非粘性流体が回転するとき、変位した角度の大きさは次式によって表されます。
ここで、2つの角度を足し合わせます。これを渦度といい、渦度の1/2が流体の角速度になります。
このとき、ζは渦度です。
渦度が0のときの流れを渦なし流れあるいは非回転流れといいます。ここで、非粘性流体の渦なし流れを任意方向に微分し、任意方向の速度となるような関数(速度ポテンシャル)を導入します。
このとき、φは速度ポテンシャルです。
まずは、速度ポテンシャルが渦なし流れを満たしているか確認していきます。
同様に、渦度の式も変形していきます。
計算の結果、速度ポテンシャルが渦なし流れを満たしているのが分かったので、速度ポテンシャルを連続の式に代入します。
この式をラプラス方程式といい、完全流体の渦なし流れの基礎方程式となります。三次元流れでも同じように表すことができます。
まとめとして、非粘性流体が回転するとき、その回転角を足し合わせたものを渦度といい、渦度が0のときの流れを渦なし流れといいます。非粘性流体の渦なし流れは速度ポテンシャルを用いて表されます。また、速度ポテンシャルと連続の式から求めた式をラプラス方程式といい、2階線形偏微分方程式で表されます。