登場人物については、リプレイ "Haunted Grove"を参照。
ゲームマスター、リプレイ執筆:ナッキー
GM:レッデンという男はベッドの上で身を起こした。頭には包帯が巻いてある。
リオネル:「山賊の仕業だね」
レッデン(GM):「うむ。ひどく痛むよ。だが、気を失ったおかげで命をとられることもなかった。勇敢な護衛たちはそうはいかなかったが・・・・・・」
ダナヒア:「命あってのものだねってね。自分を責めちゃいけない」
リオネル:「それで、私たちに頼みたいこととは?」
レッデン(GM):「山賊に盗まれた品を、・・・君たちにとり返してもらいたいのだ」
ダナヒア:「荷物のなかに何か高価なものでもあったのですか?」
レッデン(GM):「・・・奪われたのは短剣だ。柄に蔓草の装飾があって、柄頭に緑の石がはめてある。一見どこにでもあるような短剣だ」
ダナヒア:「でも、わけありなのですね」
レッデン(GM):「石を押しながら柄を左右にひねると、握りの部分が本体から外れる。中には小さい空間がある」
リオネル:忍者?(笑)
レッデン(GM):「白状しよう。私はただの行商人ではない。この辺境を旅しながらアルセダイン王のために情報を集めている密偵だ。このたびの帰還は、北部で起こりつつあるアングマールの動向について重要な報せを運んでいたのだ。しかし・・・」
ダナヒア:「盗まれた短剣には、王国の機密文書が隠してあったわけか」
リオネル:その山賊の根城ってどこにあるのさ?
GM:警備隊長やら村人やらの話をまとめると、街道から東に入った丘陵地帯にドル・ルーネンという丘人の町があるそうです。でも、その実体は、ごろつき、人殺し、世捨て人の集落でして。そこの指導者というか、そこで一番勢力をもっている丘人氏族の族長がいまして、彼が山賊を率いて一連の略奪行為をはたらいているそうです。
ダナヒア:ずいぶん、おおっぴらなんやな~(笑)
GM:彼の名前は、ビョール・ヘレギ。自称ルダウアの由緒正しい豪族の末裔らしい。
リオネル:彼が犯人なん?
GM:少なくとも、彼が今回の略奪者たちの元締めだと思われます。
リオネル:そこに行くの? 山賊の町ってさ、そんなに大勢を敵にまわせへんよ。
ダナヒア:その町の大きさはどのくらいなのでしょう? 全員が顔見知りという感じの狭いサイズ? ドレックノールみたいな場所なんかな。
GM:人口1千弱くらいの交易町といった感じでしょうか。 コンセプトはドレックノールでいいですけど、雰囲気ずっとプリミティブな感じでお願いします。
ダナヒア:じゃあ、よそ者が訪れてもそんなに怪しまれることはないんじゃないかな。故買屋とかを装えば、安全に短剣を買い戻せるかもよ。
リオネル:そうね。
ダナヒア:そういうことなので、買い取り用の金は用意してもらいたい。
GM:では、銀貨の入った小袋を貰いました。
ダナヒア:準備が整いしだい出発しよう。でもさあ、ふつうエルフって目立つよなあ(笑)。
リオネル:流れ者みたいな変装をしましょう。君は耳を隠すといいです。
GM:そんな生易しいものじゃないと思いますが(笑)。薄汚れた衣装などはいいアイデアかと。
ペジョウ:ばれそうなときは、こう、おぬしのせいでワシらが疑われるのじゃと、涙をこらえて打つのじゃよ。
GM:『勧進帳』なあ・・・。
殺風景な丘陵地帯を進むこと1日、丘が鋭く切れ込んだ谷間に薄汚れた建物がごちゃごちゃと寄せ集まってできた町ドル・ルーネンが見えてくる。谷は奥に進むにつれて狭まり、どん詰まりには立派な丸太造りの領主館がある。時刻は日没から少し経った頃、町に明かりが灯り始め、夕餉仕度の煙が谷をぼんやりと霞ませいた。
町の入り口付近に近づくと、守備兵らしき二人組が現れる。ここはリオネルが前に出て、自分たちの素性を流れの行商人だと偽り名乗る(〈交渉〉判定成功)。守備兵は、たいして興味もなさそうに話に納得し、町に入ることを許可した。だが去り際に、町で騒ぎ起こすとビョール・ヘレギがただじゃおかないぞと威圧した。
リオネル:とりあえず酒場と宿屋に向かいます。今晩は情報収集じゃよ。
ダナヒア:親爺に酒と肴を頼んでから、話し掛けよう。
