堆積岩や火成岩の主要鉱物の種類としては石英、長石、雲母、角閃石、輝石、かんらん石が挙げられます。これら主要鉱物は全てケイ酸塩鉱物であり、石英と長石は無色鉱物、雲母(黒雲母)、角閃石、輝石、かんらん石は有色鉱物になります。ここでは、これら主要鉱物について説明していきます。
①石英
石英は二酸化ケイ素(SiO2)が結晶化してできた鉱物であり、中でも特に無色透明なものを水晶と呼んでいます。堆積岩では砂岩・泥岩に多く含まれており、その砂粒・泥粒のかなりの割合は石英粒です。これは石英が比較的多く存在し、かつ化学的に安定しているために分解しにくく、砂や泥になりやすいためです。一方、火成岩では灰色で存在していることが多いです。火成岩は微量にウランやトリウムなどの放射性元素を含有しており、これら放射性元素からでる放射線(γ線)により、石英の光の吸収部が増え、着色することが原因といわれています。
②長石
長石はアルミノケイ酸塩(ケイ酸塩中にあるケイ素の一部をアルミニウムに置き換えたもの)を主成分とする鉱物であり、正長石と斜長石に大別されます。正長石で有名なものとしてはカリ長石(KAlSi3O8)があり、カリはカリウムを意味しています。
一方、斜長石で有名なものとしては曹長石(NaAlSi3O8)と灰長石(CaAl2Si2O8)があり、曹はナトリウム、灰はカルシウムを意味しています。ほぼ全ての火成岩には斜長石が含有されており、正長石はほとんど含まれません。ちなみに、斜長石はアポロ11号(アームストロング、オルドリン、コリンズが船員)のときに持ち帰った月の石の主成分でもあります。
③雲母
雲母は組成が非常に複雑であり、多くの種類が存在します。通常、花こう岩中に見られるのは黒雲母です。きらきら光り輝くので、和名はきららといいます。かつて金雲母や白雲母は絶縁体としてよく利用されていました。
④角閃石と輝石
角閃石、輝石ともに組成が非常に複雑であり、多くの種類が存在します。また、角閃石と輝石は似ているため、区別することが難しいです。区別する方法の一つとして劈開面(結合力が弱く剥離しやすい面)があり、角閃石は割ったときの面の角度が124°と56°になります。一方、輝石の劈開面はほぼ90°で交わります。外見としては角閃石は柱状、輝石は丸状です。
⑤かんらん石
かんらん石は黄緑色であり、かんらん石が主要構成鉱物の岩石をかんらん岩と呼びます。また、かんらん石は苦土かんらん石(Mg2SiO4)と鉄かんらん石(Fe2SiO4)に分けられます。苦土はマグネシウムのことであり、苦土かんらん石で特に美しいものはペリドットという宝石となります。
まとめとして、主要鉱物としては石英、長石、雲母、角閃石、輝石、かんらん石があります。これら主要鉱物は全てケイ酸塩鉱物であり、石英と長石は無色鉱物、雲母、角閃石、輝石、かんらん石は有色鉱物となります。