道は人が歩くことにより生まれました。道路を人工的な道とするならば、世界初の道路は30万年ほど前のスペインの遺跡にあり、象の大腿骨を横一列に並べることで作られました。このように道路は人類の歴史と共に始まり、大きな変貌を遂げてきました。
西洋では紀元前2600年頃にエジプトのピラミッド建設用道路、紀元前1600年頃に古代クレタ島でモルタルの道路、紀元前300年頃にローマ帝国によってローマの道が作られました。一方、東洋では紀元前50年頃にシルクロードと呼ばれる交易路を使って、中国からヨーロッパに絹を運んでいました。このシルクロードを発展させ、整備を図ったのがチンギス=ハンであり、この交通網を用いてロシアやイランを含む大帝国を築き上げました。
イギリスは1555年に道路法、1662年に有料道路法が成立しており、早くから法の下での整備が進められました。近代の1886年になるとドイツのダイムラー社がガソリン発動機を用いた自動車の使用運転を行っており、自動車の普及に伴って本格的な道路整備が行われるようになりました。
日本の道路整備は一番古いものとしては七道が挙げられます。七道は大化の改新後に律令国家が確立されるとともに整備されており、東海道、東山道、北陸道、山陽道、山陰道、南海道、西海道に分けられます。日本の地形は複雑であり、困難なルートは避けなければいけません。七道はこれら問題に順応したルートだったため、明治時代以降に建設された鉄道や高速自動車道はこの七道に沿って走っています。
日本の本格的な道路整備は戦後の1955年頃であり、自動車の保有台数が増加するに連れて道路整備が精力的に進められました。今日においても各所で渋滞があるように、まだ道路の整備は不十分な状況といえます。また、環境や景観にも配慮する必要があり、資源の再活用といった地球規模の環境保全が求められています。
まとめとして、道路は人間の変遷に伴って整備が行われてきました。日本の最も古い道路整備は七道であり、東海道、東山道、北陸道、山陽道、山陰道、南海道、西海道に分けられています。