GM:格好は里人だが顔に蛮族風の刺青の入ったおっさんだ。「あんたら、よそ者だな」と。
ダナヒア:「まあ、その辺はワケありってやつでな。さっき着いたばかりなのだ。で、訊いておきたいのだが、ここらで『仕事』をするときは、ビョール・ヘレギに『挨拶』しておくべきだろうか?」
酒場の主人(GM):「そうさな。礼儀というものはどこへ行っても大事なものだ」
ダナヒア:「直接出向いて会ってもらえるのだろうか? あの館に住んでいるのだろう?」
酒場の主人(GM):「ああ。手下が取り次いでくれるだろう。ビョール・ヘレギは生まれついての盗賊だが、一度交わした約束は必ず守るという評判だ。・・・最近はそんなヤツも少なくなったか」
ダナヒア:「ビョールに贈り物をするとしたらなにがいいかな? 手ぶらで出かけるわけにもいかないだろ」
酒場の主人(GM):「山賊に贈り物するなら、なんだって喜ばれるだろうに」と可笑しそうに言う。
リオネル:やっぱり基本はお酒かしらん?
酒場の主人(GM):ちょっと考えて、「ビョール・ヘレギは生まれついての戦士だ。年はとったが戦いの腕前は今でも一番だろう。そら、戦士にふさわしい贈り物といったら?」
ダナヒア:「剣かい?」
リオネル:ふーん。柄に細工のある短剣はいかが?(笑)
★ ★ ★
ダナヒア:ビョールの館へ出かけます。
リオネル:途中で、お花でも摘んでいこうかしら。
ダナヒア:昨日の親爺の話を聞いてなかったのかよ?(笑)
リオネル:でも、プレゼントできるような武器なんて持ってないやん。
ダナヒア:とりあえず、今回は顔みせ程度でいいんちゃう。
GM:はい。館につきました。
ダナヒア:「たのもー」
一行は、使用人に案内されて、館の広間にてビョール・ヘレギと面会した。男は疲れた表情の白髪白ひげの老人だった。ダナヒアが商いに対する許しをこうと、かすれた声で「すきにせよ」と告げ、手を振って一行を下がらせた。
ダナヒア:うわ、あっけない(笑)。最後にいいですか、「とくに、装飾品として値打ちのある武器を探しております。ビョール殿にお取引の要望があれば、喜んで交渉させていただきます」と言っておく。
GM:は。退出しました。
リオネル:おじいちゃん大丈夫かしら。っていうか、これからどうする?
ダナヒア:町に出てみようぜ。短剣は売り払われたと思う?
リオネル:うにゅう。戦利品として誰かが持っている可能性もあるよ。
GM:では、市場につきました。露天商の売り声や鍛冶屋の鉄を打つ音なんかが聞こえ、けっこう賑わっています。
リオネル:おー お買い物したいなー。
ペジョウ:とりあえず、短剣が売りに出されそうなそれっぽい店を見て歩こうぜ。
GM:「よろず買い取り」屋だとか「公平な天秤」屋だとか看板も見えますが。
リオネル:じゃあ、片端からのぞいて行こう。
GM:とりあず、いろいろひっくるめた〈交渉〉判定をしておきましょう。
3人は1日かけて次々に質屋、鍛冶屋、宝石屋などを(道草などもまじえつつ)訪ねて回るが、目的の短剣に出会うことはできなかった。しかし、情報を求めあれこれ訊ねていくうちに、この町には二つの勢力があることを知る。一つは族長ビョールの率いる血縁関係の強い山賊団、もう一つはビョールの息子『ランノール』の下に集まった一団である。ランノール一派は表向きビョールの配下ということになっているが事実上は独立した勢力で、若手を中心によそ者も加えて「無法者」集団を結成しているらしい。
そしてもう一つ、ビョールの館には質の良い武器(戦利品)のコレクションがあるという。
リオネル:収穫なしね。でも、どうよ、ランノールって。
ダナヒア:そろそろ世代交代ってやつなのでは(笑)。
GM:でも、町の者のビョールに対する反応は悪くありませんでしたよ。一方、ランノールは礼儀知らずとか親不孝者だとか呼ばれて、敬遠されている感じでした。
ダナヒア:でも、ビョールを老いぼれ狼とか言った婆さんもいたやん。実際、昨日見たのは萎びた1人暮らしの爺さんやったし(笑)。
リオネル:こうなると、ランノールにも会っておいたほうがいいかなあ。
ペジョウ:二股はやばいんちゃう? ビョールの側で捜索を続けたほうがええんちゃう?
