A. ご質問ありがとうございます。将来の進路を真剣に考えている質問者さんの意欲が伝わってきました。
10月31日に埼玉大学教育学部の大きな学部改組が広報が発表しました。まだ詳細の説明はありませんが、乳幼児教育コースも大きく変わります。公式の説明がないため、ここでは具体的なことは書けません。学部の変更は入試方法の変更に直結しますが、乳幼児教育の入試方法には大きな変更はないようです。簡単な説明しかありませんが以下をご覧ください。
「令和8年度(2026年度)埼玉大学入学者選抜方法の変更について」※現高校2年生から対象になります
https://www.saitama-u.ac.jp/exam_archives/202410311500.html
現在の「乳幼児教育コース」の特色を踏まえて回答します。現役の教員が回答してくれました。
【埼玉大学の乳幼児教育コースはどんな人が向いてますか? 学力が足りないのですが、目指しても大丈夫でしょうか?】
→ まずは受験勉強を頑張ってください。受験で培った学力は大学の教養教育、各種レポート作成、卒業研究、就職試験を有利にしてくれます。また、大学に入ってからでも、不足分の学力を補う努力はできますので、是非目指して下さい。かつて推薦入試で偏差値40程度の高校から入学者を受け入れたことがあります(推薦入試の成績もよく、受験生本人の将来性を見込んで)。今は公立の小学校で立派な先生をしていますよ。
【4つの協働の力とありますが、授業内では、子どもとの関わりだけでなく保護者との関わり方や地域の方々、小学校との繋ぎなども学ぶことができますか?】
→保護者との関わりは、授業「子育て支援」「子ども家庭支援論」「教育相談」等で学ぶことになるでしょう。また、附属幼稚園のおはなし会での託児などで実践的に学びこともできるでしょう。小学校との連携については、「幼小接続」のテーマとして、保育内容の研究に関する科目と領域専門科目で学びます。小学校教員養成用に開設された授業もありますので、選択科目として履修することができます。
【私は保育士や幼稚園教諭だけだはなく、院内保育や企業内保育園、ベビーシッター、保育の問題に取り組む企業への就職、未発達児の支援や教育、子どもの心に寄り添う心理系など、子供を取り巻く色々な分野に興味があります。その場合、貴学に入っていろいろ学び、社会に出た時に応用することはできますか?】
→応用することは可能です。教員としては、教員職か保育士職に就いて欲しいのですが、役所の行政職や教育関連企業(出版社等)に就職し、子ども関連の仕事をしている卒業生もいます。NPOを立ち上げ、子育て支援に力を注いでいる卒業生もいます。乳幼児教育コースで学んだことを生かす職業は沢山ありますが、埼玉大学教育学部乳幼児教育コースとしては、是非、小学校教諭、幼稚園教諭、保育教諭、保育士として、学んだ事柄を活かして欲しいと願っています。
カリキュラムの特色や就職サポートについては過去のQ&Aをご覧ください。
以上です。
(回答:元教授&現教員)
A. 幼児教育・保育の勉強に軸足をおいて,小学校教育も学びたいということですね。心配なのは、埼大の乳幼児教育コースに入学すると自動的に小学校の学習もできるのか、それとも本人の努力で小学校課程の授業科目を履修する必要があるのかということなのだと思います。埼玉大学では、前者、つまり、乳幼児教育コースでは卒業要件として幼稚園教諭と保育士になる科目を履修することになります。幼稚園の1種免許と保育士資格を取得することが卒業の要件です。小学校の免許を取らなくても卒業ができるということです。
質問者さんのように、乳幼児教育コースの在学生には小学校学習もしたい、できれば免許も取得したいという学生が多くいます。入学者の半数以上が小学校の1種免許か2種免許を副免として取得しています。小学校の免許は卒業には必要ないですが、幼児期と児童期の接続の課題は現在の日本の学校教育の大きな課題でもありますので、両方の免許を取る、つまり保育もでき授業もできる教師・保育士となって卒業することは質問者さんの進路の可能性を大きく広げることになるでしょう。余談ですが、首都圏では公立の保育士就職試験の倍率よりも公立の小学校教員採用試験の倍率の方が低くなっています。
小学校の2種免許でしたら、努力すれば必ず取得できます。1種免の場合は大学1年生から計画的な履修スケジュールを立てて勉強することが求められます。しかし、1種免取得も十分可能です。大学によっては「幼稚園・保育士資格・小学校免許全てとれますよ」とかの宣伝をしている(特に私大)ところもありますが、それぞれの専門性を高められるような学修をするとなると、学生本人の努力が強く求められてきます。そのことまで説明している大学はありません。「簡単にとれますよ」「みんなとっていますよ」とかの宣伝をしている大学は教育をいい加減にしているということです。ぜひ大学説明会に直接参加して、そのあたりのことを見極めてください。ぜひ埼玉大学の乳幼児教育で乳児から児童期までの教育と福祉を学んでください。
参考までに、埼玉大学教育学部のホームページをチェックしてください。
https://www.saitama-u.ac.jp/edu/ 「取得できる免許」
このホームページでは乳幼児教育コースに入学した場合の取得可能な副免許状のことが示されています。注意してほしいのはここに示された免許は一例であるということです。小学校2種免しか書かれていませんが、1種免許状も取得できますし、特別支援教育の免許状も取得できます。
ぜひ埼玉大学の乳幼児教育で乳児から児童期までの教育と福祉を学んでください。楽しみにしています。
(元・教授)
A. 以下の教育学部ホームページから乳幼児教育講座の教員にアクセスできます。どのような研究をしているのかは論文内容から想像してみてください。ただし、教員の研究内容とゼミ学生の研究テーマは同じではありません。乳幼児の教育・研究内容は多岐にわたるので、教員の専門外のことも指導しているのが現実です。研究の基礎は共通していますので学生自身が問題意識を持って能動的に研究に取り組む必要があります。
乳幼児教育コースの学生はホームページにある3名の教員のゼミに所属できます。というか、この3名にしか所属できません。これはどのコース・専修も同じです。コース・専修に対応する教員組織(講座)だけがコース・専修の学生の指導を最後まで見ることになります。
https://www.saitama-u.ac.jp/edu/introduction/fuculty_members/
3年次に学生の興味関心を調査し、その内容に応じて最も学生のためになる指導のできる教員が担当することとなります。毎年約20名の学生の多様な関心に基づいて3つのゼミに振り分けますので、学生の希望通りにはいきません。ゼミの変更は4年次の春に可能ですが、今までにほとんどありません。(この段落は3年前までの情報に基づいています。)
余談ですが、以下のサイトは日本の研究者の論文を紹介する国立情報学研究所のデータベース(SiNii)です。一般の検索サイトでは雑多な内容がヒットしますが、このデータベースでは学術的に価値のあるものしか出てきません。興味があれば検索してみてください。論文の内容全体をpdfで閲覧できるものもあります。教員の研究を検索してもよいし、キーワードを設定すれば日本の幼児教育のさまざまなテーマの研究も検索できます。
以上です。
(退職教員)
A. 協働とはコラボレーションのことです。園児や職員、園を取り巻く関係者・団体・機関と、共通の目標(子どもの成長、子育て家庭のウェルビーング、園の安全など)に向かって、ともに努力し(共同)、助け合い補い合いながら(協同)、互いの専門性・素質を尊重し、それらを発揮し、力と心を合わせていく(協働)ことが、保育の現場では求められています。
教育学部のホームぺージに「4つの協働」について以下のような文章があります。
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「就学前教育・保育のスペシャリスト養成」
多様性と包摂を理念とする現代社会において、保育者には様々な専門的な能力と資質が求められています。私たちは、保育の現場で求められているものを次の「4つの協働する力」にまとめています。
子どもとの協働
理論的知識と実践的技能、乳幼児の心の動きに沿った理解を基にした子どもと保育を創る力
保護者・地域との協働
保護者とのパートナーシップを築き、地域の子育てを支える人間関係構築力と保育カウンセリング・マインド
教職員との協働
教職員が一つのチームとなり、園全体で保育にあたるチーム保育力
小学校との協働
地域の小学校と連携し、発達と学びの連続性を保障した保育を展開する保幼小連携の力
乳幼児教育コースでは、これらの力をもった保育者を養成するために、理論的、実践的に学ぶことのできる様々な授業を用意しています。毎年、卒業生の殆どが保育所、幼稚園、小学校に就職し活躍しています。皆さんも、乳幼児教育コースで保育のスペシャリストを目指しませんか。
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ホームページには埼大教育学部の特質や他のコース・専修の紹介もありますで、ぜひチェックしてください。
https://www.saitama-u.ac.jp/edu/introduction/course/elementary-school13/
ゼミについてもホームページに載っています。2024年度以降のゼミは以下の3つです。
寺薗さおり(小児保健学、乳児保育、子育て支援等)
小田倉 泉(乳幼児教育学、教育思想、教育方法、外国の幼児教育等)
三橋さゆり(乳幼児音楽学、音楽表現、音楽教育、演奏活動(歌唱)等)
