基礎セミナー
担当 鈴木
状況に応じて適宜課題・レポートでの自習やオンラインでの授業を検討しています.
新着情報
基礎セミナーAのページを作成しました.
本授業の目的およびねらい
多くの要素が集まって影響し合うと新しい特徴や構造が生まれる.広く創発と呼ばれるこの現象は,生物集団,人間社会,人工物など,実世界の様々な現象を形づ くっています.創発現象を理解する方法の一つに,コンピュータの中に人工世界を創って,動かして,観察して理解する,エージェントベースモデリングという手法 があります.このセミナーでは,様々な研究領域で活用されている代表的なエージェントベースモデルを体験することを出発点とし,生じる現象の面白さやその意義 を理解し議論することを通して,「調べる」,「考える」,「表現する」,「議論する」ための基本的な能力を身につけます.
履修条件あるいは関連する科目等
特にありません.
授業内容
はじめに,NetLogoを使ったエージェントベースモデルの基本的な考え方と計算機の使い方の基礎を学びます.
つぎに,担当するトピックを選定し,関連するモデルを動かし,体験します.創発現象が生じる仕組みの分析や研究背景の調査,意義の検討を各人の興味に応じて自由に行った結果を,スラ イド・レジュメ等を用いて他の受講者にわかりやすく発表し,議論します.
この過程で,1)様々な現象を創発的な観点から統一的に理解し,本質を見抜く力,2)理解したことを整理し,わかりやすく伝える力,3)多様な背景を持つ受 講 者と議論し,問題意識を共有する力,4)新たな問題や課題の発見に取り組む力を養います.
トピックとモデルの例:
生物の集団行動(アリの餌集め,鳥の群れ,被食・捕食,山火事,協力行動の進化)
人間の社会活動(交通渋滞,経済活動,富の分布,分居の発生,文化の伝播)
創発的計算(遺伝的アルゴリズム,粒子群最適化,進化的アート)
複雑系(セルオートマトン,複雑ネットワーク)
など.
成績評価の方法
出席,調査・発表の内容,議論への積極性等により,総合的に評価します.
教科書・参考書
特にありません.
注意事項
創発的なものの考え方を理解するための教育用のモデル言語であるNetLogoを用いて事前につくられたモデルを動かしますが,事前の技術や知識は必要あ りません.様々な問題を自分のこととして積極的に捉え,議論に参加する姿勢を期待します.幅広い分野に所属する学生の参加を歓迎します.
問い合わせ先
教員:鈴木麗璽(すずきれいじ)
居室:情報学研究科棟513号室
電話:内線4158(052-789-4258)
メールアドレス:reiji@nagoya-u.jp