ダナヒア&リオネル:そうだねえ。
ダナヒア:店で見つからないということは、誰かが自分で所持しているということかなあ。もうちょっとおおっぴらに、短剣を探していることを告げてまわるか?
リオネル:やつらに怪しまれないかしら?
ダナヒア:それでもいいんちゃう? ワケありの品物を買い戻しにきました、ということでも。
ペジョウ:だったら、ビョールのコレクションからあたるべきちゃう? あいつのところへ直接行って、訊ねてみてもいいんじゃねえの?
ダナヒア:・・・そうか。じゃあ、次はそれでいくか。
★ ★ ★
リオネル:やっぱ、お酒でも買っていきましょう。今日は夕食前にお邪魔することにして。
GM:は。では、ふたたびビョールと対面です。彼は大きなテーブルで1人食事をしていました。
リオネル:おじいちゃん寂しそう。みんなで食卓を囲んであげましょう。卵じゃ、卵!
ダナヒア:「たびたびお時間を割いていただき恐れ入ります。実は、商売の件でうかがいました。今日一日中町の市場などを見て廻ったのですが、どうしても目ぼしい品物を見つけることができませんでした。・・・このまま手ぶらで帰ることもできません」
ビョール(GM):彼はじろりと君を睨みます。パンをちぎって口へほうりこむ。「ワシの持ち物に関心があるのか」と言います。
ダナヒア:「そうです。よろしければ拝見させていただけないでしょうか」
ビョール(GM):ずいぶん長く見つめられていましたが、酒を1杯あおってから、「・・・いいだろう」と言って立ち上がります。いいですか?
ダナヒア:ついていきます。
GM:では、武器庫らしき小屋に入りました。棚には何本も刀剣類が保管されています。
ダナヒア:探す、探す(笑)。
GM:(かげでサイコロを振りながら)それらしきものは見つからないね。
リオネル:一緒に手伝うけど?
GM:(かげでサイコロを振りながら)それらしきものは見つからないね。どちらかといえば、実用性重視の武器コレクションばかりですね。
リオネル:じゃあ、帰る(怒)。
GM:するとビョールが、すっと前に進み出て『だんびら』を手にします。そして、『びゅんびゅん』と振る。
ペジョウ:おおう。
GM:このときの彼は背筋がしゃんと伸びてまるっきり戦士の姿なのです。で、『ぴし』と切っ先をダナヒアの鼻先に突きつます。「どうして、わしを騙す?」と言う。
ダナヒア:ありゃ(笑)。
リオネル:「な、な、なにを、おっしゃいます!」
ダナヒア:動揺しすぎ(笑)。 「嘘は申しておりません。我らは武器を商っております。ただ・・・実は今回はある人物の依頼で・・・特別な短剣を探しているだけでして・・・」
リオネル:えー、そこまで教えちゃうの? 「物が見つかれば、適当な値段で買い取らせていただきます。それが済めばすぐにでもこの町を出て行きます。あなたにそれ以上の迷惑はおかけしませんから」と言う。
GM:ビョールは『だんびら』を下ろしました。「短剣だと?」
ダナヒア:「はい。数日ほど前、街道で行商人を狙った襲撃がありました。短剣はそのとき奪われました」
ビョール(GM):「・・・よほど大切な品物であろうな」
リオネル:「ええ」
GM:ビョールは少し考えていた様子でこう言います、「その短剣はここにはない」
ダナヒア:お。
ペジョウ:「あの襲撃に、あんたは関わっていなかったのか」
リオネル:「もしかして・・・ランノール?」
GM:ビョールは右眉をついっと吊上げます。
その場はなんとか取り成してビョールの館から退場した一行。さっそく町に出てランノールに関する情報を集めた。ランノールは町の西の石塔を住居としており、多数の部下に守られていること。彼らは、街道沿いでの略奪に際して独自の密偵たちを使って情報を得ているらしいこと。近頃、ランノールに情婦ができたことを知った。
