13:30 開会
ショート・トーク
13:35~14:15
第1報告| 上野正章/1960年代初頭の月刊『朝日ソノラマ』に連載された「日本の音」を読む
第2報告| 久米隼 芝田真理子 岸裕介/地域の博物館に求められる役割とサウンドスケープの取り組みとの親和性に関する一考察―地域の大人と子どもが音の風景でつながる可能性―
第3報告| 宮本一行/ワークショップ「アクティブ・サウンドウォーク札幌」の紹介
第4報告| 小西潤子 エヴァンゲリア・パポゥツァキ 宜野座綾乃 平松幸三/牧志地区商店街のサウンドスケープ―沖縄復帰後の変化を中心に―
総合討論
14:15~15:00
15:00 閉会
※発表5分+質疑5分です。
ショート・トーク
1960年代初頭の月刊『朝日ソノラマ』に連載された「日本の音」を読む
上野正章(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター)
月刊『朝日ソノラマ』は、1960年代初頭に「日本の音」と題して、録音と文章によって日本の消えゆく音、残しておきたい音をテーマにした19回の連載記事を掲載した。本発表は記事の概要を紹介し、1996年に実施された選定事業「残したい“日本の音風景100選”」を参照しつつ、当時日本の消えゆく音、残しておきたい音がどのように考えられていたのかということを明らかにする試みである。
キーワード:サウンドスケープ ソノシート レコード 音風景
地域の博物館に求められる役割とサウンドスケープの取り組みとの親和性に関する一考察
―地域の大人と子どもが音の風景でつながる可能性―
久米 隼(武蔵野学院大学・武蔵野短期大学)・芝田真理子(飯能サウンドスケープ研究会)・岸裕介(飯能サウンドスケープ研究会)
本報告は、地域の博物館に求められる役割とサウンドスケープに関する取り組みとの親和性について先行研究等を踏まえて分析・考察し、その可能性について報告することを目的とする。
筆者らは、小学校の放課後活動において、地域の大人と小学生が音の風景(サウンドスケープ)を介してつながる取り組みを実施してきた。その結果、世代間の交流や地域への関心の醸成といった一定の成果が得られている。しかし、より広い地域交流や教育的機能の深化を目指す観点から、学校外での実施可能性についても検討してきた。
そこで本報告では、地域の博物館に着目する。先行研究において地域の博物館には「地域を理解する」「地域の帰属意識や仲間意識を持つ」「地域の生活・自然・景観などを守る」等の役割が指摘されている。これらの観点からサウンドスケープの取り組みとの高い親和性が見出され、地域の博物館においても音の風景を通じた新たな交流や学びの可能性があると考察された。
キーワード:音の風景 地域 博物館 地域のつながり
ワークショップ「アクティブ・サウンドウォーク札幌」の紹介
宮本一行(札幌大谷大学)
「アクティブ・サウンドウォーク札幌」は、2024年11月から札幌市内を中心に筆者が取り組んでいる市民参加型の活動である。本ワークショップは、①サウンドウォークによる探索、②アクション・レコーディング、③振り返りの会、からなる三つのプログラムで構成している。本発表では、ワークショップ内容やその成果物を整理しながら、それらを記録する「アートドキュメンテーション」の試みについて報告する。
ワークショップ開発、アートドキュメンテーション、サウンドスケープ
牧志地区商店街のサウンドスケープ―沖縄復帰後の変化を中心に―
小西潤子(沖縄県立芸術大学)・エヴァンゲリア・パポゥツァキ(UNITEC, Auckland, New Zealand)・宜野座綾乃(琉球大学)・平松幸三(京都大学)
パポゥツァキをリーダーとする宜野座、ジョンソン、小西のチームは、2025年1月から沖縄県那覇市牧志地区の商店街と市場におけるコミュニケーションの生態学を明らかにするために、民族誌的フィールドワーク、口頭伝承の収集、音と視覚のマッピングを組み合わせた調査を開始した。本発表では、調査全体の概要および聞き取り情報に基づく沖縄復帰後のサウンドスケープの変化について紹介する。
キーワード:牧志地区 商店街 サウンドマップ