コンクリートの許容応力度には許容曲げ圧縮応力度、許容せん断応力度、許容付着応力度、許容支圧応力度があり、これらは設計基準強度を元にして定めます。また、コンクリートの許容応力度を表にまとめると次のようになります。
鉄筋の許容応力度には許容引張応力度があり、降伏応力度を安全率で割ることにより求めています。その他にも、疲労の影響も考慮して、下の表のように定めています。
コンクリートや鉄筋の許容応力度は温度変化、乾燥収縮、地震、一時的作用などを考えるときに割増しをしてもよいとされています。一般的に、温度変化や乾燥収縮を考えるときは1.15倍、地震を考えるときは1.5倍、温度変化や乾燥収縮と地震を考えるときは1.65倍、一時的作用を考えるときコンクリートの許容応力度は2倍、鉄筋の許容応力度は1.65倍となっています。
例題:コンクリートは設計基準強度を24 [N/mm2]、鉄筋はSD345を使用したとき、地震を考慮した許容曲げ圧縮応力度と許容引張応力度を求めよ。
表から常時の許容応力度を求め、割増し係数を乗じます。
まとめとして、コンクリートの許容応力度には許容曲げ圧縮応力度、許容せん断応力度、許容付着応力度、許容支圧応力度、鉄筋の許容応力度には許容引張応力があります。また、温度変化、乾燥収縮、地震、一時的作用などを考慮するときは許容応力度に割増し係数を掛けても大丈夫です。