歌唱の授業のために書いたプロット

Title 子猿

Tame ウミガメのスープに潜む偶然性について


Story 山に住む猟師は妻に先立たれ、病弱な息子を養うため狩に明け暮れていた。木の実を探して息子の家に迷い込んだ子猿はすっかり息子と仲良くなる。

お土産にお菓子をもらい喜び勇んで帰るが、その際獲物を狙っていた父親に銃で撃たれてしまう。

自分の子供の遊び相手になっていた子猿とも知らず、猟師は子猿を持ち帰り、病弱な息子のために猟師は猿汁を作ってやる、意識を取り戻した息子はしかし台所で子猿の亡骸を見つけ、自分が食べたのが子猿であると知る。

 

Prot

舞台中央に布団。布団の上に息子。手ぬぐいをあたまにかけ呻いている。

①    上手から父親登場。

お椀と匙とオケを持って息子に近寄る。

お椀から水を数杯呑ませる。

手ぬぐいをオケの上で絞り、新しい手ぬぐいと取り替える。

父親お椀とオケを持って上手へ去る

②    父親傘と傘袋を持って登場する。息子に山へ肉を取りに行くと告げる。

息子起き上がり、父親にいってらっしゃいと告げる。

父親は下手に去る。息子はベットに横たわる。

③    木の実(柿・栗・どんぐりでも可)が息子のそばに投げられる。

続けて子猿が舞台の下手から登場する。子猿はドングリを探しながら舞台中央に向かう。

息子がそれに気づくと、子猿がウキーといいながらどんぐりを追って駆け込んでくる。

息子は息を呑み子猿を見る、子猿もその視線に気づき不思議そうに息子を見上げる。

④    息子はドングリをとると、いたずらっぽくそれを隠す。子猿はそれを取ろうとするが、息子は笑って返さない。思わず立ち上がり子猿の前でドングリを見せびらかしながら家の中を駆け回る。子猿はそれを追う。子猿がドングリを掴んだとき二人とも転び、二人して笑い合う。

⑤    息子はドングリを子猿に返すと、舞台上手に向かい皿を取って帰る。皿の中にはおまんじゅうが三つ。(マシュマロでも可)それを子猿に与えると子猿は躍り上がって喜び駆け回る。息子はそれを見て喜び、もう一個与える。息子はもう一個与えようとするが、子猿はそれが息子のものであることに気づき、息子に食べさせようとするが、息子は笑って子猿に握らせる。子猿は名残惜しそうにお菓子を握りながら下手に帰る。再び息子を振り返る。息子はバイバイと手を振る。

⑥    息子は上手にはける。子猿は下手前側でA・B間を行き来しながら、移動していることを表現しなければならない。

父親が息を切らせながら上手に登場する。岩を見つけ岩影から傘を置き銃のように構える。

⑦    父親は子猿に気づき撃ち殺そうとするが、子猿が絶え間なく動くため照準が狙いずらい。子猿がお菓子で遊んでいると、またお菓子を手から滑らせて中央にお菓子を落としてしまう。お菓子を拾い上げうっとり見つめる。父親ゆっくり立ち上がり。傘の引き金を引く。子猿後ろに吹っ飛ぶ。マシュマロは握ったまま。父親は子猿を持ち上げ下手に去る。

⑧    上手側から息子が再び登場する。手ぬぐいを頭につけたまま座り、子猿が落としたきのみを見つめながら子猿を待つ。父親が下手から帰ってくるが、息子は子猿を待っているためそれに気づかない。父親は子猿をおろし、まず毛を取り川を剥ぎ、内蔵を抜き、肉を切り、鍋の中に入れ、その際猿が手にしていたマシュマロも思わず入れてしまう。

お玉で鍋をかき回し、椀の中に入れる。

⑨    お椀をもって息子の元に行き、おわんを渡す、むすこは気もそぞろに汁を食うが、食べているうちにマシュマロの甘みがすることに驚愕する。思わず「なんの肉?」と聞いた息子に、父親は誇らしげに「猿の肉だ」と告げる。

 

息子お椀を落とし、ふらふらと台所により、そこで死骸となった猿を見つけ、号泣する。

 

 

必要な小道具

・獅子頭

・手ぬぐい

・お椀

・さじ

・お玉

・オケ

・木の実

・黒い傘

・筒状の袋

・お菓子

・包丁とまな板