はりの断面が与えられると、その断面が抵抗できる最大の曲げモーメントを求めることができます。このときのモーメントを抵抗モーメントといい、単鉄筋長方形断面では次式によって表わされます。
同様に単鉄筋T形断面の抵抗モーメントも求まります。このとき、中立軸の位置がフランジにあるときは単鉄筋長方形断面の式を使用します。
では、例題を2問解いていきます。
例題1:幅400 [mm]、有効高さ620 [mm]、鉄筋5-D22 (22.2) の単鉄筋長方形断面の抵抗モーメントを計算し、安全性を照査せよ。ただし、コンクリートの許容応力度は7 [N/mm2]、鉄筋の許容応力度は180 [N/mm2]、外力による曲げモーメントは200 [kN・m] とする。
まずは、計算に必要な諸量を求めていきます。
次に、コンクリートの抵抗モーメントと鉄筋の抵抗モーメントを求めていきます。
このとき、値の小さい方をはりの抵抗モーメントして扱います。また、抵抗モーメントより外力の曲げモーメントが大きいので、この断面は危険であることが分かります。
例題2:フランジ幅1,400 [mm]、フランジ厚さ160 [mm]、有効高さ780 [mm]、鉄筋8-D35 (34.9) の単鉄筋T形断面の抵抗モーメントを計算し、安全性を照査せよ。ただし、コンクリートの許容応力度は8 [N/mm2]、鉄筋の許容応力度は176 [N/mm2]、外力による曲げモーメントは900 [kN・m] とする。
まずは、計算に必要な諸量を求めていきます。
中立軸の位置がウェブにあることが分かったので、単鉄筋T形断面の式を使ってコンクリートの抵抗モーメントと鉄筋の抵抗モーメントを求めていきます。
従って、問いのT形断面は安全です。
まとめとして、単鉄筋の抵抗モーメントは許容応力度から求めていきます。