流量が変化する非定常流ですが、代表的なものとしては水門開放時の段波や洪水流などが挙げられます。ここでは、洪水流を解明する一つの方法について紹介したいと思います。まずは、下図のような2断面間のdt時間における体積変化について考えます。
この式を厳密に解くのは非常に困難です。なので、ある程度の仮設や省略を行って解くことが多いです。解法としては様々な方法があるのですが、ここでは古典的ではありますがクライツ・セドンの法則を紹介します。下図のような洪水流を考え、洪水の波形や伝搬速度cが変化しないと仮定すると、単位時間当たりに対する連続の式は次のようになります。
このとき、水路は幅広長方形水路を考え、流速はジェシーの式を適応するとします。
同様に、マニングの公式を用いてみます。すると、伝搬速度は次のようになります。
まとめとして、一般の河川では伝搬速度 c=(1.3〜1.7)v になることが知られています。また、洪水流の特徴としては水理量の発生する時刻が一致しないことであり、一般には水面勾配、流速、流量、水位の順に最大値が現れてきます。