https://www.saitama-u.ac.jp/edu/introduction/fuculty_members/#section13
A.保護者との連携や子育て支援は保育者の大切な職務です。その第一歩は保護者から信頼される保育者になることです。養成校を卒業したばかりの若い保育者の多くは、子どもを育てた経験はありませんし、保護者よりも年下ですから、どうしても保護者支援に苦手意識を持ってしまいます。保育者のストレスの多くは保護者との人間関係にあることもさまざまな調査から分かっています。質問者さんが気になるのももっともなことだと思います。
埼玉大学では次の授業科目があります。「幼児理解と教育相談」(子育て・教育相談の理論と技法を学びます)、「子ども家庭支援論」(「家庭」や「親子」の定義や実態、子育て支援の制度について学びます)、「子育て支援」(保護者との相談活動を演習形式で体験的に学びます)、「子ども家庭福祉論」(福祉ニーズ:育児不安、一人親家庭、児童虐待及び家庭内暴力の実態と支援のあり方について学びます)、社会的養護内容実践(児童養護施設や児童自立支援施設での子どもと親の自立支援について学びます)
授業以外にも、学生のうちから子育て支援の現場に参画し、日常の親子の関わりを観察したり、子どもと一緒に遊んだり、運動遊びや歌遊びを児童したりする体験があるとよいですね。大学に入学後は、ぜひ近くの児童館などでボランティアをしてみてください。児童館では乳幼児と保護者の活動を支援する時間と場を用意しています。そこには保育士が常駐し、親子の活動、親子同士のつながりを支援しています。埼玉大学にはありませんが、他の大学では学内に「子育てひろば」などを設置し、児童館のような活動を展開しているところもあります。多くの場合、その活動に参加することで卒業に必要な単位も得られるような制度をつくっています。保育者養成を中心とする私立大学を調べてみてください。
また大学入学後、アルバイトで年上の人との人間関係を体験しておくことも、将来の保護者との関係構築にプラスに働くと思います。大学の授業は大切ですが、人間関係の力は日常の人間関係の中で身につきます。
ぜひ、人とのつながり、自己開示、葛藤の経験と解決、折り合いを付ける経験、楽しさや感動を共有する経験を高校時代から楽しんでください。
(元・教授)
A. 幼児期の運動遊びは身体づくりにとっても社会性(非認知能力)の発達からも、さらには認知(脳)機能の発達の上からも大切な経験になります。運動を楽しく、安全に指導できる保育者になれるといいですね。
さて、埼玉大学では、必修科目として「幼児と健康」「保育体育実践」があります。幼児期の身体発達の特徴の理解を踏まえた運動(遊び)について学ぶことができます。また「保育技術実践A・B」では一部、運動遊びの指導者スキルについて教えています。必修科目ではありませんが、ほぼ学生全員が履修する科目として「初等体育科概説」「初等体育科指導法」があります。「初等教育」とは「幼児教育と小学校教育」を指す言葉で、教育行政でよく使われます。
このように体育や運動に特化した科目は複数あるのですが、すべて幼稚園免許、保育士資格、小学校教諭免許に必要な科目(国が定めた教員免許法で指示されているもの)であり、教員養成をしている大学ならばどこでも同じような科目は存在しています。埼玉大学独自の科目は、残念ながら用意していません(人的、経済的に余裕がないため)。
民間の団体が定めた資格として、幼児体育指導者(公益財団法人日本幼少年体育協会)があります。また、運動と関連のあるものとして、レクリエーションインストラクター(日本レクリエーション協会)、 キャンプインストラクター(日本キャンプ協会)などもあります。これらの資格を取得できる保育者養成の私立大学や専門学校もありますので、調べてみてください。
質問者さんは保育者を目指しているようですが、体育科の教員免許を取得できる大学・学部・コースに進学し、副免許として幼稚園2種免許状を取得してみてはどうですか。埼玉大学ではこれが可能です。ただし、保育士資格は自動的にはとれませんので、自分で勉強をし、試験(全国保育士養成協議会 https://hoyokyo.or.jp/exam/)を受ける必要があります。
将来、運動好きな幼児に囲まれている自分姿をイメージして、希望進路に着実に向かっていってください。
(元・教授)
A.うーん、返答に困ります...。他大学の学部案内や受験雑誌の広告を見ると、「幼・小・中・高の免許が取れます」とか「保育士・幼稚園1種、小学校と中学校1教科の資格・免許がとれます」と宣伝していることが多いですね(埼大もややその傾向あり)。しかし、正直に書くならば、「努力して、5~6年間大学に通えば」保育士・幼稚園1種に加えて、中学校・高校の1教科の免許は取得可能です。つまり努力しても4年間では無理なのです。理由は必修授業の多さ、中・高の実習期間の長さが関係しています。複数の専修やコースに所属するのと同じことになるのです。Q&A[]も参考にしてください。
乳幼児教育コースの学生は保育士・幼稚園1種が必修です。それに加え、小学校1・2種、あるいは特別支援学校の免許をとる学生が多いようです。小学校1種になるか2種になるかは時間割の「運」と本人の努力次第です。私(元・教授)はこれで十分だと思っています。質問者さんが大学で一生懸命に勉学に励み、サークル活動や友だち関係も楽しみ、バイトにも精を出す生活をして、充実したキャンパスライフを送れることを祈っています。[元・教授]
A.ごめんなさい。集団面接の時間と人数は「受験要項」には載っていないのでここで説明することはできません。もちろん面接時の課題と質問内容についても。推薦入試の過去問は入手可能です。詳しくは入試情報を見てください。[元・教授]
A.はい、可能です。他専修・分野の科目も履修することができます。教育学(ジェンダー論を含む)に関する科目は一部教育学部の必修科目にもなっています。家庭科分野の科目も履修できますが家庭科の教員免許取得はかなり難しいでしょう。詳細は[2020.8.3 Q.中学校・高校の家庭科の先生の免許はとれるのでしょうか。]も参考にしてください。 [元・教授]
A.ずいぶん意欲的ですね。埼玉大学は教養科目として英語に力を入れています。特にコミュニケーションスキルを重視していますので、英会話スキルは確実に上達するでしょう。特別支援教育と障害児保育関連の科目もあります。しかし、それらと保護者支援や子育て支援を絡めた授業科目はありません。大学でそれぞれについて学び、保育現場での実践の中で、及び研修会等での学びで「グレーゾーンのお子さんの保護者支援を英語で行う」スキルを身に付けてください。
保護者との連携に特化した乳幼児教育コースの科目として「子ども家庭支援論」「子育て支援」「子ども家庭福祉論」「幼児理解と教育相談」があります。これらの授業では部分的に障害児保育や虐待に触れることはありますが、授業は日本語で行われます。 [元・教授]
A.はい、いわゆる体育会系の部活をしている学生は毎年数名はいます。埼玉大学には全国大会に出場するほどの成果をあげている部活は少ないのですが、それでも高校の部活のような、あるいはプロのクラブチームのような活動をしているところもあります。乳幼児の学生は実習もありますので、部活と勉学とバイトのやりくりに苦労することもあるようです。それでも部活に精を出しすぎたために留年した学生はこの35年間一人もいません。 [元・教授]
A.「児童学」の名称のある科目はありません。関連分として「生活創造専修の家庭科分野」に「保育学」「子ども・子育て支援論」「生涯発達と家族」の授業があります。乳幼児教育コースの授業ではありませんが、内容は深く関係していますので「自由選択科目」として履修することができます。ただし、時間割は毎年変わりますので、必修科目(履修しないと卒業できない!)と重なっていないとよいですね。
別の見方をすれば、乳幼児教育コースのすべての科目が「保育者になるための児童学」と関係しているといえます。「児童学」は中学・高校の家庭科で学んだ「保育」の単元が発展した学問分野名と考えてください。「保育者養成ではなく児童学そのものを学びたい」というのであれば、「家政学部」「生活科学部」「児童学部」「子ども学部」の名称の学部に進学した方がよいでしょう。 [元・教授]
A.回答が遅くなりました。まず新型コロナウィルスが5類になった関係で、令和5年度以降は、コロナ前に戻っています。すべての授業が対面になっています。サークル活動等の学生の自主的活動の規制もなくなっています。
「埼玉大学の特色」についてですが、[2020.8.6 Q.他の国公立大の乳幼児教育コースと異なる...]と [2020.8.6 Q.他の国公立大の乳幼児教育コースと異なる、埼玉大学ならではのポイントがあれば教えてください!]の回答を参考にしてください。ただし令和5年度以降、状況が大きく変わってきました。[2024.6.23]の「お詫び」で触れたように、現在、乳幼児教育コースは教員不足が続いています。この状況は今後も続く予定です。最低限の授業、つまり保育士資格と幼稚園教諭1種免許状の取得に必要な科目の指導は続けられますが、正直、それで精一杯という状況です。幅広く、またより深く保育者になるための指導を受けたいと考えるならば、他の大学の受験を考えてください。国立大学はどこも似たような状況ですので、保育者養成を主軸とする4年制の私立大学の受験を検討してください。このような状況ではありますが、埼玉大学乳幼児教育コースの特色としてあげられることは、学生の質が高いということです。私たち教員は他の大学でも非常勤講師として授業をすることがありますが、埼玉大学の学生ほど真面目に授業に取り組み、進路目標に向かって誠実に努力できる学生はいないですね。学生同士で切磋琢磨できる環境もあります。この特性は教育学部一般についていえることです。したがって、自分で努力できるならば、埼玉大学を受験してください。サークル活動等の学生の自主的な活動も活発ですし、他の学部の学生とも交流があります。このようなキャンパスライフを希望するならば、埼玉大学に来ても損はないですよ。(回答 元教授)
