すべての測角が終わったら、誤差が許容範囲内か確認を行います。このとき、許容誤差を超えた場合はやり直します。なお、許容角誤差は次式から求めることができます。
このとき、Eaは許容角誤差、εaは地形による作業難易、nは測定した角の個数です。
閉合トラバースの角誤差は多角形の内角の和との差から求めることができます。式にすると次のようになります。
このとき、Eは角誤差、βは測角値です。
結合トラバースの角誤差を求めるときは、下図のように既知点1と2の他に既知点AとBが必要となります。まずは、次のように式を求めていきます。
また、上図より角度β1LとβnLは次のように表すことができます。
この式を先程の式に代入することで結合トラバースの角誤差を求められます。
ただし、既知点AまたはBの位置が変われば式は異なった形となります。
角誤差が許容角誤差の範囲内であった場合には、その角誤差を各角度に配分して誤差を0にします。このとき、誤差の配分は精度が等しいと考えて等分に分配します。では、例題を1問解いていきます。
例題1:平坦地で閉合トラバースの内側の交角を測定したところ、下の表の結果を得た。このときの角誤差を求め、誤差の調整を行え。ただし、εaは20"とする。
まずは、角誤差と許容角誤差を求めていきます。
許容角誤差内であることが分かったので、次に誤差を配分していきます。測定角は真値に35"足りないので各角に+7"ずつ配分します。その結果、調整角は以下の表のようになります。
誤差が角数で割り切れなかった場合、例えば五角形で誤差が-36"だった場合について説明しておきます。まず各角に+7"ずつ加えます。次に、端数の1"を方位角が45°、135°、225°、315°に最も近い観測点に加えます。これは、上記4方向のときにsinとcosの値が同じになり、精度が等しくなるためです。
まとめとして、トラバース測量の角誤差は許容角誤差内であることを確認した後に、角誤差を等分に配分します。角誤差の計算式は閉合トラバースと結合トラバースによって異なりますので、注意してください。