会員の皆様には、日々、埼玉県及びさいたま市の音楽教育の推進に尽力されていることと推察いたします。
本年度も本連盟では、研修会や音楽会、広報の発刊などの事業を実施してまいります。昨年度、私は数か所の小・中学校等音楽会に伺いました。どこの会場も、埼玉県内小・中学校等の音楽教育の実践・研究成果としての児童生徒の音楽表現が豊かになされていました。日頃の音楽教育の実践・研究成果は、児童生徒が発する声や音に表れるものですが、音楽会での音楽表現を確かめる限り、小・中学校等音楽会をはじめとする本連盟事業が、埼玉県及びさいたま市の音楽教育の質の維持向上のお役に立てていると感じております。本年度も会員の皆様の日頃の音楽教育の実践・研究成果としての、児童生徒のすぐれた音楽表現を期待しております。
本年度は、これら例年実施している事業に加えて、11月7日に関東甲信越音楽教育研究会埼玉大会を本連盟の主催で実施することになります。埼玉大会は「アナログ×デジタルで進化(深化)する音楽の授業における個別最適&協働的な学び」を主題とし、「児童生徒が主語となる音楽科の学びの実現」「音楽的な見方・考え方を働かせた深い学びの視点からの授業改善」「音楽科におけるウェルビーイングを目指した柔軟なカリキュラム・マネジメント」の3点を研究の視点として取り組んでいます。
改めて言うまでもなく、少子高齢化、グローバル化、加速度的に進展する情報化、価値観の多様化など、社会が変化する中で、教育もそれらに対応していく必要があります。こうした社会の変化を考慮しながら、未来を生き抜く児童生徒にどのような教育を行うべきか。これは我が国の未来を託すことになる児童生徒の教育に携わる我々にとって、待ったなしの課題です。もちろん音楽も例外ではありません。
このような中、令和3年1月中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」では、「『個別最適な学び』と『協働的な学び』を一体的に充実し、『主体的・対話的 で深い学び』の実現に向けた授業改善につなげていくことが必要である。」と指摘しています。そしてまた、「個別最適な学びと、協働的な学びを実現するためにICT は必要不可欠である。」ともしています。
埼玉大会の研究は、このような教育をめぐる時流を真正面から受け止めて、関東甲信越の音楽担当者に提案しようとするものです。このためには、埼玉県内音楽担当教員の皆様の力を結集して大会を迎えることが必要です。私は、埼玉大会を真の音楽教育に迫る契機とすることも、会員の皆様のお役に立てることになると考えております。ご協力をよろしくお願いいたします。
最後に、本連盟事業に対する会員の皆様のご協力を重ねてお願いして、あいさつといたします。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。