波力の算定は海岸や海洋構造物を設計する際に極めて重要であり、防波堤などの巨大な面に波力が作用するときは波圧が用いられます。
水深を変化させずに波高を徐々に大きくすると、波圧は下図のように形状が変化します。波高が小さいときは重複波圧が形成され、波圧は緩やかに変化します。波高がある程度大きくなると、波圧は二つのピークを有する双峰形へと変化します。さらに波高が増大すると、波圧の第1ピークが第2ピークよりも大きくなり砕波圧が形成されます。そして、その状態で波が砕けると瞬間的に波圧が最大となり、このときの波圧を衝撃砕波圧と呼びます。
これら波圧の変化は連続的に生じているため、波圧を算定するときに区分して扱う必要があります。一般に、波圧は次式によって重複波圧と砕波圧に分けられます。次式に含まれている波高は一般的に有義波の波高が使用されます。
まとめとして、波圧は防波堤などの巨大な面に波力が作用するときに用いられ、重複波圧と砕波圧に分類できます。また、砕波圧が最大となるときの波圧を衝撃砕波圧といいます。