16.1 核スピン
角運動量
原子核の全角運動量 I = L + S
本来は全ての核子のlとsの和になっているはずだが、この内部構造を無視してひとつの粒子的に取り扱えるのは我々がかけることのできる相互作用は内部構造を変えたり、核子間の結合を壊すほど強くないから
原子の全角運動量 F=I + J
核スピン(I) と電子スピン(J)を加えたもの
原子核の基底状態のスピンを決めるときの法則
全ての偶々核は I=0
核子どうしがペアを組む強い傾向がある
奇数質量核 : 最後の価核子がスピンを決定
他の核子は0に組む
奇々核: いくつかの値が可能 (陽子・中性子のJの結合による)
現象論的なルール :
陽子・中性子のスピンが並行に組む
例: 38Cl (Z=17, N=21)
d3/2 proton × f7/2 neutron
lp = 2, jp=3/2
陽子側の j と s は反並行
ln=3, jn=7/2
中性子側の j と s は反並行
spとsnを並行にとるようにする
JpとJnの結合は反並行
I =2 (|jp-jn|=2)
例: 50Sc (Z=21, N=29)
f7/2 proton × p3/2 neutron
lp = 2, jp=7/2
陽子側の j と s は反並行
ln = 1, jp=3/2
中性子側の j と s は反並行
spとsnを並行にとるようにする
JpとJnの結合は並行
I=5 (|jp+jn|=5)