A. 埼大の乳教を志望しているとのこと、大変嬉しく思います。しかし、結論から言いますと、芸能活動と学業との両立は大変難しいと思っています。どのような芸能活動かは分かりかねますが、例えば「週の3日は18時に都内に移動する必要がある」、「毎日、18時~21時はレッスンがある」、「地方で公演をするから来週は大学に来られません」とかだと、授業を欠席する機会が増えていきます。また、実習中は実習に専念する必要がありますので、他の授業のレポート執筆やアルバイトなど、他の活動は一切禁止となります。実習中は、体力的、精神的、時間的な余裕が一切ありません。したがって、4年間での卒業は難しくなるでしょう。
時間割は学生によって異なりますが、令和3年度の必修授業だけをみても、1年生は週に3日は1限目9時から4限目の終わり17時50分まで授業が入っています。2年生は「保育実習指導」の授業がありますので、これが5限目(18時~19時30分)に入ることも多々あります。3年生以上はこれにゼミが入ってきます。先生たちも忙しいので、学生と教員の空き時間を調整すると、どうしても5限を使わざるを得ません。さらに、集中講義といって4日間通しで1限から4限まで同じ授業を行う期間がありますが、このような講義が2年生では1つ、3年生では2つあります。8月下旬から9月初旬にかけて行われます。
音楽や演劇系の活動は創造性、想像性、協同性、そして自己表現力を高める機会になります。一見華やかな活動に見えますが、日々の鍛錬は辛いものがありますよね。保育者養成の大学はどこも似たような時間割だと思っています。しかし、芸能活動をする学生が入学してきた実績のある大学では、学生の自主的な活動に合わせたカリキュラムもあるでしょう。そのような大学をぜひ見つけてください。質問者さんが表現力豊かな保育者になって、どこかの園でお目にかかれることがあったら、ぜひ声をかけてください。頑張ってください。
(乳幼児教育講座 首藤)
キャンパス内や自宅周辺で日常的に子どもとかかわることのできる環境は保育者や教師を目指す学生にとっては理想的といえるでしょう。関東地区では千葉大学と学芸大学がキャンパス内に附属幼稚園をもっています。お茶大には附属幼稚園と「文京区立お茶の水女子大学こども園」(保育所型のこども園)があります。私もそういった大学を訪れたときにうらやましく感じたことがあります。
さて結論ですが、埼玉大学のキャンパス内に附属幼稚園や保育所はありません。附属幼稚園までバスもしくは自転車を利用していく必要があります。時間はそうかからないのですが、「授業の合間にちょっと遊んでくるか」といった感じで園を訪問することはできません。附属幼稚園のそばに附属小学校があります。附属幼稚園と附属中学校は800mぐらい離れています。キャンパスに隣接したところに、かつての学内託児所が発展し、今は保育所になっている民間の園があります。乳幼児教育コースの学生たちは自宅近くの保育所や幼稚園や学童でボランティアをしたり、またアルバイトをしたりしています。いくつかの授業では大学近くの私立幼稚園に行って子どもたちと遊んだり、保育を参観したりする機会があります。
このように残念ながら埼玉大学では日常的な子どもたちとの触れ合いはできません。自分で問題意識をもって体験のできる園を探してくる必要があるでしょう。現在の学生たちはそのようにしています。
大学選びでは大学と附属園の地理的環境を視点におくことも重要になりますね。その意味では埼玉大学は不利な状況にあることは事実です。それでも、あえて言わしてください。質問者さんが埼玉大学に来ることを願っています。(乳幼児教育講座 首藤)
A. 埼玉大学では保育士専門科目として「子ども家庭福祉論」、「子ども家庭支援論」、「社会福祉学概説」の科目があります。それらの授業の中で、子育て支援や待機児童問題、保育士不足の内容を扱っています。またそれらの科目では「子ども虐待防止」も大きなテーマになっています。学生は、子どもの育ちと子育ての現状を理解した上で、保育所の保育士として、あるいは施設の保育士として「何ができるのか」、「何をしなければならないのか」、「どのように進めるのか」について深く学んでいます。
待機児童や保育士不足のテーマは保育者養成の学部・学科だけでなく、社会学、特に「子ども社会学」の中心的なテーマでもあります。子育て支援は経済学や法律や政治学の分野とも深く関係しています。保育の分野は多くの学問と関連していますし、多くの学問は保育に通じるという面もあります。あなたの進路の参考にしてください。
(乳幼児教育講座 首藤)
A. 小児保健学と乳児保育を担当する寺薗先生に回答してもらいました。
乳児(0歳児)保育のニーズに応えるために、新生児のモデル(約3000g)と6~9か月児のモデル(約8000g)を用いて、抱き方や寝かせ方、オムツ交換、身体計測などの演習をします。本コースでは病児保育士等の養成はしておりませんが、日常の子どもの健康・発達の観察の他、ケガや体調不良時の対応、感染症対策、慢性疾患をもつ子どもとその家族への支援など、子どもの健康を守るために必要な知識と技術の習得に関する講義や演習はあります。(寺薗)
質問者さんは保育と看護の重なり合う部分に興味があるのですね。質問者さんのような人は少なくありません。また保育現場のニーズとしても、病児病後児保育や医療的ケア児の保育が今求められています。昨年、病院の保育士(院内保育)として就職した学生が1名います。病児保育の専門家は民間の機関が養成しているようですね。将来病児保育の専門家を目指すために、大学では保育士になる勉強をしっかりしておくとよいかもしれません。また、看護師の資格をとることも将来の病児保育の実践に生きてくることでしょう。国の認可を受けた一般の保育所でも0歳児保育をしているところ、病児病後児保育をしているところには看護師が配置されています。大学の進路としては、保育士と看護師の養成大学のどちらかを選ばないといけません。どちらの道に進んでも、小さな子や病気の子の保育・ケアを高い専門性をもって、あたたかく実践できるプロフェッショナルになることを期待しています。(首藤)
A. 日本の保育の現場と保育者養成の場(専門学校、短大、4大)は確かに女性中心の世界です。男性なら心配になるのはもっともなことだと思います。日本保育学会などの学術研究の場でも女性が圧倒的に多いですね。男性である私も正直戸惑うことはあります。はっきり言うと、この世界、男性はマイノリティです。子どもは男女ほぼ同数なので、男性の保育者はもっと増えてほしいですね。子どもにとって男女(+α)の大人がいる世界が発達上重要な環境になるわけですから。
さて、乳幼児教育コースの令和3年度1年生には男子学生が2名(20名中)います。その男子たちに回答してもらいましたので参考にしてください。
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Yくん
結論から言うと、あまり心配しなくても大丈夫です。同学年の女子学生の中に男女差別主義者がいれば難しいかもしれません。ですが、乳幼児教育コースに入る人に「あいつ男だから除け者にしてやろう」みたいな極端に性格がひん曲がった人が入ることはほぼないと思います。ですからあまり心配しなくても大丈夫です!かくいう私も入学前は同じ悩みを持っていてとても心配をしていたのですが、いざ入学して話しかけてみると(話しかけるときはやはり緊張しましたが…)心配していたことがバカらしくなるくらい普通に接してくれました。異性に話しかけるのって同性に話しかける何倍も緊張しますよね笑。めちゃくちゃ分かります。でもそこをグッと堪えて「はじめまして」が言えたならばきっとみんな普通に話してくれると思います。入学後もし仮に馴染めないことがあればそのときは私と友達になりましょう!そんなこんなでさっきから偉そうに言ってますが私もまだまだ馴染んでいる途中です。なのでこれから対面授業が増えたら、今まであまり喋っていなかった人にも話しかけにいこうと思ってます。私もみんなと仲良くできるようこれからも頑張っていくのでこれを見てくれている受験生も頑張ってください。めちゃくちゃ応援してます!
Tくん
確かにこの乳幼児教育コースは女性の方が多く、慣れるのには時間がかかるとは思います。実際私もつい半年前までは男子校に通っていたのでまだまだ慣れないという事実はあります。しかし学生生活という観点からみたら何もこの乳幼児教育コースでの生活が大学生活の全てではありません。サークル活動やバイトとその他ボランティアなどでコミュニティはたくさんできます。そこで気の合う人を見つけてみて、大学生活を楽しむのも一つの手ではないかなと思います。
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どうですか。自信になりましたか。男性が日本中のどの保育者養成大学に入学したとしても、同様の課題に直面するでしょう。かつては「乳教男組」という組織を作り、男子学生と教員が酒を酌み交わしたこともあります。しかし今は、男子学生もクラスの中に溶け込んでおり、浮いた男子がいなくなりました。それに「男組」なんて時代に合わないですよね 笑。女子たちは、男子が心配するほど男子の存在を気にしていないようです。ぜひ埼玉大学の乳幼児教育コースに進学し、先輩の男子たち、そして同級生の女子たちと仲良くしてください。待っています!
