ダナヒィア
種族:半エルフ
性別:男
職業:まじない師
特徴:ため息が出るほどの美貌
灰色港近くの豪族の家系に生まれ育ったダナヒィアは、心優しく、誰からも愛される好青年です。
天性の楽天家で、くよくよ悩んだりすることを嫌う理想主義者ですが、世間知らずと呼べないこともありません。
プレイヤー:チャッピー
リオネル
種族:ドゥーナダン
職業:野伏
性別:女
特徴:堂々とした体格
カルドランの北辺境の開拓村で生まれたリオネルは、この過酷な時代と北部特有の厳しい環境に鍛え上げられ、男もかくやの立派な野伏に育ちました。
しかも向上心が強く、負けん気は人一倍です。彼女がもっとも嫌うのは、「女だてらに」というセリフです。
プレイヤー:リサ
ペジョウ
種族:ドワーフ
性別:男
職業:戦士
特徴:赤毛の髪と顎髭
ペジョウは、フォルノスト生まれのドワーフです。経験豊かな兵士で、武器の腕前はなかなかのものです。
滅多なことでは動じない冷静な性格ですが、多少無感情なところもあります。
プレイヤー:コニタン
ゲームマスター、リプレイ執筆:ナッキー
プレイ日時:2000年5月13日(土曜日)
今回のセッションは、「久しぶりに指輪でもやるか~」程度の軽い気持ちで始めました。お手軽なシナリオをでっちあげ、あとは戦闘を楽しもう、などと考えていたのですが、思わぬ展開に…。後半の「失敗」は編修せずに掲載してあります。指輪をマスターするときの悪い見本として読んで、楽しんで下さい。(笑)
GM:地図をみてくれ。ここにルダウアって国があるだろ、冒険の舞台はここね。
ダナヒィア:原作読んでないからわかりませ~ん。けどカードゲームならあるよん。
リオネル:あたしも。
GM:アルノールという王国があったと思いねえ。そには3人の王子がおったんだが、王位継承をめぐって仲違いをした。王国は3つに分裂、アルセダイン、ルダウア、カルドランに別れて小競り合いを始めた。そんな内戦状態が続いていたとき、突如、北方にアングマールという悪い国が現れた。
ダナヒィア:で、兄弟は手をとりあって悪を倒したと。
GM:ちがう。一番の辺境国だったルダウアが真っ先に滅ぼされ、カルドランは王家の血筋が全員戦死してしまい、事実上滅亡した。で、アルセダインが唯一生き残った国になったしまったんだけど、よく闘い、いまのところは敵の侵攻を防いでいる。っていうかそのまま200年が経ってしまって、今に至る。戦況は停滞したまま、国境付近で睨み合い続いている、と考えてもらえればいい。
ダナヒィア:アングマールってのは「混沌」みたいなもんだっけ?
GM:ちがう~。オークとか蛮族とかの連合。
リオネル:舞台がルダウアってことは敵の占領下にある国にいくってこと?
GM:そうでもないんすね。滅亡はしたけど征服はされなかった。なんていうか蹂躙しただけであとはそのままなんですよ。最近は避難していた人々が土地に戻ったりで、けっこう暮らしも落ち着いてきています。もちろん、油断できない土地ではあるんだけどね。
GM:はじめます。君たちは「果野館」を目指して歩いている。
リオネル:はぁ、それどこ?
GM:「果野館」はルダウアの東辺境にある街道宿です。今ではめっきり寂れていますが、昔は東西を結ぶ街道を行き来する人々でにぎわった場所です。
ダナヒィア:そこに仕事のあてがあるとか?
GM:君たちをここまで案内したのはマディンという男だ。君たちは彼に雇われた。たぶん、「粥村」とかで声をかけられたんだろう。
リオネル:そこで3人は知り合ったんだね。
ダナヒィア:仕事の内容は?
GM:なんでも、宿屋から数キロ先にある「トロウル森」って辺地に入って宝探しをしている人物がいるそうだ。その人をお守りして欲しいということだ。
リオネル:トロウル森!!
GM:いやいや、心配することはない。キャンプは森の浅いところにあるし、心配のタネはキャンプの周りで見つかった狼の足跡だ、そうだから。
ダナヒィア:護衛任務ってヤツですか、どっちにしても僕のがらじゃないぞ。(笑)
リオネル:きみは保険みたいなもんでしょ。
ダナヒィア:僕の美貌が役立てばええんやけど~。
リオネル:帰れ、帰っていいぞ。(笑)
GM:宝探しをしているのはグリヒディアという男で、りっぱな家系の人物らしい。数名の従者を連れて古い遺跡なんかを調査して廻っているそうだ。マディンは彼に雇われたなんでも調達屋ってとこ。
リオネル:グリヒディアの一行は、もう森に出発してるのね。
GM:そう。狼の足跡が見つかってから、従者たちが御主人の身の回りを心配し始めてね。急遽護衛を雇うことになったんだ。
ペジョウ:調べている遺跡というのはなにかいわくのあるような場所なんでしょうか?