リオネルの提案で、町の宝石店で装飾品を買い集め、婦人目当ての物売りのフリをして塔に近づくことになった。3人は塔の玄関先でランノールの私兵から厳しい誰何を受けた。が、そこにランノール本人があらわれ(3階の部屋の窓から)、一行を部屋に招きいれた。
GM:塔の3階です。部屋の中央には円卓があります。ランノールが退屈そうな顔で椅子に腰掛けて待っていました。「物売りなのか?」と聞いてくるぞ。
リオネル:「ええ。ご婦人用のものを主に扱っています」と言う。
ランノール(GM):「見せてみろ」と言います。
ダナヒア:広げる。
GM:とかやっていると、部屋の奥にあるカーテンがすっと開いた。赤いドレスの女が入ってくる。ランノールにすり寄り、口づけした。黒髪の女で生粋の丘人の顔じゃない。テーブルの上を見て、「あら、奇麗ね」と言うぞ。すると、ランノールが、「お近づきのしるしに、君への贈り物だそうだ」と言います(笑)。
ダナヒア:「も、もちろんですとも、お好きなのをお一つ奥様!」(笑)
リオネル:そこから輪投げして入ったらあげます。
GM:彼女はくすりと笑う。見ると、腰には皮製のベルト。短剣が吊り下げてある。
リオネル:あ、あれよー!(笑)
ダナヒア&ペジョウ:ほあーっ(跳びかかる)
GM:女は興味をそそられたみたいで、「飾り職人なの? この髪飾りなんかすてきね」と言います。
リオネル:「どうぞ、どうぞ、ご遠慮なさらず手におとりください」 マスター、短剣をよく観察するけど間違いなさそう?
GM:(〈知覚〉判定)たぶん。
ダナヒア:「その短剣・・・。見せてもらってもいいですか?」と訊いてみます。
GM:女は、短剣? という顔をしますが。
ダナヒア:「美しい短剣ですね。私、装飾された刀剣には目がありませんで」と言うぞ。
GM:女は、ベルトから鞘を外して手渡してくれますが。
ダナヒア:受け取ります。鑑定するフリをしてから、「・・・譲っていただけませんか?」と訊いてみるぞ。
GM:するとランノールが、「だめだ、俺からの贈り物なのだからな」と言い、女にキスします。「お前が欲しいと言ったのだぞ」と。
ダナヒア:あー。「気に入ってしまったのです。相場のより大目にお支払いしますが」と言う。
リオネル:今ならドワーフをお付けします。
ペジョウ:えー。
ダナヒア:「無理にとは言いませんが・・・」と言いながら窓の位置を確認するぞ(笑)。
GM:女が言います。「でも、宝石に傷が付いてしまっているのよ」と。
ダナヒア:はっ! 「・・・奥様。お望みであればその柄頭の宝石お取替えできますが」 目配せ、目配せ(笑)。
リオネル:ああ。「そうですね。せっかくの贈り物なのですから、完全な形にしたほうがいいですよ、旦那様」
GM:ランノールが肩をすくめます。「なんだ、今度はどういう風の吹き回しだ?」と(笑)。
リオネル:商売です!(笑)
ダナヒア:「職人の情熱です。1日お預かりさせてもらえれば。美しい宝石をはめ込んで差し上げますよ」
GM:すると、女が、「赤い宝石はあるのかしら?」と言います。
ダナヒア:きたっ!(笑) 「もちろんですとも」
GM:ランノールが言います。「それも『贈り物』なのか?」
ダナヒア:「お安くしておきますとも」
リオネル:今ならドワーフをお付けします。
ペジョウ:えー。
★ ★ ★
そして、一行は短剣を持ち出すことに成功した。用事が終われば後はずらかるだけ。塔からでて、素早く宿屋へ向かったのだった。
ダナヒア:ひゃっほーい。楽勝じゃん。なんか指輪っぽくないシナリオだなー。
GM:・・・・・・。
リオネル:さっそく、宝石を買ってはめ込みましょう。
ダナヒア:そうだな。鍛冶屋がいいかな、宝石屋かな。オヤジー、仕事を頼みたーい(笑)。
ペジョウ:ちがうだろ、先に柄の中を確かめろよ。
リオネル&ダナヒア:あ、そうか!
