土に圧縮力が加わったとき、力の作用方向に縮むことを圧縮といいます。この圧縮力を取り除いたときに縮んだ分だけもとに戻る物体を弾性体といい、コンクリートや鋼が当てはまります。また、元の形に戻らない物体もあり、これを塑性体といいます。土は間隙があるために塑性体の場合が多いです。
飽和した砂質土の場合、透水性が高く水が抜けやすいためにすぐに体積現象が始めるのですが、飽和した粘土の場合、透水性が低く間隙比が大きいために、体積減少に長時間かかり変化量も大きくなってしまいます。このような圧縮を圧密いい、圧密による沈下は長期にわたって生じるため重要な問題となることが多いです。また、機械的な繰り返し応力で間隙中の空気を追い出す場合を締固めといいます。下図に沈下量と時間の関係を示しておきます。
テルツァギは圧密現象を水が入った円筒形容器にバネがついているピストンの模型で説明しました。下図はテルツァギの圧密模型を示しています。このとき、バネは土の骨格、容器内の水は間隙水、ピストンに空けられている孔は透水性を表しています。
①載荷直後
ピストンの孔が小さいため(透水性が低いため)、水はすぐ排出されません。そのため、水の粘性が抵抗してバネは下がらず、水頭がp/γw分だけ上昇します。従って、間隙水圧はp、有効応力は0となります。また、この過程で増減する間隙水圧は過渡に発生する水圧なので過剰間隙水圧と呼びます。
②一定時間経過後
ある程度時間が経過すると孔から水が徐々に排出されるので、加えられた応力に応じてバネが沈下します。そして、バネが受けた応力分だけ過剰間隙水圧が減少します。
③圧密終了後
さらに時間が経過すると間隙水圧が0になり、孔からの排水も止まります。このとき、載荷応力pは全てバネに作用します。そのため、有効応力はpとなります。
しかし、実際の飽和粘土では、過剰間隙水圧が0になった後も圧密が進行する場合があります。テルツァギの理論で説明できる圧密を一次圧密と呼ぶのに対し、この現象は二次圧密と呼ばれます。一次圧密は過剰間隙水圧の消散に伴う有効応力の増加により生じるものであり、二次圧密は一定の有効応力のもとに生じる土粒子骨格のクリープ変位であると考えられています。クリープとは、一定の荷重下で変形が進む現象のことをいいます。図にすると次のようになります。
まとめとして、土に圧縮力が加わったときに縮むことを圧縮といい、一定の圧縮力で長時間かけて進む圧縮を圧密といいます。また、テルツァギの理論で説明できる圧密を一次圧密といい、一次圧密の後に起きる圧密を二次圧密といいます。二次圧密はクリープが原因だと考えられています。