路線測量は、道路、鉄道、水路などの線状構造物(幅に比べて延長の長い構造物)を建設するための調査、計画、設計などに用いられる測量をいいます。
路線の線形は線状構造物の中心線を描く立体的な路線形状であり、平面線形、縦断線形、横断線形に分類されます。路線の線形の決定方法は、国土交通省が出している公共測量作業規定により、以下のように定められています。
①路線の線形決定は、縮尺1/1000以上の地形において、設計条件および現地の状況を考慮して行う。
②設計条件となる点の座標は、4級以上の基準点に基づき放射法などにより決定する。
③線形図の作成は、計算によって求めた主要点および中心店の座標値を展開して行う。
道路の平面線形と銃弾線形は直線と曲線で構成されています。一方、横断線形は曲線のみで作られることが多いです。曲線は路線の方向や勾配を変化させたいときに使用され、車両が円滑に走行できないといけません。代表的な曲線をまとめると次のようになります。
単心曲線、複心曲線、反向曲線、背向曲線を図にすると次のようになります。単心曲線は一つの円曲線だけを用いた曲線です。複心曲線は同方向の二つの円曲線を直接接合したものであり、円曲線の間にクロソイド曲線を挿入したものを卵型と呼んでいます。一方、反向曲線は逆方向の二つの円曲線を直接接合したものであり、円曲線の間にクロソイド曲線を挿入したものをS型と呼んでいます。最後の背向曲線はヘアピンカーブとも呼ばれ、山地の道路でよく利用されます。
直線部と曲線部を直接連結すると、高速道路を走行する車両は円滑に移行することができず、減速することになります。減速は渋滞や事故を引き起こす可能性が大きくなるため、できる限り少なくする必要があります。そこで、減速を防止するために、下図のように直線部と曲線部の間に緩和曲線が設けられています。道路の緩和曲線はクロソイド曲線、鉄道の緩和曲線は三次放物線が用いられます。
まとめとして、路線測量の線形は直線と曲線からなっており、曲線は円曲線と緩和曲線に分類されます。全ての円曲線は単心曲線によって表すことができます。道路の緩和曲線はクロソイド曲線、鉄道の緩和曲線は三次放物線が用いられます。