ペジョウ:素かよ。宝石はめるとかは後でええんじゃ。
ダナヒア:店の裏路地とかで確かめる。ドワーフ見張っていろ!(笑)
GM:柄を右に左に回します。外れました。はい・・・カラですね。
リオネル:あー、あー(振る)。
ペジョウ:ほらみろ。あの女、丘人じゃない時点でアウトなんじゃよ。どうせ、アングマールの間者だぜ。
★ ★ ★
そしてカンカンガクガクの作戦会議が始まった。一行は、『女』の正体を暴露することで、事態を有利にしたいと考えている。しかし、ランノールが彼女に惚れているのは一目瞭然で、こちらが望むような反応をとるってくれる可能性は低い。むしろ、一行の正体は『女』にばれているはずだから、ランノールがすでに『敵側』についている危険性もある。この線はあきらめるべきだ。
では、ビョールはどうだろう? ビョールとランノールの仲は上手くいっているようには見えない。少なくとも、彼らが短剣を探しているという情報は、息子には伝わっていなかった(恐らく)。二人の断裂は明らかである。だが、息子の好き勝手を見て見ぬふりしている時点で、ビョールが表立った対立を望んでいないことも確かだ・・・。
ビョールは、息子がアングマールの間者と関係あるという情報をどのように受け止めるだろうか。もし、彼に息子を敵に回し一行の味方につけるとしたら、どのような提案を用意するべきだろうか。
一行は、三度目のビョールとの面会を行なった。そして、彼ら申し出た提案(情報)は次のようなものであった。
1)我々は、アルセダイン王の「使者」であり、政治上極めて重要な品物を求めてここにいる。
2)我々が求めている品は、ランノールの情婦が持っており、彼女は恐らくアングマールの手下である。
3)ランノールは今回の事件に加担しているが、ことの「真意」には気づいていないかもしれない。
4)品物がなくなれば、事態は「重大な問題」へと発展するだろう。
5)アングマールの陰謀は見逃すことはできない。
GM:ビョールは長い間無言で考えていましたが、やがてこう告げます。「わしには5人の息子がおったが末っ子を除いてみな戦争や疫病で亡くしてしまった。わしは・・・少しやつを甘やかしてしまったのかも知れん。・・・今晩、一族を集めて酒盛りを行なおう。ランノールとは男と男の話をするときかもしれん」
リオネル:「・・・わかりました」
ダナヒア:つまり、黙認するってことだな(笑)。
ペジョウ:あとは、こっちの逃げ足か。
ダナヒア:だいじょうぶ、それは前回から自信があります(笑)。
GM:夜になりました。
リオネル:よーし、冒険者の準備をするよ。
ダナヒア:宴会に集まる人を見たい。ランノールがやってきて、酒盛りが始まったのを確認してから出発します。
GM:はい。では、塔の前です。見張りの気配も感じられません。
ダナヒア:全員出払ったのか。
リオネル:そっと扉を開けてきょろきょろします。
GM:留守みたいですよ。
リオネル:階段を上ってゆこう。例の部屋の前までいくでしょう。
ダナヒア:ノックします。「短剣を届に参りました」と言うぞ。
GM:中から女の声で「お入り」と言うのが聞こえた。
リオネル:まどろっこしい。どかーん!
