道路の新設や改良を行う場合は事前に調査を行い、その必要性と効果について検討する必要があります。調査は現況調査と道路交通調査に大別されます。道路の現況調査では道路延長、幅員、曲線半径、縦断勾配、路面状況、交差状況、建築限界、排水など基本的な内容が調査されます。
道路交通調査は問題点の検討、交通需要の予測などに用いられるものであり、以下の6つがよく行われます。
①交通量調査
交通量調査は幹線道路や主要交差点を通過する交通量を方向別、車種別に調査する方法であり、最も広く用いられています。交通量調査は土・日・月曜日以外の天候が安定した日に実施され、交通は歩行者・自転車・原付き・軽自動車・普通自動車・バス・軽トラック・トラック・特殊車に分類されます。
②起終点調査
起終点調査は自動車の出発地と目的地・車種・経路・旅行目的・乗車人数などを調査する方法であり、OD調査とも呼ばれています。これらの結果はOD表にまとめられていき、道路網調査や概略設計などの重要な資料となります。
③パーソントリップ調査
パーソントリップ調査は人の動向を調べ、交通手段・移動時間・流動状況を把握するために行います。そのため、都市圏では欠かせない調査です。
④物資流動調査
物資流動調査は物の動きを調べ、品目・数量・輸送手段・輸送時間・出発地と到着地を把握するために行います。物資は複合的に輸送されるため、物資の流動を出発点から到着点までを一つの流動と考える場合は純流動、積替えのたびに別の流動と考える場合は総流動と呼ばれています。
⑤交通事故調査
交通事故調査はある一定期間に発生した事故を地点別に図表化し、道路の構造上の問題を把握するために行います。調査する内容としては事故状況(発生日時・発生場所・天候・車種)・交通流・道路条件・路面条件などがあります。
⑥環境調査
環境調査は大気汚染・水質汚濁・騒音・振動・悪臭・日照・電波障害などを調べ、周辺環境への影響を把握するために行います。この調査は一般的に環境アセスメントと呼ばれています。
まとめとして、交通調査は現況調査と道路交通調査に大別され、道路交通調査には交通量調査、起終点調査、パーソントリップ調査、物資流動調査、交通事故調査、環境調査に分けられます。