三人之会とは。

演出家・奥田知叡が、死ぬまでに一度仕事をしたいアーティストと組む演劇ユニットのこと。

対象は俳優にとどまらず、演出家・翻訳家・ドラマトゥルク・映像作家・美術家・制作など奥田知叡が人生で知遇を得た全ての人間である。

演劇は一人ではできず、二人では心もとなく、三人いてやっと関係性ができるものという奥田の定義の元、俳優を含めたさまざまな職種の人々との協働作業を通じて舞台作品を作り、「戯曲/書かれたテクスト」という演劇の根幹を保持し続けながら演劇の領域を少しずつ拡大する実験的な上演を行う。

作品づくりにあたっては、中国語圏のアーティストや能の技法を積極的に取り入れる。

2022年10月に設立。

2024年度メンバーは京都芸術大学大学院の同期でもある書家・今子青佳、映画監督・田詩陽。

主宰プロフィール

奥田知叡

演出家。三人之会主宰。

二松学舎大学文学部国文学科卒。劇場創造アカデミー11期修了京都芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻修了。国際演劇協会日本センター、能楽学会に所属。2024まで京都芸術大学 舞台芸術研究センター 共同利用・共同研究拠点 補助職員。

近年の主な演出作品に李健鳴「隔離」(2021)、三好十郎「胎内」(2023) 、高行健「逃亡」 (2023)など。

スタニスラフスキー・システムを深く学ぶため中国・北京の国立演劇大学に留学するが、アングラ演劇と能に出会い、転向。帰国後劇場創造アカデミーにてアングラ演劇の演出家・佐藤信に師事

能に関する論考として「武智演出「綾の鼓」の再評価―能技法を用いた三島『近代能楽集』の上演意義―」(『能と狂言』21号)、修士論文「能技法を用いた三島由紀夫『近代能楽集』上演の研究―能の現代演劇化について―」(京都芸術大学大学院 優秀賞)がある。

通訳・翻訳(中国語)のお仕事はこちら 

作品詳細はこち

メンバープロフィール

今子青佳

書作家、現代美術作家。京都芸術大学大学院芸術研究科芸術専文化領域修了。

伝統的な書や造形美的な書の範疇に留まらず、言葉の意味に伴うコンセプトに重きを置き、現代アートとしての書を制作している。作品は平面だけでなく、立体や映像などの表現方法が取り入れられ、総合芸術的な側面もある。これらの作品は、書だけではなくアート全般にとって新しい方向性を導くものである。


大学院修了時に提出した修了作品では映像を使用した表現技法が高く評価され、作品「永沈」が大学院賞を受賞している。


近年は三人之会の舞台作品にて美術として参加し、演劇という総合芸術に従属しない、「個」としてのテクストのあり方を書という技法で追求している。


作品詳細は作成中

田詩陽

映画監督、映像作家、写真家。京都芸術大学大学院芸術研究科芸術専文化領域修了。

映画評論家の北小路隆志教授に師事。外国人の映画作者として、外来者(よそもの)の生活状態に関心を持ち、現地に属さない群 体の精神を物語にして映画作品を作っている。社会がますますグローバル化していく中、さまざまな文化が日本で融合、発展し ている。その繁栄の下に隠れる様々の側面を掘り下げ、人はなぜ他の場所に流れ行くのか、「逃亡」/ノマドの答えを映画表 現の形態で追い求めている。

修了作品『雪にとどまる』はネガティブな意味での逃避行ではなく、ロードムービーという形で「 ノマド」を描き、現実世界に従属しないあぶれものの生き方を探求した。

作品詳細は作成中