鉄筋コンクリート(reinforced concrete:RC)はコンクリートの中に鉄筋を埋め込んで、お互いが一定となって働くようにしたものであり、1855年の第1回パリ万国博覧会にフランス人のランボが鉄筋入りのボートを製作したのが始まりです。また、第2次世界大戦中の日本では経済制裁により鉄が輸入されなかったため、竹筋コンクリートが製造されていたそうです。
コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い材料です。一方、鉄筋は圧縮に弱く、引張に強い材料です。コンクリートと鉄筋は全く異質の材料ですが、両者が一体となると外力に対して大きな抵抗力を示します。その理由として以下の3つが挙げられます。
①コンクリートが強アルカリ性なために鉄筋周りに不動態皮膜を形成し、鉄筋の腐食を防ぐことができる。
②コンクリートと鉄筋の付着力が大きい。
③両材料の常温での熱膨張係数がほぼ等しい。
鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートが一体となって外力に抵抗するのですが、圧縮応力を算出するときは鉄筋を計算に入れず、引張応力を算出するときはコンクリートを計算に入れません。また、せん断応力を算出するときはコンクリートと鉄筋の両方を計算に入れます。その鉄筋には様々な種類があり、主なものを紹介しておきます。
主筋は曲げによるひび割れが発生する恐れのある場所に配置する鉄筋であり、引張応力に抵抗します。配力筋は温度ひび割れや衝撃荷重などによって発生する応力に対応するために配置する鉄筋です。スターラップは梁のせん断補強をするために配置した鉄筋であり、あばら筋とも呼ばれます。フープ筋は柱のせん断補強をするために配置した鉄筋であり、帯筋やらせん筋とも呼ばれます。
まとめとして、鉄筋コンクリートはコンクリート内に鉄筋を入れたコンクリート構造体であり、様々な用途で使用されています。