(乳幼児教育講座 男子・首藤)
A. ずいぶんと埼玉大学教育学部のカリキュラムの内容に踏み込んだ質問ですね。熱心に大学研究をしてきたようで、とても意欲を感じます。さて、回答ですが、困りました...。「教職キャリア科目」は主に小中学校の教員を目指す学生向けに、どちらかというと教科専門に偏りがちな学修を、今一度、学生の関心を教職に向けてもらい、将来の学び続ける教員としての資質を高めようとする目的をもっています。ですから、教育学や心理学(教員免許法では教職に該当します)の先生たちが中心となって科目を開設しているのです。
現在、小学校では「スタートカリキュラム」の作成が義務化され、小学校教員も幼保小の接続について学ぶ必要がでできました。乳幼児教育コースの教員がこの教職キャリア科目に貢献できるとすれば、例えば「保幼小の接続」とか「小1スタートカリキュラム」とかの科目が考えられます。あるいは、小中の接続の内容も含め、他のコースの先生たちと共同して、「接続期の教育」の科目を用意することも考えられます。
現時点では乳幼児教育コースの教員は教職カリキュラムに貢献はしていません。乳幼児教育の科目数の多さや実習指導の負担の多さが原因です。教員の負担の多さは大学側の都合ですので、学生を第一に考えれば、接続期の教育の科目は必要になるでしょうね。幼保小の接続の課題について、今は小学校教育の各教科の指導法の中で扱っていると思います。将来はそれらの内容を総括する科目もまた必要になるでしょう。
質問の回答にはなっていませんが、「学生のためにはなるが大学側の都合でできていないこともある」という状況にあることはご理解ください。恥ずかしいことですが、これも現実の一側面です。
[教職キャリア科目一覧]
http://park.saitama-u.ac.jp/~zengaku/kyokari2.html
A. 留学できます。留学は人生経験を広げ、英語能力だけではない多文化適応スキルを高めてくれますね。埼玉大学では基盤科目の英語教育と留学支援にも力を入れています。詳しくは以下の埼玉大学のサイトをご覧ください。
http://www.saitama-u.ac.jp/international/index.html
教育学部、特に乳幼児教育コースの学生が留学する際に留意することを述べておきます。
・留学先 埼玉大学と協定を結んだ大学に留学する場合と、自分で探してきた大学に私費留学する場合とがあります。協定校の場合は、ほとんどの場合、協定校への学費は支払う必要はありません。また協定校で履修した単位は埼玉大学の単位として認定されます。そのため、留学期間も「4年間の学修期間」に含まれます。留学することによって、卒業を送らせる心配も少ないのです。私費留学の場合は、埼玉大学と協定を結んでいない大学へ行くため、埼玉大学を休学する必要がありますし、留学期間が長いと1年か2年遅れて卒業することになります(留学期間は学修期間として認められず、履修単位も埼玉大学の単位として認められないため)。協定校への留学は希望者が多いため、今から(高校生のうちから)、TOICやTOEFLで高い得点をとれるように勉強を始めてください。協定校にしても私費留学になるとしても、海外での滞在費は私費になり、かなり高額になります。ただ、海外留学生用の奨学金も用意されていますので、よく調べてくださいね。
・教育学部、乳幼児教育コースの事情 語学留学の場合は期間も短いため卒業を送らせる心配も少ないです。期間が半年であっても、実習の期間、卒業論文作成の期間と重なると、1年の留年は覚悟しておく必要があります。留学期間が1年の場合は確実に1年、もしくは2年遅れの卒業になります。2年も遅れてしまうのは、学年の始まりと終わりの期間が日本と外国とで異なることが影響しています。実習と卒業研究の単位は通年科目といって、4月からの1年間かけて履修する必要があるからです。しかしながら、2年遅れたとしても、海外での1年間の経験はメリットの方が大きいですよ。
乳幼児教育コースの場合、保育実習ⅠA(保育所)が2年生の2月(3年生になる年)から始まります。3年生では保育実習ⅠB(施設)と教育実習(幼稚園)があります。4年生では保育実習Ⅱと副免実習(希望者のみ)、そして卒業研究があります。できれば、2年生の1年間を海外留学に当て、1年遅れで卒業することを計画するとよいでしょう。協定校でも私費留学でもどちらでもかまいません。
今から8年前に、3年生の時にスウェーデンに1年間留学した学生がいました。協定校です。卒業は1年遅れになりましたが、インターナショナルハウス(学寮)で多くの国の仲間と友達になり、スウェーデンの小学校に2週間教育実習をすることもでき、大変充実した留学になりました。8月と9月に30日程度の語学留学をする学生は少なくありません。卒業にはほとんど影響しません。
留学を希望する学生は、入学後すぐ、留学希望者用の英語教育を受ける必要があります。高校生のうちから準備しておくといいでしょう。
(乳幼児教育講座 首藤)
A. 保育実習とは関連ありません。内容も大きく異なります。「参加的実践的学習課目」は「実習科目」ではないので、「相手側に指導者がいて、日々日誌を付けて、計画案を練って、実践してみる」という内容ではありません。しかし、実習では経験できない貴重な内容を含んでおり、就職後の幼児教育・保育実践にも役立つ内容ですから、多くの乳幼児の学生たちが履修しています。
<学校フィールドスタディ>
幼稚園、小学校、中学校で教育に参加して、お手伝いをしながら教育を学ぶという科目です。実習ではないので、実際に保育をしたり授業をしたりすることはありません。あくまでもお手伝いです。「丁稚奉公」しながら学んでいくのです。乳幼児の学生は幼稚園と小学校に行っています。
<サービスラーニング>
子育て支援、自然体験、地域おこし等の地域のNPOの活動に参加して、社会の様々な活動について学んでいきます。「学校フィールドスタディ」の社会教育版だと考えてください。学生の参加するNPOは大学と契約している必要があり、どこでもよいわけではありません。組織のしっかりした団体に協力してもらっています。
<ミュージアム・コラボレーション>
北浦和にある埼玉県立美術館で美術鑑賞のプログラムを作成し、実践したり、お手伝いしたりする活動に参加します。この授業を履修するためには美術科教育の科目を履修する必要があります。美術に関心のある学生が、美術の教育実習では経験できない、地域でのアート活動に参画するという授業です。
<見沼フィールドスタディ>
さいたま市東部に位置する見沼という自然豊かな場所で環境教育を実践するという授業です。環境から地域、社会、歴史を考え、環境保全の重要性を体感できるというSDGsに直結する授業です。
(乳幼児教育講座 首藤)
A. うーん、かなり深い質問ですね。「教職キャリア科目」には多くの授業があります。授業の中には「教育と社会問題」を扱うものがあるでしょう。直接に社会問題を扱っていなくても、学生が社会的関心をもって授業に臨めば、深い理解が得られることでしょう。また教育とは無関連に見える授業であっても、学生が教育的関心をもって取り組めば、きっと何らかの成果は得られることでしょう。
以上は一般的な回答です。具体的には、令和3年度に「教職キャリア科目」として開設されている授業は以下のとおりです。毎年少しずつ変わるので、あなたが入学してからの受講を保障することはできません。
埼玉大学のホームページから「各学部カリキュラムマップ」→「教育学部・教職キャリア科目」を見てください。大学のカリキュラムマップを調べることもできます。以下のサイトです。
http://park.saitama-u.ac.jp/~zengaku/karima.html
<科目名>
学校フィールド・スタディ
サービス・ラーニング
ミュージアム・コラボレーション
見沼フィールド・スタディーズ
教育と人間形成
教師教育学概論
ジェンダー教育学概論
現代の教育課題と教職
教育における臨床の知
教材づくりと授業展開
学校・地域とカリキュラム編成
教師の成長と教師教育
メディアと学習支援
発達心理学概論
教授学習心理学概論
カウンセリング概論
木の学校・木の教育
教育史概論
環境教育フィールド・スタディ
心の発達と文化
ストレス・マネジメント
スクールガーデニング
学校教育と社会教育
社会教育学概論
自然観察入門
日本史教育と日本史研究
小学校英語活動入門
小学校英語基礎論
教育総合科目C(人間の〈性〉と〈生〉と〈死〉)
キャリア形成科目Ⅰ(教師基礎力養成演習)
キャリア形成科目Ⅱ(教師力向上ケーススタディ演習Ⅰ)
キャリア形成科目Ⅲ(教師力向上ケーススタディ演習Ⅱ)
また、「教養教育」にも様々な科目があります。埼玉大学では基盤科目と呼んでいますが、「異なる文化と出合う」「宗教と出合う」「戦争の記憶・平和の思想と出会う」「多様な性と出合う」「地域と出会い、働くことを考える」「SDGsと出合う」などがあります。主に1年~2年で履修することになります。今から入学するのが楽しみになりますね。(乳幼児教育講座 首藤)
YouTubeの埼玉大学公式チャンネルに乳幼児教育コースの紹介があります。2年前に卒業した学生(現在、茨城県内の公立保育所勤務)が離しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZET8dQeSfuE
また、令和3年度の教育学部webオープンキャンパス(http://www.saitama-u.ac.jp/edu/web_open_campus/)用に作成した動画もご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=H2Xgu5Qtw2w
どちらの動画からもコースの雰囲気がよく伝わってきますよ。(乳幼児教育講座 首藤)
現在の4年生にも聞いてみました。
4年生A-優しくて可愛い人がいっぱいで和やかな雰囲気です
4年生B-優しくて温かくて柔らかい雰囲気です!
