獅子舞行列

ささら獅子舞

下福田のささら獅子舞は、熊野神社の夏祭りと秋祭りの年2回奉納されて おり、本来は、7月15日の天王さま(てんのうさま)、10月17日のお日待 (おひまち)と日が決まっていましたが、最近では、その日に近い日曜日に奉納 しています。

獅子舞行列

露払い(つゆはらい)

各地区の役員をしている「総代(そうだい)、用番(ようばん)」で、この方々が、獅子舞を陰で支えています。獅子舞の練習から、祭典の細部にわたる準備まで、すべてを仕切っています。


棒使い(ぼうつかい)

勇ましく、鉢巻にたすき掛けをして、獅子の舞う場所を清める棒術を行います。持っている棒や剣は、とても硬い樫の木で作られています。


法螺貝(ほらがい)

法螺貝の音は、遠くまで響き渡るため、獅子舞の始まりや終わりを村中に知らせるために吹きます。この法螺貝は鳴らすのにコツがいり、ただ吹いただけでは鳴らず、吹きこなせる方は少なくなっています。


歌方(うたかた)

獅子舞の独特の節回しを口伝で今に伝えています。現代のドレミ調の音階でないため、獅子舞の歌を歌いこなすのは大変難しいものです。獅子の舞い手はこの歌を聞いて、踊りを切り替えています。


笛方(ふえかた)

日本の伝統的な楽器である篠笛を吹きます。雅楽で使う篠笛は、通常、七穴といって、指で押さえる穴が7つあいているものですが、獅子舞で使う笛は、篠笛の中でも特殊な獅子笛といい、六穴、指で押さえる穴が6つのものです。


オカザキ・ささらっこ

「五穀豊穣」、「国家安康」、「氏子安穏」、「家内安全」といった地域の願いを書いた花笠を被っています。 このオカザキが、竹で作った楽器をこするようにして鳴らすことから、「ささら獅子舞」や「ささらすり」と呼ばれます。ちなみに「ささら」とは、竹を細かく割ったものをいいます。


仲立(なかだち)

軍配を手に踊り、時には獅子を先導し、時にはオカメやヒョットコの面をつけて道化役に回ります。場所によっては、猿田彦や天狗の面で行うところもあります。


大頭(だいがしら)

年齢を重ねた雄の獅子、角はねじれており、年長者であることを意味しています。


女獅子(めじし)

唯一の雌の獅子、雌なので角はなく、代わりに宝珠が頭についています。


男獅子(おじし)

雄の若い獅子、鹿の角のようなまっすぐな角が、若い獅子であることを意味しています。

ほら貝を先頭に杖を持った露払い

鉢巻にたすきがけは棒使い

歌方に続いて笛方

ササラを手にしているオカザキ

竹で作ったササラ

オカザキ4人分の花笠

花笠を被り、オカザキや、 ささらっ子といわれる

花笠には地域の人々の願い

ほら貝と仲立ちが持つ軍配

ヒョットコとオカメの面

オカメの面の裏

面などの道具箱のふた

大頭

だいがしら

年齢を重ねた雄の獅子、角がねじれている

雌獅子

めじし

唯一の雌の獅子、角はなく宝珠が頭にある

法眼・男獅子

ほうがん・おじし

若い雄の獅子、鹿のようなまっすぐな角

万灯(まんどう)

下福田地内には、両表・大木・下向・下中郷(古姓)の4つの地区があり、この4つの地区が順番にささら当番を務めています。ささら当番の地区では、10月の 秋祭りの直前に「万灯の花づくり」を行います。

当番地区の用番が、大きな真竹を山から切り出し、3センチ程度の幅に割って、7尺・5尺・3尺の三種類の竹ヒゴを作ります。 その竹ヒゴの周りを、色紙で覆って茎に見立て、ところどころ葉っぱを付けながら、和紙で作った花びらを、それぞれ竹ヒゴの長い順に7つ・5つ・3つ付けて、花に見立ててあります。この花を、下から7尺、5尺、3尺の長さに揃えて飾ってあるのが万灯です。

かつては、この万灯を先頭にした獅子舞行列をしており、「花とお獅子に出くわせば、はやり病にかからない」 とか「厄除けになる」とか「蚕が当たる」などと言われ、大変縁起の良いものとされていました。 また、この美しい万灯は神様の依代で、一番上に榊が飾られており、祭り当日、神様が降臨する際の目印となっています。夏祭りが終わった後には、この万灯の花を外し、下福田地区の熊野神社の氏子がそれぞれ持ち帰り、縁起物として家に飾ります。