6.3 多角測量の計算(方位角)

方位角は真北方向と次の測点を結ぶ測線がなす角を右回りに測った値をいいます。トラバース測量では、真北方向の代わりに磁北方向や世界測地系の北方向を使用する場合もあります。

では、ある測点と次の測点を結ぶ測線の方位角について考えていきます。下図のように測点を右回りまたは左回りで進む場合は方位角の式が違うので注意してください。

方位角を計算し、求めた値が負になったときは360°を加える必要があります。同様に、360°を超えた場合は求めた値から360°引く必要があります。

方位角とは別に方位というものがあります。方位は方位角を4つの象限(第1象限、第2象限、第3象限、第4象限)に分けたものであり、南北線からの角度で表されます。また、数学は第1象限から第4象限までを左回りで表していますが、測量学では右回りで表しています。

では、例題を1問解いていきます。

例題1:下図における各点の方向角および方位を求めよ。ただし、各内角の大きさは下の表の通りである。

まずは、各測点の方位角を求めていきます。今回の計算では、左回りの式を使っていきます。また、f点を計算するときは負の値になるので360°足しています。

計算があっているかの確認もしておきます。

次に、方位を求めていきます。

まとめとして、トラバース測量の方位角は右回りと左回りで式が異なってきます。また、各測線の方位は第1象限〜第4象限までで式が違います。