4年生C-とても穏やかな雰囲気で、乳幼児教育コースのみんなで仲良しです!授業の中でも協力し合うことが多いです
4年生D-楽しい雰囲気です。みんな仲が良いので授業に行くのが楽しみになります。
乳幼児教育コースでは、幼稚園教諭免許状や保育士資格を目指し、幼稚園における教育実習や保育所、福祉施設における保育実習があります。大学としては学生の学びの環境を保障するという点で実習先を選び、一人一人の学生のニーズに応じた学生の配置を心がけています。また、学生が安心して実習に臨めるように、必修科目として事前・事後指導の内容を含む講義も開講されています。コロナ禍にて遠隔授業による事前指導となりますが、オンライン授業を通して実習の意義や目的、実習内容、保育者の役割や実習中の感染症対策を学習したり、実際の保育所や児童養護施設等の先生方に講義をして頂いたりしています。さらに、オンライン授業上ではありますが、学生は模擬保育を実践し、振り返りを通して自己の課題を見出しながら保育実践力の向上に努めています。実際に、学生は手袋シアターやパネルシアターなど実習で活用する教材を作成し、学生間で評価し合い、教材の改善に励んでいました。学生の多くは改善した教材を実習で活用し、子どもの喜ぶ姿を通して、保育者になる意欲を高めていました。このように、私たちはコロナ禍においても学生の保育者としての自己実現を支えられるような事前指導に勤しんでおります。
(令和3年度 乳幼児教育講座 実習担当の寺薗先生より)
埼玉県では緊急事態宣言が9月末まで延長になりました。埼玉大学の「行動方針」はレベル3に引き上げられています。このレベル3では、学生の入構禁止、サークル活動は中止、研究活動も原則中止です。詳しくは以下のサイトをご覧ください。まん延防止の時はレベル2でした。サークル活動も、感染予防対策をした上で実施可能でした。今の埼玉県、特にさいたま市の状況ではしばらくサークル活動はできないでしょう。
アルバイトは感染予防をしっかり行った職場ならば実施可能です。生活のためにバイトをしている学生も多く、大学として一律に禁止にはできません。それでもバイトのシフトが減ったために収入が減少し、生活に支障をきたしている学生のために、大学はいろいろな経済的支援を行っています。
http://www.saitama-u.ac.jp/news_archives/2021-0722-1341-9.html
教員としては、ぜひともサークル活動やアルバイトの経験をしてほしいと思っています。大学の講義や実習では学べない、多くの経験を積むことができます。人間関係のスキルなどは直接大学では教えませんが、就活や就労にはかなりプラスに働きます。
学習とサークル活動の両立について現在の2年生と3年生に聞いてみました。2年生は昨年ほとんどキャンパスに通うことができませんでした。3年生も保育所実習の直前で、全ての実習が中止になった学年です。コロナ禍で、多くの学びや友達関係(恋愛も)の機会を失った学生たちではありますが、それでもたくましくを学生生活を楽しんでいるようです。参考にしてください。(以上、乳幼児教育講座 首藤)
2年生Aさん
埼玉大学では幼稚園教諭免許と保育士資格の両方の取得が卒業条件なので、ちゃんと授業も受けながら、サークルもバイトもこなしている人はたくさんいますよ〜!更に副免許といって、幼保に加えて小学校や特別支援の免許を取ろうとしている人も多いです!コロナ禍でのサークル活動は、対面ではなかなか難しいですが、どのサークルもオンラインでできることを模索して頑張っていると思います。たとえオンラインだったとしても、誰かと繋がっている意識が持てるので、私は入ってよかったなと思っています!(パン屋でバイトをしていて、3つのサークルに入って、副免許も取ろうとしている2年生より)
2年生Bさん
バイトやサークルとの両立は出来ると思います。私は副免の取得を考えていない為、他の人よりも授業数に余裕があるのも1つの理由かもしれませんが、両立出来ない…無理だ…身体が追いつかない…等と悩んだことは今のところ無いです(バイト内容、シフト日数、サークルの活動日数等にもよるかと思います。) 課題が多かったり、テスト期間等でレポート提出が集中したりして大変だなという時はありますがきっと乗り越えられます!! 何よりも、バイトやサークル活動をすることで他学部や他学科、他大学の人達と出会えて友達の輪が広がり、より一層大学生活が楽しくなるので何かに取り組むことをおすすめします(*´`) コロナ禍で対面授業が少ない中では余計に友達という存在は大事になってくるので、どんどんバイトやサークル活動するべきだと私は考えます。無理だな、キツイなと感じたら辞めるという選択肢もありますし、あまり深く考えず楽しい大学生活を自分で作り上げて下さい(*´`) 因みに私が所属しているサークルは元々週1の活動ですが、マスク着用や消毒等感染対策をしながらしっかり活動できています。
2年生Cさん
両立はできてます!バイト二つかけもちしても大丈夫!でもコロナ禍でサークル活動は中止しています。
3年生Aさん
私はバイトもしていて、サークルにも入りながら資格取得を目指しています。乳幼児教育コースの他の皆も、それぞれに合ったバイトやサークルを選んで充実させている人が多いみたいなので、両立できると思います!コロナ禍のサークルについては、緊急事態宣言中は活動を自粛している状況です。宣言が明けた時は、その都度様子を見て感染対策をしながら活動をすることもあります。(私は運動系のサークルです!)
3年生Bさん
私は入っていたサークルを一年生の時に合わないかもと思って辞めてしまったのですが、バイトは3年生の前期まで最低でも週に3回、多ければ5、6回入ってました!バイト先が潰れてしまったので今はバイトをしていませんが、副免許を取らないのであれば1、2年生が一番講義多いので、両立は難しくなかったです。サークルもバイトも自分で行く日を決められると思うので、課題前に回数を減らすなどすれば大変じゃないと思います!
3年生Cさん
私はサークル等に入っていないのですが、週2~3回ほどアルバイトをしています。(長期休暇中は短期アルバイトもしています) 私の周りの友人もサークル等やアルバイトと勉学を両立させている人が多く、両立は可能だと思います!中には卒業要件(保育士資格,幼稚園教諭一種免許状)の他に副免許取得を目指している人もいます。
3年生Dさん
私は大学から自動車や電車、自転車などを使って2時間半ほどの所にある実家暮らしで、地元でアルバイトをしています。通学時間が比較的長いので、通学時間や空きコマを活用して課題や勉強に取り組むなど、時間の使い方に工夫することでより充実した学生生活を送ることができると思います。
きっと素敵な幼稚園に通っていたのですね。卒業生の中には、母園でボランティアをしたり、バイトをしたりして、就職した学生もいます。
埼玉大学では、幼稚園実習は附属幼稚園と埼玉県内の公立幼稚園で実施しています。実習先は大学が責任をもって選んでいますので、学生が自分で探す必要はありません。その反面、あなたのように、母園で実習したいという意向があっても、それはかなわないのです。ぜひ、入学後は、母園に行って「私、埼玉大学の乳幼児教育コースに入学しました。」と報告してください。ボランティアやアルバイトをさせてもらえるかもしれません。実習では学べない多くの体験をすることができるかもしれません。
なお、保育所実習や施設実習も大学が用意した園・施設で実習をすることになります。ほとんどが埼玉県内です。
(乳幼児教育講座 首藤)
