コンクリートはセメント、水、細骨材、粗骨材を練り混ぜることで製造されます。このとき、混和材料を入れるとコンクリートに特性を付与することができます。また、昨今の混和材料の多様性、発展はめざましく、コンクリートにとって混和材料は必要不可欠な材料となっています。
混和材料は混和材と混和剤に分けることができ、使用量が多いものを混和材、使用量が少ないものを混和剤と呼んでいます。ここでは、混和材について説明していきます。
混和材としては、高炉セメント、フライアッシュ、シリカヒューム、膨張材が一般的に挙げられます。3章 セメントでもある程度述べましたので、簡単に紹介して終わります。
①高炉スラグ
高炉スラグは銑鉄を製造するときにでてくる鉄鉱石内の不純物と石灰石が結合してできたものであり、水酸化カルシウムや石膏などに刺激されると硬化する性質を持っています。そのため、マスコンクリート(大きなコンクリート)によく利用されます。
②フライアッシュ
フライアッシュは石炭火力発電所で発生する灰を集塵機で捕集したものであり、超微細な球形をしています。そのため、コンクリートのワーカビリティーを改善することができます。また、フライアッシュの主成分がシリカやアルミナであるため、ポゾラン反応を起こします。フライアッシュは高流度コンクリートによく利用されます。
③シリカヒューム
シリカヒュームはシリコンなどの窒素金属を製造するときにでてくる球形の超微粒子を集塵機で捕集したものであり、主成分がシリカやアルミナであるために強いポゾラン反応を示します。シリカヒュームは高強度・高耐久性コンクリートによく利用されます。
④膨張材
膨張材はセメントや水と練り混ぜると、水和反応によりエトリンガイトや水酸化カルシウムを生成し、コンクリートを膨張させます。その結果、乾燥収縮や自己収縮によるひび割れを防ぐことができます。また、膨張材にはカルシウムサルファアルミネート(CSA)系と石灰系があるのですが、性能的には殆ど変わりません。
まとめとして、混和材料は混和材と混和剤に分けることができます。混和材の種類としては高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、膨張材などがあります。