3.6 ベルヌーイの定理の応用

ベルヌーイの定理を応用して流速を測定する装置をピトー管、管水路の流量を測定する装置をベンチュリメーター、開水路の流量を測定する装置をベンチュリフルームといいます。ここでは、この3つの装置について紹介していきます。

ピトー管はL字型の細い管でできており、ピトー管の先端を測定場所の少し後ろに置くと流速を求めることができます。

流れの中にピトー管を置くと管入口に流速が0になる点ができ、これをよどみ点と呼びます。速度が速くなると圧力は低くなるので、よどみ点では圧力が正確に測定でき、この圧力から流速が算出できます。式の誘導をしていきます。このとき、基準線の高さは同じなのでz1-z2=0となり、よどみ点からv2=0となります。

このとき、2点間の圧力水頭の差をhと置き換え、速度v1を求めます。

次にベンチュリメーターです。ベンチュリメーターは管水路に断面収縮部を設けており、そのときの圧力差を利用して流量を求める装置になります。

ベルヌーイの定理から流量の導出をしていきます。ベンチュリメーターもピトー管と同様にz1-z2=0になります。また、2点間の圧力水頭の差をhと置き換え、式変形をします。

次に、連続の式を使って速度から流量に変換します。すると、ベンチュリメーターの式の誘導ができます。

最後にベンチュリフルームです。ベンチュリメーターは管の途中に断面収縮部に対し、ベンチュリフルームは開水路の一部に幅の狭い部分を作ることで流量を大きくし、水位を下げます。この水位の低下量を測定することで流量を求める装置です。イメージは下図のようになります。

図のように幅を狭くしたために水深が変化しています。このとき、断面内で流速が一様で水平になっていると考えると、速度が次のように求まります。

これら速度の式をベルヌーイの定理に代入することで、流量が求まります。

まとめとして、ピトー管を使うと流速が測定でき、ベンチュリメーターを使うと管水路の流量測定、ベンチュリフルームを使うと開水路の流量測定ができます。