Salon de Lundi 2022

ワインと愉しむ

19世紀のピアノサロン

出演者募集!

 新神戸イーストにある音楽サロン”サロン de Melante”では出演者を募集しています。


 サロン・コンサートの仕掛け人は日本テレマン協会音楽監督の延原武春氏。

「ヨーロッパではオペラのコレペティートル やリートの伴奏者など、ピアニストとしての仕事がきちんと存在しますが、日本では受皿となる仕事が少なすぎるため、ほんの一部のソリストを除けば、レッスンを主な収入源にしながら演奏活動を続ける人がほとんど。せっかくピアノで音楽大学を出て、しっかりとした実力があっても活躍の場が少ない事は非常に残念なことです。なんとか彼らにとって費用負担が少ない形で活躍の場を作りたい」と延原氏は語っています。

 サロンでは、ワインとソフトドリンクを用意。貴方のスタインウェイピアノコンサートを開催しませんか。

会 場 サロンde Melante

住 所 神戸市中央区熊内町2丁目5-10

客席数 35席

開催日 月曜もしくは火曜(原則)

条 件 チケット35枚(3,500円/1枚)の販売

    ※調律費や印刷費等は不要。

謝 礼 一律20,000円

協 力 日本テレマン協会

問 合 salon.de.lundi.2022@gmail.com

※ご出演をご希望の場合は、上記アドレスにメールにてご連絡頂くか、下記フォームにご入力下さい。

 口頭などでご出演の内諾を取られている場合でも同様です。

「黄金期」のピアノでサロンコンサート!

 ピアノの製造番号が通し番号になっていることをご存知だろうか。このスタインウェイには「269,411」とある。各製造年ごとに番号が区切られているから、これで1929年製であることがわかるのだ。この時代にモダン・ピアノは完成の域に達して、黄金期を迎えた。ボディが一体になった極上の響きを味わうことができる。「B型」はコンサート用のグランドピアノの中でも小さめのコンパクトなモデルであり、まさにこうしたサロンにぴったりだ。さあ皆さん、弾いてみませんか。

小味渕彦之(音楽評論家)

スタインウェイ&サンズ

1929年製ニューヨーク グランドピアノ

 世界最高峰のピアノとして名声を保ち続けているのがスタインウェイである。スタインウェイ社は1853年ニューヨークで創業。創業者であるハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインベークはドイツで1836年に自作のピアノを完成させるが、1842年にはヨーロッパの政情、経済不安を逃れるために一家で新天地アメリカに移住。ドイツでのピアノ製作は長男のテオドールが引き継いだ。1853年にはシュタインベーグを英語読みした「スタインウェイ」を社名としたスタインウェイ&サンズ社を立ち上げ大成功を収めることとなる。新しく立ち上げたニューヨークの会社と息子が引き継いだドイツの会社があるため、ニューヨークとハンブルクで同じ設計の元でピアノが製作されることとなった。

 20世紀に入り、スタインウェイのピアノは黄金期を迎える。特に1912年にニューヨークで作られたスタインウェイ CD75は1970年にホロビッツが好むピアノとなり世界各地で開催される彼のコンサートに空輸して運ばれたのは有名な話。「よく鳴る枯れたボディと弦圧の低い響板、特にピアニシモの音が伸びやかで特筆すべきは、低音から最高音域に至るまで各セクションの鳴りムラがなく驚くほど音量のバランスが良い極めて稀な名器である」と説明されている。

 サロンdeメランテ所蔵のスタインウェイは1929年製ニューヨークのもの。黄金期であった1930年頃にニューヨークで作られた、ピアニストやマニアにとって垂涎の的となるピアノである。

ピアノ修復師 山本宣夫