どんなアプリ? 首輪につけた小型センサーが愛犬の「心拍」と「動き」を計測。最初は何もわかりませんが、飼い主が「今、おやつを欲しがってるよ」「これは怒ってるよ」とアプリに教える(フィードバックする)ことで、あなたの愛犬特有の感情表現を学習していくアプリ。
●ターゲット:
・言葉の話せない愛犬ともっと通じ合いたい飼い主。
・留守番中の犬の気持ちを知りたい人。
・保護犬など、感情表現が読み取りにくい犬を迎えたばかりの人。
●開発のポイント(低コストの秘密):
脳波ではなく「心拍」: 実現困難な脳波測定はせず、安価で確実な心拍センサーを使用。
クラウドAI不要: サーバー上の高価なAIは使いません。スマホアプリ内で「この数値の時はこの感情」と記録していくだけのシンプルな仕組みなので、月額利用料は不要(または格安)で運営可能。
育てる楽しみ: 完成された翻訳機ではなく、「飼い主と一緒に作り上げる」プロセス自体を価値にします。
1. 【リサーチ視点】「脳波」は現実的か?代替案は?
脳波(EEG)の課題:
毛が邪魔: 犬は毛があるため、電極を頭皮に密着させるのが非常に困難です(剃る必要があります)。
嫌がる: ヘッドギアのようなものを付けるのを犬は極端に嫌がります。
ノイズ: 犬が動くとノイズが入り、正確なデータが取れません。
●成功している代替技術(競合リサーチ):
「イヌパシー(INUPATHY)」: 日本のスタートアップが開発。心拍の変動(HRV)を解析して、リラックス・興奮・喜びなどを色で表示します。
「Whistle」などのスマート首輪: 加速度センサー(動き)で、「寝ている」「走っている」「掻いている」を判別します。
★提案: 脳波ではなく、「心拍(ドキドキ)」+「動き(尻尾の振りや姿勢)」を読み取る首輪型(またはハーネス型)デバイスにしましょう。これなら、あなたの目指す「感情読み取り」とほぼ同等のことができます。
2. 【エンジニア視点】AIを使わずに「学習」させる仕組み
「AI(大規模言語モデルなど)」を使うと通信費やサーバー代がかかります。しかし、スマホの中で完結する**「パターンマッチング(統計)」**を使えば、コストは0円です。
【仕組みの設計図】
・デバイス(入力):
センサー:心拍センサー(数百円)+加速度センサー(数百円)。
・マイコン:ESP32など(千円以下)。Bluetoothでスマホに飛ばすだけ。
●アプリ(処理と学習):
最初はアプリは「予測」を表示します。
フィードバック(飼い主の出番):
犬が尻尾を振って近づいてきた → デバイス値「心拍120、動き激しい」
アプリ「今の状態は何ですか?」
飼い主がボタンを押す:「ご飯がほしい」
ローカル保存: アプリは「心拍120+動き激しい = ご飯」とスマホ内部にメモします。
推論(次回):
次に同じような数値が来たとき、アプリは過去のメモを見て「ご飯がほしい、ですか?」と表示します。
これは「k近傍法」などの非常に単純なアルゴリズムで実装でき、「AI」と呼べるほど高尚なものではありませんが、ユーザーから見れば立派な「うちの子を学習するAI」に見えます。
3. 【経営者視点】ビジネスとしての勝ち筋
ニッチ戦略:
「全犬種の感情がわかる」という汎用的なものは大手(イヌパシーなど)がやっています。
あなたの勝ち筋は「世界に一つの、うちの子専用の翻訳機を育てる」という体験です。最初は馬鹿だけど、飼い主が教えれば教えるほど賢くなる。「たまごっち」や「育成ゲーム」の要素を入れることで、面倒なフィードバック作業を「愛犬との共同作業」に変えることができます。
ハードウェアの壁:
デバイス開発は在庫リスクがあります。最初は「M5Stack」などの既存の小型開発キットをバンドで巻き付けるような、手作り感のあるプロトタイプ(MVP)を数個作り、モニターに使ってもらうところから始めるのが良いでしょう。