土は土粒子(個体)、水(液体)、空気(気体)の三相から構成されています。このうち、水と空気の部分を合わせて間隙といいます。土粒子、水、空気の体積と質量が求まれば、土の性質や状態を数値化して表すことができるようになります。ちなみに、土中の空気の質量はものすごく小さいためma≒0と置かれる場合がほとんどです。
このとき、Vは体積 [m3]、mは質量 [kg]、Wは重量 [N] であり、記号の添字はそれぞれair、water、solidを意味しています。
通常、土は三相なのですが、水を加えたり加熱したりすることで二相にすることができます。図(c)は間隙が水で満たされている状態(飽和状態)であり、図(d)は土に水が存在していない状態(乾燥状態)を表しています。この2つの状態から土の様々な特性が見えてきます。
土粒子がどのように配列されているかで土の強さがある程度決まります。土粒子がどのように配列されているかを土の骨格構造あるいは土の構造といい、土の構造は土の特性と密接に関係しています。土の構造は大きく3つに分けることができます。
(a)単粒構造
単粒構造は粒径が0.02 [mm] 以上の比較的大きい粒子だけが集合してできた構造であり、個々の土粒子の接触状態や間隙の量などが土の安定に大きく影響します。例えば、間隙の多い土の改良を行うときは、振動や衝撃によって締め固める必要があります。締め固めることにより粒子の再配列を促し、間隙を少なくします。
(b)ハチの巣構造
粒径が0.002 [mm] 〜0.02 [mm] 程度で水中を沈降して堆積したときにできる構造であり、図のように鎖状のア-チを形成しています。ハチの巣構造は単粒構造と比べ、間隙量が非常に大きいです。その為、圧縮したときの変形量が大きく、土粒子の連鎖を壊すような外力(衝撃とか振動など)が加わると、土の強さが低減し不安定になります。
(c)綿毛構造
軽くて面積が大きいために水中で沈降できなかった土粒子同士が結合、沈降し、重なりあってできた構造が綿毛構造です。土粒子の結合状態や配列の状態は、鉱物の種類や水に含まれる電解質(塩素やナトリウムなど)の種類や量によって変わってきます。粒子間の結合力は強いのですが、こねくり回されると構造が簡単に壊れ、すぐにドロドロの状態に戻ります。
まとめとして、土は土粒子と水と空気の三相から成り立っています。また、水と空気を合わせて間隙と呼びます。これらに関係する記号は必ず覚えて下さい。今後、何度も出てきます。土の構造としては、単粒構造、ハチの巣構造、綿毛構造と3つありますが、覚えなくて大丈夫です。