SGEPSS Subgroup on Environment of Terrestrial Planets
近年、NASAが主導するアルテミス計画が国際的なパートナーシップのもと進行しており、日本も月面や火星の持続的な探査活動を通じて、科学的探査、技術開発、人類の宇宙探査能力の向上を目指しています。火星では、現在もNASAのMAVENや欧州宇宙機関(ESA)のExoMars/TGOによる観測が継続されており、日本は小惑星探査での「はやぶさ」シリーズの成功を基盤に、火星衛星探査計画(MMX)を推進しています。この計画では、火星の衛星フォボスからサンプルを持ち帰ることを目指しています。また、将来の有人火星探査を見据え、次世代の国際協働の火星探査計画であるMIMについて、科学的・工学的な議論が進められています。
彗星探査では、太陽系外から飛来する彗星をターゲットとするComet Interceptorの開発が進行中です。金星では、探査機「あかつき」の後継として、次の探査プロジェクトの検討も進んでいます。一方で、水星探査では日欧共同の探査機BepiColomboが順調に航行を続けており、外惑星探査では木星の氷衛星を対象としたJUICEが航行中であり2031年頃からの科学観測が期待されています。
また、宇宙望遠鏡ではJWST(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)が系外惑星の大気組成や形成過程を調査しており、GaiaやTESSなどとともに系外惑星探査を進めています。地上でも、完全定常運用に入ったALMAが、惑星・衛星・原始惑星系円盤の観測を通じて重要な科学データを提供しています。こうした活動を通じて、地球型惑星の環境や形成過程に関する研究が飛躍的に発展し、まさに新たな段階を迎えつつあります。
地球型惑星圏環境分科会は、以下の目的のもとに2013年11月に設立された分科会です。
本分科会は、太陽圏、大気圏、電離圏、磁気圏などSGEPSS内の異なるセッションにまたがる学際分野である地球型惑星圏環境研究において、SGEPSSに所属する会員が広く連携し、国際動向などについて情報交換をし、共同研究の推進、研究プロジェクトの提案、ミッション立案等の研究活動に役立てる場を提供します。
*このウェブサイトについてのお問い合わせ先:原田裕己(haraday (#) kugi.kyoto-u.ac.jp)