A. 高校では対面の授業が普通に行われているため、大学生になってもキャンパスに通い、対面で授業を受け、友達とおしゃべりしたいですよね。よく分かります!
埼玉大学では2021年度の前期の授業は「ハイフレックス式」といって受講生の半分が対面、残りの半数が遠隔というで授業を実施してきました。後期も同様なのですが、コロナ禍が拡大していますので、もっと厳しくなることも予想されます。2021年度前期では、乳幼児教育コースの授業は「全て対面の授業:ハイフレックス:全て遠隔授業」の割合が、「1:3:6」といった感じです。教育学部全体でも同様の傾向だと思います。遠隔授業が多くて残念ですね。
教育学部の抱える事情も関係しています。教育学部では実習がありますので、実習を控えた学生は「積極的に」遠隔で授業を受けています。全面的に対面の授業でも、学生が希望すれば遠隔で受けることができます。実習は幼稚園、保育所、小学校、中学校の現場に2週間から1ヶ月ほど行きますので、感染予防対策を念入りに行う必要があり、学生も教員も慎重になっているといえるでしょう。
さらに、埼玉大学の学生は関東1都6県から通学してきます。通学するだけでも感染リスクがある上、関東全域から感染を大学に持ち込んでしまう危険性もありますし、感染した場合は関東全域に広げる危険性もあります。このような事情から、大学は慎重にならざるを得ないのです。
昨年の1年間、ほとんど大学に通えなかった現在の2年生にも聞いてみました。
乳教2年Aさん「乳幼児教育コースはzoom授業が多かったので、そこでみんなの名前と顔を覚えたり、グループワークで話したりすることができました。対面授業が少しずつ始まってからはさらに話す機会が増え、仲良くなりました!また、私はサークルに入っているので、オンライン交流会で他学部の子や先輩とお話しする機会もありました!今年は少しずつですが活動が再開したので、実際に会って話すことでさらに仲良くなったかなと思います。友達ができるか不安なのはみんな一緒だと思うので、案外すぐに仲良くなれると思います!」
乳教2年Bさん「友達は乳幼児教育コースならできると思います!人数が少なくて、学科の特徴なのかみんなあたたかい雰囲気なので話しやすいです!」
乳教2年Cさん「教育学部だと、1年生の最初のスポーツ実技の授業は対面だったので、私はそこで友達と仲良くなりました。他にもゴールデンウイークくらいに、学科の皆で1度zoom交流会を開いたり、SNSをチェックしてサークルのオンライン新歓に参加したりして、徐々に知り合いが増えてきた感じです。オンラインだから…といって恐れずに、興味のあるサークルに飛び込んでみるのも1つの手かなと思います。(当時は「仮入会」という形もありました。) ただ、大学に通えるようになってからサークルに入ったり、そこで友達ができた人も多いので焦らなくてもいいと思います!また、オンライン授業だと不安なのは皆一緒なので、あまり遠慮せず、同じ学科の子に聞いてみたり、先輩に相談してみたりすると、そこから輪が広がるかもしれません!」
A. 乳幼児教育コース用の学生のために、クラビノーヴァが10台と電子ピアノが数台ほどはあります。クラビノーバ10台はコモ棟5階の乳幼児教育演習室に設置しています。この教室が空いているとき(授業時間以外)は自由に使うことができます。また、教育学部の学生用にコモ棟4階に個室のピアノ練習室が4室あります。ここも予約なしで使うことができます。しかし、昨年度からの新型コロナウィルス感染状況の拡大に伴い、これらの練習室と乳幼児教育演習室は閉室となっています。
学生たちは自宅での練習用に「電子ピアノ」や「電子キーボード」を購入しています。音楽実践等の授業を遠隔で行うときも、この電子キーボードを使用して弾き歌いを学んでいます。このキーボードについて、大学としては「61鍵以上」という条件を付けていますが、推薦するメーカーや型番などの指定はしていません。安いものは1万円前後、高いものでも3万円程度です。学費に加えての出費となりますが、コロナ禍がいつ収まるか分からないため、自宅用にキーボードを購入しておくとよいですね。(以上、乳幼児教育講座 首藤)
学生にも聞いてみました。
乳教4年Aさん「 乳教が使えるピアノは複数台あります。個室になっているところもあるため、周りを気にせず練習ができます。予約の必要はなく、大学が開いている時であればいつでも使用可能です。」
乳教4年Bさん「大学で練習できる場所もありますが、おうちにピアノがあるとやはり便利だと思います。ピアノでなくてもキーボードで十分です!」
乳教4年Cさん「ピアノが初心者の学生もたくさんいるので大丈夫です!大学に練習できる場所もあり予約も必要ないので大学が空いていればいつでも使えます。ですが、最近はオンラインでの授業も増えているのでお家にキーボードやピアノがあればいつでも練習できて便利だと思います。」
参考[2021.2.4]の質問への回答
乳幼児教育コースでは、1年次に音楽実技の授業を開設しています。ピアノの実技に関しては個人レッスンの形式で授業を行いますので、個々の習得度に応じて課題に取り組みます。それぞれのペースで技能の習得ができるようにレッスンを展開しています。ピアノ演奏の技能を短期間で習得することは難しいですが、継続的に練習することで、幅広い音楽活動が展開できるようになります。(乳幼児教育講座 音楽表現担当教員)
4月に入学が決定したのですね。おめでとうございます!
学生の多くは学内の生協のお店でノートパソコンを購入しているようです。どこで購入してもよいのですが、生協は学内にありますし、PCが不良の際に相談・修理依頼しやすいという利点があるようです。以下のサイトをチェックしてみてください。
埼玉大学生協 https://www.univcoop.jp/saitama-u/index.html
PCは4年間、それも毎日活用するものですのでケチらない方がよいでしょう。2021年度の第1タームと第2ターム(4月~8月)まで、一部オンライン授業が続きます。そのため、品質とアフターサービスにも留意してPCを選んでください。
乳幼児教育コースの学生のほとんどはWindows10のPCを使っています。音楽や美術を専攻する学生にはMac派が多いと聞いています。最近は、小中学校で普及したChromebooKを使う大学生もいます。安いですからね。しかし、Chromebookを2台目として購入する人が多いので、メインのPCとしてはお薦めできません。大学の学内無線LANの利用手引きやPCでの履修登録等の様々な手続きのマニュアルはWindows10を前提に書かれていることが多いですね。以下、Windwos PCの場合のお薦め機能です。参考にしてください。
・メーカーはどこでもかまいません。FUJITSU、dynabook、NEC、Mouse Computer、Panasonicのノートパソコンを使う人が多いですが、これは生協が扱っているからでしょう。外国製ですが、HPやASUSやDellからも安くてよいものが出ています。安さを優先すれば、中国や韓国のメーカーのものもあります。安いけれど性能は高いです。性能とデザインにこだわる人はSonyのVAIOを使っています。
・性能ですが、モニターのサイズは14インチ、重さは1.5kg以下、解像度はFULL HDがちょうどよさそうです。軽くて15インチのものがあれば選択肢に入れてもよいでしょう。10インチ~13インチは小さすぎます。12インチ程度で1kg以下のPCも出ていますが、いくつかのアプリを立ち上げてレポートを書くには画面が狭すぎると思います。もちろん、15インチのモバイルモニターを用意して、2台のモニターでレポートを書くとはかどりますが、予算的には高くなりすぎますね。
・CPUはintelの第10世代以降、内蔵メモリーは最低8G必要です。Windwosは4Gでも動きますが、複数のアプリを立ち上げると遅くなります。予算に余裕があるならば、16Gのものを選んでください。写真や動画の処理の際に余裕が出てきますよ。ハードディスクはSSDを選びましょう。256G~512Gがよさそうです。写真などをたくさん保存すると容量が足らなくなりますが、上手にcloudドライブ(Google ドライブ、DropBox、Amazon、Oneドライブなど)を使ってください。埼玉大学では学生もMicrosoftのofficeを無料で使えますので、Oneドライブを利用できます。
・最近の学生はプリンターは買わないですね。多くの授業でレポートは電子ファイル(PDF)での提出です。印刷する必要のあるものは、学内のローソンのコピー機にUSBを差し込んで印刷しているようです。また近くのコンビニでの印刷サービスを利用しているようですね。
・アパートで一人暮らしをするならば、アパートの通信環境にも注意してください。アパートで1つの光通信機器(モデム)を用意している物件が多いのですが、通信のトラブルも多いようです。誰か一人のPCがウィルスに感染した場合、全住民に影響が出てきます。このようにならない物件もあるようですので、アパートを契約する際は通信環境も重視してくださいね。
(乳幼児教育講座 首藤)
A.乳幼児教育コースでは、1年次に音楽実技の授業を開設しています。ピアノの実技に関しては個人レッスンの形式で授業を行いますので、個々の習得度に応じて課題に取り組みます。それぞれのペースで技能の習得ができるようにレッスンを展開しています。ピアノ演奏の技能を短期間で習得することは難しいですが、継続的に練習することで、幅広い音楽活動が展開できるようになります。(乳幼児教育講座 音楽表現担当教員)
A.小学校コースの「専修分け」は学生の希望通りに行かないこともあるため、とても不評です。なんとかしてほしいですね。しかし、乳幼児教育コースに入学し、副免許として小学校免許をとる場合は、「専修分け」はありません。安心してください。(乳幼児教育講座教員)
A. 小学校教諭を中心に学びたい場合は、乳幼児教育コースではなく、小学校コースに進んでください。埼玉大学の場合、小学校コースで幼稚園の免許を副免で取得しようとする人は毎年約20名はいます。そのほとんどは幼稚園2種免許を目指す人で、1種免許まで取得しようとする人は数名しかいません。小学校コースでは国語専修とか社会専修とかの専修に分かれます。そして所属する専修に対応した中学校免許まで取得します。その上で、2つ目の副免(免許としては3つ目)として幼稚園の免許を取ろうとするわけです。そのため履修科目数が増え、時間割が組めなくなるため、幼稚園の免許を取ろうとしても2種免になってしまうのです。ご質問にある「小学校教諭だけを目指したカリキュラム」は埼玉大学教育学部の場合はまずあり得ません。他の大学で小学校だけを目指す場合、たぶん時間割に余裕があり、じっくり小学校教育だけを学修できると思います。しかし、特定の教科を深く学んだり、小中連携や幼小接続・連携の学修をしたりすることは難しくなるでしょう。これらのことをよく考えて進路を決めてくださいね。頑張ってください!(乳幼児教育講座教員)
