CADオペレーターとは、「設計者から指示を受け、CADというソフトを使って、様々な図面の作成や修正を専門的に行う技術者」のことです。
ものづくりをする業界で広く必要とされますが、メインで需要があるのは建設業界です。
そのため、ここでは、建設業界におけるCADオペレーターに焦点を当ててお話ししていきます。
仕事内容などについて解説する前に、あらためてCADとは何なのか確認しておきましょう。
CADとは、簡単に言うとコンピュータ上で設計・製図をするためのソフトウエアのことです。
「Computer Aided Design」の頭文字をとって、こう呼ばれます。
●CADを使うメリット
CADが使われるようになる以前は、手書きで設計図などを書いていました。
しかし、手書きには以下のような欠点がありました。
・作図者の熟練度が図面の質に影響
・修正が大変(汚れ・破れ)
・共有が大変
・データとして応用できない
これらの問題を解決できるCADは、建設業界において欠かせないツールとなっています。
●CADには種類がある
CADは、平面的な図面を描く2D CADと、立体的に形状を描ける3D CADの、2種類に分けられます。
さらに、その中にも様々なソフトがあり、幅広い分野の設計に使われる汎用CADと、ある分野(電気設備や建築など)の設計に特化した専用CADに分けることができます。
2D CADと3D CADそれぞれのメリット・デメリットとCADソフト選びのポイントが知りたい方は、【CAD選びのポイント】2Dと3Dを比較―それぞれのメリットとは(アルファコックス)」を参考にしてください。
●CADで設計図を作成・図面修正
CADオペレーターの主な仕事は、CADを操作して建築物や設備などの正確な図面を描くことです。
基本的には、設計者(建築士など)が作成した手書き図面をCADにトレースしたり、設計者の作成した仕様書やラフスケッチ(手書きの簡単な概念図)をもとに、直接CADで設計図を仕上げたりします。
また、既成図面の修正も随時行います。
●CADオペレーターと設計者の違い
建築物や土木構造物などを専門として、その設計を行う設計者と違い、CADオペレーターはCADのスペシャリストとして、CADを操作するのが主な仕事です。
そのため、設計者の指示をよく理解し、それに従いミスなくわかりやすい図面をつくることが求められます。
ただし、会社の方針や本人の経験によっては、CADの操作だけでなく一から設計図を作成したり、3D CADを操作してモデリングを行うこともあるようです。
●CADオペレーターの1日
CADオペレーターの1日の仕事の流れは、以下のようなイメージです。
08:45
出社
09:00
朝礼・タスク確認
09:10
担当図面の進捗チェック
09:30
CADで図面作成
12:00
昼休憩
13:00
図面提出・設計者と打ち合わせ
14:00
打ち合わせを受けて、図面を修正
15:00~15:15
休憩
18:00
進捗を報告、退社
(納期前は残業することも)
プロジェクト内のCADオペレーターの役割は、簡単に説明すると以下のようになります。
(1)設計者がおおまかな設計をする
(2)CADオペレーターがCADで設計図を描く(設計者と相談して設計を練り直すことも)
(3)CADでつくった設計図などをもとに、積算や施工図作成が行われる
※施工図:実際に施工するために必要な詳細図面
CADで作成された設計図は、工事費用の見積りや建築資材の調達などの、重要な情報源です。また、完成後も保管して、修理や改修時に使用されます。
そのため、CADオペレーターの仕事は、設計から施工・改修に至る一連の流れの中で、重要な役割を果たしていると言えます。