GM:バターン! がたん、ぱたん、とたん。女が円卓に腰掛けているのが見える。
リオネル:「降参しなさい」
GM:笑います。「急に酒盛りだって? アンタたちあの老いぼれに上手く取り入ったものね」
ダナヒア:ぎりぎりセーフでした。僕の魅力のおかげです。103です。
リオネル:「あなた、アングマールの間者ね」
GM:「だから?」
リオネル:「書簡を渡しなさい」
GM:「嫌と言ったら? 3人がかりで私を襲うの?」と言う。
リオネル:「面倒かけないで」
GM:反身の短剣を抜き、「残念ねえ。私あの髪飾り気に入ったのよ。それに自己紹介も済んでいないのに」と言います。
ダナヒア:いいけどさあ。『よろいなし』はキツイと思うぞ。
GM:(知覚判定後)階段を誰かが上ってくる。
ダナヒア:もう1人いたか。リオネルの肩を掴んで、「俺たちは後ろだ」と言う。ドワーフは女に向かえ。
GM:部屋の入り口に大きな影がぬっと現れました。薄暗がりに、刃物が『ぎらっ』と光ります。
リオネル:やっぱり女対女がよかったんじゃない?(笑) その大男に手斧で攻撃します(ころころ。計算中)。外れました。
ダナヒア:リオネルに『祝福』。準備なしで(ころころ。計算中)基本呪文行使成功。防御ボーナスと特殊活動に+10ね。
リオネル:ありがとう。
GM:じゃあ、女がドワーフに攻撃(ころころ。計算中)。『びゅ』と刃が空を切る。大男は唸りながらリオネルを攻撃(ころころ。計算中)。はずれました。
ペジョウ:ほな、遠慮なしに女を殴るわ(ころころころころ。計算中)。
フレイルが短剣を持った腕にぶち当たり、女は苦痛のあまり身をくの字に折り曲げた。勢いづいた鉄球が跳ね上がり彼女の側頭部へ。鈍い音がして女が倒れこんだ。
GM:死んだわけではありませんが、ほっといてもいいです。
リオネル&ダナヒア:いやー
ペジョウ:へっ、へっ、へっ。
リオネル:私の番ね? えいっ(ころころ。計算中)。はずれ。
ダナヒア:僕も近接戦に入ります。攻撃ボーナスを全部受けに回して、やあ(ころころ)。はずれ。
GM:大男の反撃(ころころ。計算中)。はずれました。
ペジョウ:では、そちらの援護に向かいます。フル・アタック・・・(ころころころころ。計算中)。
大男のわき腹に鉄球が食い込んだ。大男は喘ぎ、朽木のように倒れた。
リオネル&ダナヒア:人殺しー(妖精声で)
ペジョウ:さあ、さっさと探し物を見つけてしまおう。
GM:はい。彼女の寝室から小さな化粧箱が見つかりました。その二重底の中にそれらしき書簡が隠されていました。他にも、アングマール側の伝令文書も見つかりました。
ペジョウ:ずらかろう。
リオネル:彼女はどうするの? このまま放っておいたら死んじゃうよ。
ペジョウ:ほっとけ。
リオネル:うー。
ダナヒア:この大男って何者?
GM:東夷とドゥナダンの混血ですが。
ペジョウ:行こう。当然の報いだと思う。
リオネル:ぐすん。
GM:無事、帰り着くことができました。
ダナヒア:書簡をぜんぶまとめて渡します。
リオネル:これでいいですか?
GM:はい。レッデンが、お礼がしたいのでぜひフォルノストまで同行願いたいと言います。
ダナヒア:わ~い(笑)。
GM:それから、数ヶ月経ってから、丘陵地帯の山賊団についてある噂を聞きました。なんでも、族長の息子が、宴会の席で酒に毒を盛られて殺されたそうです。族長は、この暗殺の犯人を少し前に町を訪れた風変わりな3人組の仕業だと決めつけ、彼らの首に賞金をかけたそうです。
ダナヒア:まったく。とんだ食わせ者だな、あのじいさん!