角測量は角度を測定する測量であり、規模の大きい土木工事を行うときは測量の測線が長い分、わずかな角度の違いで位置決定に及ぼす影響が大きくなります。そのため、土木の現場では高い精度で角測量を行わないといけません。
角度には水平角αと鉛直角βの2種類があり、1°以下の値は'(分)と''(秒)を使って表わされます。
角測量を行うときはトランシットが使われます。トランシットは水平角と高低角を精密に測定できる器械であり、角度の読み方にはバーニヤ読み、マイクロ読み、デジタル読みがあります。現在は、読み取り誤差を無くすことができるデジタル読みがほとんどです。また、トランシットには上部運動と下部運動があります。上部締付ねじを緩めると上部のみが自由に回転します。これを上部運動といいます。部締付ねじを締めた状態で下部締付ねじを緩めると上部と下部が一体となって回転します。これを下部運動といいます。
トランシット用の望遠鏡は離れた目標物を拡大して観察するためのものであり、対物レンズ、接眼レンズ、内部焦準用レンズ、十字線、鏡筒からなります。
対物レンズは2枚以上の合成レンズであり、焦準ねじによって内部焦準用レンズを前後させ、十字線の面に目標物の像を結ばせるような作りになっています。接眼レンズは2枚の凹凸レンズからなり、倒像を避けるために正像用レンズが組み込まれています。また、対物レンズの中心と接眼レンズの中心を結ぶ線を視準軸といいます。
十字線は正しく視準するための線であり、ガラス板に刻まれています。また、十字線の上下には等間隔の2本の線があり、これをスタジア線といいます。スタジア線はスタジア測量をするときに用いられます。
まとめとして、角測量は角度を測定するための測量であり、度分秒で角度を表します。また、角測量にはトランシットという器械が用いられます。