただきますよう、お願いします。
4月16日(日)午前10時頃、緊急地震速報の訓練情報を配信いたしますので、それを合図に「頭や体を守る」などの安全確保行動を1分程度とっていただくなど、訓練に参加くださいますようお願いします。
※携帯電話会社から配信する緊急速報メール(エリアメール)の配信はありません
私自身も当時の記憶は薄れかけている.思い出すためにファイルに保存しているデジタル写真を見直してみた.下図は2階廊下の散乱状態である.天井つっぱり方式のため,本棚など倒れることはなかったが,落下を防止することはできなかった.棚の中程から上に置いていたものはほとんど落下した.精密機器類は衝撃のため使い物にならなくなってしまった.以下はその具体例である.
↑ 2階書斎のエアコンのカバーが外れ,落下した.
← 機関車のモデル,木工品,書籍等が散乱
Power Mac フロント破損
IBMノートパソコン LCD蓋 破損
ザウルス端末無線アダプタ破損
ビデオカメラ マイクとフード破損
ビデオカメラ ズーム不能
iMac 無数の縦線出現
ラジカセリモコン破損
Aquosテレビ LCDパネル外れ
スピーカ全面パネル固定不能
時計を持つ腕が折れた飾り振子時計,円筒形カバーガラス破損(左)
音声が崩れ,コントローラ不調(交信途絶)
家屋は鉄骨ラーメン構造(ミサワセラミック)のため,損傷はなかったが,船のように揺れるのは止めようがない.建物は建築時に地盤の補強工事を実施したため大丈夫という自信があったので,家財の地震保険のみに加入していた.それが功を奏して50%程度の補償があった.現在は火災,地震,水災,風災等を統合した「住まいの保険」に加入している.
追記
平成熊本地震の本震から7年目, 4月16日が何事もなく終わり, 眠りについた途端, 地震発生
4月17日0時49分
気象庁
17日0時45分に最大震度3の地震が発生しました。
震源地は熊本県熊本地方で震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は3.5と推定されます。
この地震による津波の心配はありません。
各地の震度は次の通りです。
熊本南区 震度3
熊本西区 震度2
熊本中央区 震度1
熊本東区 震度1
熊本北区 震度1
資料
最近の地震研究については,2019年のブログで2回にわたり紹介したほか,2022年4月には平成熊本地震はどの程度の確率で予測されていたかという観点から取り上げた.
熊本地震のブログ集(2016〜)
第一白川橋梁【撤去のため認定解除】 | 土木学会 選奨土木遺産
(2023.4.16)