疲労破壊は自動車などの繰返し荷重を構造物が受け続けると、構造物の引張強度より小さな引張応力度が作用しても亀裂が入り、破壊する現象のことです。疲労破壊に対する安全性の照査には、①繰返し回数による方法、②応力度または断面力による方法があります。
繰返し回数による方法は、繰返し作用する応力度または断面力の大きさを固定し、繰返し回数を式から求める方法です。その繰返し回数と疲労寿命(構造物が破壊するまでの回数)と比較することで安全性を照査します。また、このような安全性の照査方法をマイナー則または直線被害則といいます。
このとき、niは繰返し回数 [単位なし]、Niは疲労寿命 [単位なし] です。
応力度あるいは断面力による方法は、繰返し回数を固定し、これに対応する疲労強度を式から求める方法です。この疲労強度と構造物に生じる応力度を比較することで安全性を照査します。応力度は弾性理論に基づく方法で計算していきます。
まとめとして、構造物に繰り返し荷重が作用し続けると、小さな荷重で破壊することがあります。このような破壊を疲労破壊といい、繰返し回数による方法や応力度による方法で安全性を検討していきます。