A. はい、そのとおりです。乳幼児教育コースの卒業要件は、幼稚園教諭1種免許状と保育士資格の両方をとることです。それで124単位必要になります。小学校教諭免許状は「副免」になります。教育学部の「履修の手引き」には乳幼児教育コースの学生が小学校教諭の免許を取得するときに履修すべき科目が明記されています。それに基づいて履修すれば大丈夫です。しかし、約40単位は余分に履修しないといけません。それなりの覚悟と努力が求められます。また、小学校実習は4年次の後半にありますので、卒業研究と就職活動を計画的に進めておかないといけないですね。頑張ってください。(乳幼児教育講座教員)
埼玉大学では、令和3年度より全面的に教職大学院になります。正式名称は、「埼玉大学大学院教育学研究科(専門職学位課程)」です。詳細はこちらをご覧ください。
さて、ご質問の件ですが、私たち乳幼児教育の教員が直接関わるのは「総合教育高度化プログラム」の「子ども共育サブプログラム」です。ここに所属すれば、幼稚園と小学校の1種免許状を両方「専修免許状」にして卒業することができます。受験資格は小学校か幼稚園の教員免許状を取得済み(1種と2種は区別せず)であることとなりますが、もし2種免許状だと専修免許にして卒業することは難しくなります。この点ご注意ください。
なお、教職大学院ですので、保育士資格は所有していなくても受験・入学・学修することはできます。令和3年度入学生用の入試は2回あります。第2期の入試の出願はまだ間に合いますので受験をお待ちしています。
(回答は教員・首藤)
A.多くの国立大学で幼稚園教諭の免許を取得できますが、免許がとれることと保育者の養成をしていることは別次元です。保育者養成の募集単位があり、そこの学生を指導する教員の組織があるかをよく調べる必要があります。乳幼児教育コース等の募集単位があり、教員組織(乳幼児教育講座など)の両方のある国立大学は18大学しかありません。関東では埼玉大学と千葉大学と東京学芸大学、東北では秋田大学と福島大学です。
埼玉大学ならではの特徴としては、他の国立大学と比べて、地域(さいたま市、埼玉県)との連携が密であり、特に保育士としての就職者数が多いという点です。なぜ保育士の就職が多いかは、地域の特徴が影響しています。埼玉県には公立の幼稚園が少なく、特に都市部ではほとんどないという現状があります。そのため、安定して仕事をし、長く勤めたいという学生は保育園への就職を志望します。一方、公立幼稚園の多い関西・中四国地区の国立大学では公立幼稚園への就職が多いという事実もあります。保育所保育では乳児保育や安全と健康の保育が重要になりますが、この専門家を専任教員として配置しているのも埼玉大学の特徴といえるでしょう。埼玉大学は地域と密に連携し、地域で求められる人材を養成するというところに力を注いでいるといえるでしょう。
また、ほとんどの国立の教員養成大学・学部には教職大学院が設置されていますが、幼稚園の専修免許状(大学院卒レベル)を出すこのできる大学は少数です。関東地区の国立大学と愛知教育大学のような教員養成に特化した大学ぐらいしかありません。
最後に、一教員の感想ですが、埼玉大学のポイントのひとつは学生の質の高さです。基礎学力はあるし、とても意欲的、誠実な人がほとんどです。不思議なくらい、性格が歪んだような人はいないですね。教員は教育と研究に専念できるのは本当に有り難いことです。
(乳幼児教育講座教員)
A.保育者養成の主流は専門学校や短期大学から4年制大学へ移りつつあります。埼玉大学は幼稚園教員養成50年の歴史があります。保育士養成をはじめて14年目になります。保育者養成校は教員養成から発展したところと社会福祉から展開してきたところに分けることができます。埼玉大学は前者、つまり70年の歴史のある教員養成に福祉部門である保育士養成を展開させた大学です。埼玉大学の保育者養成の特徴もここにあります。つまり、乳幼児教育・保育だけでなく、小学校教育も学ぶことができるという点です。
次に、埼玉大学には長く地域の教育や国の教育政策に寄与してきた附属の学校園があり、学生たちはそこで実習等のさまざまな体験を積み、大学での学び広げ、深めることができます。これは大きな特徴であるといえます。幼稚園実習と小学校実習を経験することで、幼児期から児童期にかけての子どもの成長を実感することができます。
3点目は、一学年20名定員という少人数のコースから生まれるメリットがあります。クラス全員と友達になることができ、楽しい大学生活を送ることができます。この点に関してはぜひ「学生による学生生活の紹介」動画(R2年度)をご覧ください。
4点目として、埼玉大学教職大学院の「子ども共育プログラム」に乳幼児教育が含まれていることです。卒業後、教職を数年経験した後、教職大学院に進学し、そこでの学びの成果を職場に還元していくという学問と実践との往還的な取り組みの制度があります。さらに、東京学芸大学を主幹大学とし、埼玉大学、千葉大学、横浜国立大学が共同で博士課程を設置しています。学部-大学院-博士課程という専門家になる道すじがあることも大きな特徴といえるでしょう。
(乳幼児教育講座教員)
A.安くはありません。高くもありませんが。
公立の保育士の場合、初任給は約20万です。民間の保育士も同様です。民間の場合、国や自治体から、また各法人の努力により、さまざまな上乗せのお金もありますので、多いところでは初任給で25万円ももらえるところもあります。しかし、公立では毎年昇級しますが、民間では昇級してもわずかなことが多いようです(一般的に)。
初任給20万円は、一般企業での4年制大学卒の新入社員とほぼ同額となります。ここ数年で、やっと保育士職の専門性が認められるようになり、それに見合った給料が支払われるようになってきたという印象をもっています。まだまだですが。
(乳幼児教育講座教員)
A.学生(令和2年度の4年生)に聞いてみました。カッコ内はイニシャル。
(A.I)大変なものもあるかもしれないけど、自分の興味のあることを学べるから楽しいと思います。
(A.K)大変なものは友達と協力したり、先輩に聞いたりしながらやっていました。理不尽に難しい課題が出るような授業は少ないと思います。
(S.A)大変な時期もあります。(テスト期間)レポート形式が多い印象です。学科の人たちと同じ授業をとることがほとんどなので、楽しいです。歌う授業とか楽しいです。
(R.S)単位を取ることが大変というよりも、乳幼児教育コースのみんなは大体優秀で真面目な人が多いので、そこについていくのが大変で劣等感を感じることはあります😂😂(でもみんな優しいし楽しいです!!)
(M.H)難しいこともありますが、自分が好きなことなので、楽しく勉強できると思います!
(M.M)専門科目が多いですが、乳幼児教育コースの仲間と助け合いながら、楽しく学べます。音楽や身近な自然と触れ合う課題や、模擬保育の授業は仲間と和気あいあい取り組んでいます。先生方も優しいので、困ったことがあったらぜひ相談してみてください。
(E.K)大変なものが多いですが、将来のためと思って頑張っています
(A.S)好きなこと、やりたいことについて学ぶので大変よりも面白いな楽しいなと思うことが多かったです。特に幼稚園の実習では実際に子どもたちと触れ合いながら学べるので、大変だけれどそれ以上の経験や楽しさが得られます。
(S.T)受験勉強よりは自分のペースで勉強できます。
(M.I)1.2 年生の時は授業が多いため、忙しいかも。日々の授業をちゃんと聞いていれば、テストなどは大丈夫だと感じました。 ピアノなどの実技系も少しテストがあるから、日々の練習が大切だと感じます。
(M.N)テスト前などは大変かもしれませんが、興味があることですし、私は友達にたくさん助けてもらっていながらだったので楽しかったという記憶が強いです。また、人数の少ないコースだからこそ横の繋がりが強く、それぞれ助け合いやすいと思います。
A.学生(令和2年度の4年生)に聞いてみました。カッコ内はイニシャル。
(A.I)私は推薦入試で入りました。試験の日まで出来るだけのことをして、あとは自分を信じてやりきることが合格に繋がるんじゃないかと思います。合格できるかどうかは試験当日までわからないですね。頑張って下さい!
(A.K)努力次第だと思います。がんばってください。
(S.A)勉強すれば受かります。余裕です。気合入れて力まず頑張ってください!
(R.S)倍率は毎年高いですよね!2 次試験は英語のみですが、選択式+筆記問題 1 問なので、全部記述の学校よりも受けやすいな〜と思ってました!(3 年前のことなので今も同じかはわかりませんが…)
(M.H)私は、センター試験は苦手科目の数学と理科の点数を上げて総合点を上げることを意識していました。二次試験は、英文をどれだけ早く正確に読めるかが大切かなと個人的には思うので、英文をたくさん読んでおくといいのではないかと思います。 合格の難しさに関してはなんともいえませんが、準備をして自信をもって臨んでもらえたらと思います!応援しています!
(M.M)私たちの時代は、センター試験でバランス良く得点することが合格の鍵だったと思います。二次試験の英語には英作文があったので、英語の表現力、単語力もポイントです。作文の型を作って、添削指導を受けながら繰り返し何度も練習しました。
(E.K)推薦に関しては、倍率が高く合格するのは簡単ではないと思いますが、自分の思いをしっかりと持って挑めば、チャンスは必ずあると思います!
(A.S)高校 2 年生の冬くらいから受験勉強を始めたように記憶しています。当時とかなり状況が異なるため一概には言えないとは思いますが、日々こつこつと勉強していればしっかりと結果はついてくると思います。自分の成績や実力と志望大学の合格ライン等との差を埋め、超えていくという意識をもって取り組んでいました。大変な状況だと思いますが、頑張ってください!応援しています。
(S.T)一般は諦めなければ受かります!
(M.I)(推薦入試の場合) 私が受験した時は 39 人?中 5 人合格でした。倍率は 8 倍くらい。現在はどのような感じなのかは分かりません… 論作文と個人面接でした。論作文は保育士・幼稚園教諭系の大学受験用の時事ネタ本見たり、就職採用試験の対策本見たりしてネタ集めをしました。添削や面接練習は学校の先生にしてもらいました。
(M.N)難しいかは人によって変わると思いますが、私は受験勉強大変だったなと記憶しています(高 2 で受けたプレセンターの英語 200 点中 35 点の人だったので…)。国立は科目数が多く、試験日が遅いので不安や焦りはありましたが、模試ごとに細かく目標を設定して勉強していました。大変なことはたくさんあると思いますが、頑張ってください!
A.大学としては、入学金と授業料以外のお金を集めることはありません。私立大学のように、入学時もしくは年度初めに「施設費」を徴収したり、「実習費」を徴収したりすることはありません。ただし、入学時に、授業で怪我をした/させたりしたときのための保険に加入することが求められます。この保険に入っていないと実習に行けなくなりますので必ず加入してください。また、教育学部の同窓会(教友会)が入学手続きの際に会費(終身)を集めています。これは任意ですが、同窓会の寄付講座などで学部の教職支援が行われているように、教員としては是非とも同窓会への加入をお薦めします。
実習には交通費がかかります。実習先次第では、ウィークリーマンションを借りる必要が出てきます。学生の現住所も考慮して実習先を決めていますが、学生にとって交通費等は平等にはなりません。児童養護施設での保育実習では宿泊費と食費がかかります。実習前の細菌検査等の検査代もかかります。実践系の授業では教材費を集めています。これらすべてを合計しても、4年間で学費以外にかかるお金は学生がアルバイトで稼ぐことのできる額です。
この件について、令和2年度の4年生に聞いてみました。以下、カッコ内は学生のイニシャルです。
(乳幼児教育講座教員)
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(A.I)人によっては実習中の交通費がかかります。あとは、手袋シアターとか、製作をするときの材料費があります。でも、将来役立つものなので無駄になりません!
(A.K)教科書代、実習の交通費、制作の授業の材料費
(S.A)芸術系の授業では、道具を自分で買いに行くことが必要になります。お金のかかる授業は年 1 くらいであるイメージです。私はエプロンをたくさん持っていなかったので実習の際には 4 枚ほど買いました。あとは、実習園によってポロシャツしかダメな園もあったりするので、そういう時にもお金使ったりすることがあります。
(R.S)実習は、家が遠い人だと交通費など結構かかります。また、遠すぎてウィークリーマンションなどを借りると 1 ヶ月 10 万くらいかかりました。3 年のときに行く(人によっては 4 年も)、児童養護施設は泊まり込みが多いのでお金がかかります。 教科書などは毎年 1 万以内には収まると思います。実習に行くための費用はエプロン、日誌、ポロシャツくらいかなと思います!
(M.H)児童養護施設の実習では、食費や光熱費を含めて 1 万円少しかかりました。保育園実習では給食費(3000 円くらい?)と交通費がかかりました。幼稚園実習も交通費です。他の授業では教科書費用、教材をつくるときの材料費(フェルトや画用紙が多いので百均で手に入ると思います)くらいだと思います。
(M.M)実習の交通費、給食費、光熱費(宿泊を伴うもの)等はすべて自己負担です。その他特別大きな出費はないと思いますが、講義内で作る手袋シアターやパネルシアター等の保育教材の材料を各自揃えることもあります。将来働いてからも使えるものになりますので、材料選びからこだわって、より良い教材研究ができるように心がけています。
(E.K)実習のための健康診断と細菌検査の費用
(A.S)実習費用は正直結構かかります。実習先にもよりますが、実習前の各検査費用や、エプロン等必要なものの費用などがかかります。私の場合、かなり遠い実習先の配属になり、1 ヶ月の定期代で 2 万円近くかかりました。実習前には費用の確認や確保をしておくことをおすすめします。ただ、実習では大学の講義だけでは学べない、実践的でいきいきした学びが得られて本当に素敵で実りの多い経験ができます。 実習費用以外にも、年度始めには教科書代や、日々の授業の中で製作等を行う場合にはそれらの費用もかかります。製作のための画用紙や布、文房具等は将来就職した際にも使えるので、ある意味必要経費であり無駄ではないなと思います。
(S.T)制作系の授業や実習準備等でちょっと出費があります。
(M.I)実習費用(事前オリエンテーション、実習中の交通費、保育実習に必要な腸内大腸菌検査費用など) 手袋シアターやパネルシアターを授業で作る時の材料費
(M.N)実習の場合交通費や給食費、宿泊がある場合は光熱費等がかかります。実習先によっては服装が指定される場合もあるので実習前に買い足したものもあります(エプロンやルームシューズ)。授業は、芸術系や製作をするものは画材やフェルトなどをその都度買っています。100 円ショップで買えるものや家にあるものを活用することも多いので値段はそこまで高くない印象です。
A.大丈夫です!
1時間目は9時から、2時間目は10時40分からです。5時間目の終わりは17時50分です。今では通学に1時間から1時間30分かかる学生は珍しくありません。都内23区外や横浜市から、茨城県や栃木県や群馬県からも通学してくる学生もいます。通学に2時間かかっても、4年間遅刻欠席はゼロという学生もいました。新幹線通学している学生もいました。その学生は、さいたま市にアパートを借りるよりも、新幹線通学の方が安いと話していました。
20年以上も前のことですが、多くの学生が一人暮らしを選び、大学の近くのアパートに住んでいた時代もありました。その時は1時間目の開始は8時40分でした。最近は、学生の通学範囲が広がったなという印象を受けています。
夜、家で「お帰り」と言ってくれる家族がいると安心ですね。部屋も暖かいしご飯もできているのはありがたいですね。一方で、1時間以内で通学できるのだけれども、「自立のため」に一人暮らしをしている学生もいます。そのような学生は学費以外はすべてアルバイトで稼いでいます。将来、よくご家族と話し合って、一人暮らしにするかどうか決めてくださいね。
(乳幼児教育講座教員)
A.卒業要件となる資格・免許は「幼稚園教諭一種免許」と「保育士資格」です。この2つをとらないと卒業できません。また、約半数の学生が小学校教諭一種もしくは二種免許をとって卒業しています。また例年3名程度ですが、特別支援学校教諭の免許もとっています。中学校や高等学校の教科の免許は必修科目がとても多いため、4年間では取得するのが難しいでしょう。(乳幼児教育講座教員)
A.家庭科には子どもの発達や育児の単元があり、幼児教育と関係の深い分野ですね。両方の免許を取りたいという気持ちは当然のことだと思います。
しかし、乳幼児教育コースの学生が中学高校の教科の免許を取得することは容易ではありません。可能かどうかでいえば可能ですが、最低就業年数(4年間)では難しいですね。幼稚園の免許は初等教育というくくり(分類)になりますが、中学校の免許は中等教育のくくりになります。幼稚園と小学校の免許の取得は同じくくりに入りますので、両免取得に必要な科目が重なっていることもあります。その分履修する科目数が少なくてよいと言うことです。一方、初等と中等とではまったく違うことを勉強しなければならないのです。例えば、教育実習を例にすると、乳幼児の学生が小学校免許を取る場合、実習期間は2週間ですが、中学校の教科の免許を取る場合は、それが4週間となります。幼稚園と中学校の両免取得をしようとすると、2つの大学に同時に通うような生活になるでしょう。
家庭科は文理融合の分野ですので、実験実習系の授業が多数あります。以上を踏まえ、ご質問の回答としては、「幼稚園教師・保育士」か「家庭科の先生」か、どちらかを選んでください、ということになります。
実績としては、3年前、「乳幼児教育専修」と呼ばれていた代の学生2名が家庭科の免許をとって卒業しました。しかし、「乳幼児教育コース」となった今、必修科目も増えたため、両免取得は4年間では難しいでしょう。
(乳幼児教育講座教員)
A.最近の10年間の卒業進路をまとめると、幼稚園と保育所への就職者の割合は80%です。令和2年3月に卒業した学生22名では、幼稚園2名、保育所12名、認定こども園2名、行政職の公務員2名、一般企業2名、大学院進学1名、留年1名となっています。(乳幼児教育講座教員)
A.乳幼児教育コースは幼稚園や保育園で働く保育者を養成することを目的としています。したがって、「将来、幼稚園や保育園で働く意欲のある人」を求めています。
大学では「どのような学生を求めるのか、そのためにどのような入試を実施するのか」について、アドミッション・ポリシーを定めています。埼玉大学教育学部のポリシーは以下のサイトにあります。
http://www.saitama-u.ac.jp/entrance/exam_info/policy/
その一部は以下の通りです。
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教育学部では、次のような人が入学することを望んでいます。
①幼児・児童・生徒の個性を伸ばし、社会を生き抜く力を育む教職への意欲・情熱・使命感がある人
②幅広い教育に対する問題への関心の中に、自分の探求したい得意分野がある人
③コミュニケーション能力や表現力が豊かで、相手の立場に立って考え、周囲と協調して行動できる人
④高等学校までに学ぶべき事項を幅広く修得し、入学後、専門的な知識・技能を理論と実践の両面にわたって修得するために必要な、諸教科の学力や実技能力を有している人
⑤入学後の学修において必要となる、様々な諸問題に柔軟に対応できるだけの確かな学力を有している人
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(乳幼児教育講座教員)
A.乳幼児教育コースでは保育士資格と幼稚園教員免許を出していますので、それぞれ厚生労働省と文部科学省が定めた養成基準に合致する授業科目と埼玉大学独自の科目とがあります。割合はだいたいですが、7:3ぐらいです。国の基準に合わせた科目が多いとはいえ、埼玉大学の教員のオリジナリティを入れて授業をしています。
授業内容を詳しく知りたい方は、大学のホームページから学生用のシラバス(授業の目的、方法、展開等を説明した計画書)を自由に見ることができます。埼玉大学のホームページから、「在校生の方へ」ー「webシラバス」と進むと、検索画面が出てきます。そこに「乳幼児教育コース」と入れて検索してみてください。担当教員や教科書などの情報もあります。
他の学部の授業は、共通科目(教養教育)の一部になっていれば、受講可能です。専門科目の場合、学部ごとに、それぞれの専門性に沿って系統的に授業科目を設計していますので、他の学部の学生が自由にとることは難しいですね。
(乳幼児教育講座教員)