GM:このあたりには戦争のあと無人になった集落や放棄された砦がたくさんあります。そんな砦のどこかに財宝が眠っている、なんていうのはよく聞く噂話です。
ダナヒィア:おお、徳川埋蔵金。
リオネル:トレジャーハンターってやつね。
ペジョウ:盗掘屋ともいう。
GM:「果野館」に到着しました。大きめの御宿なんですが、客は数名だけですね。
リオネル:ひと休みしてもいいのかしら?
GM:マディンがいうぞ、「向こうから迎えが来るはずだ。俺たちは予定より少し早くついたから今晩はゆっくり休めるだろう」ってさ。
リオネル:明日になったら迎えがくるのね?
GM:そうです。夕食のあと、マディンはさっさと部屋に休みにいってしまいました。
ダナヒィア:僕らも、早めに寝とくか。
GM:とか話していると、部屋の隅で酒を飲んでいた男が立ち上がって君たちのテーブルに近づいてきた。
リオネル:ん?
GM:猟師のようないでたちで、髭を生やした厳めしい顔つきの男です。
ペジョウ:「何かようか?」
GM/男:「おまえたち森に入るつもりだな?」
リオネル:「そうだけど」
ダナヒィア:「トロウル森だそうですよ」って微笑む。
GM/男:「やめるんだ」
リオネル:「なぜ? トロウルのことを心配してくれてるの?」
GM/男:「ちがうな」
ダナヒィア:「じゃあなぜです?」
GM/男:「あそこは死者の魂がさまよう場所だ。彼らを煩わせる者には、恐ろしい災いが降り懸かるのだ」
リオネル:「あそこって遺跡のこと?」
GM:無言です。
ペジョウ:「あんた、予言者か何かか? このご時世、幽霊の話しなんぞでは子供でも怯えないぞ」
GM:男は君たちを見回したあと、「警告はしたぞ」って捨てぜりふを残して宿屋を出ていきました。
リオネル:「なんなのあいつ」
ペジョウ:「気にすることはない。ただ頭がイカレてるだけのことだろう?」
ダナヒィア:一応、宿の主人に訊いてみよう。
GM:教えてくれます。名は、マルクア、一人暮らしの狩人らしいです。ちょっと変わりもんなんだ、というね。
ペジョウ:「ほらみろ」
GM:では、次の日です。
リオネル:キャンプから迎えの人は来ました?
GM:いいや。
ダナヒィア:お昼くらいになるんじゃないの。
リオネル:マディンに訊ねてみたい。彼、起きてる?
GM:それがまだ、部屋から出てきません。
リオネル:ありょ? だいじょうぶ? 声をかけてみる。
GM:返事がない。寝てるのかな。
リオネル:ちょっと~。部屋にはいって起こす。
GM:ベットのマディンをみると、なにか辛そうな様子です。
リオネル:「あの、具合でも悪いの?」
GM:汗をかいてるぞ。「気分が悪いんだ」という。
リオネル:みんなきて。
ペジョウ:病気なのか?
ダナヒィア:診てみるぞ。
GM:熱があるのは間違いない。
ペジョウ:「医者を呼んだほうがいいんじゃないか?」
ダナヒィア:僕がいるじゃないですか。普通の治療法とかは知ってますよね。
GM:もちろん。とりあえず冷やせ。(笑)
ダナヒィア:宿の人にも手伝ってもらうよ。
GM:ちょっと経って、落ちついたみたいです。
ペジョウ:そのあいだにも迎えはこなかった?
GM:ええ。
ダナヒィア:マディンにそっと訊ねてみましょう。「予定が遅れてるみたいだけど?」って。
GM/マディン:「俺のカバンを見てみろ」
リオネル:どれどれ。
GM/マディン:「地図があるだろう。それだ。キャンプまでの大雑把な道順を描いてある」
リオネル:「そうね。こちらから向かったほうがいいみたいね」
ペジョウ:地図は、理解できそうですか?
GM:大丈夫でしょう。
ダナヒィア:不安だにゃあ。
リオネル:お昼までは待ってみましょう。マディンにはお粥でもはこんであげましょう。
GM:はい。誰も現れませんでした。
ペジョウ:しかたない、出発するか。
ダナヒィア:いきますか。
リオネル:「トロウル森」って、私も初めてですよね。
GM:ええ。
ダナヒィア:肝心の野伏がそれじゃあ、ますます不安ですねぇ。
リオネル:なによぉ、背はあんたより高いわよ。
ダナヒィア:関係ありません。
リオネル:地図は私が持つよ。
GM:はい。地図をたよりに歩きます。獣道とたいして違わない細い踏み分け道を2時間ほど進み、今度は小川に沿って森に入っていきます。
ダナヒィア:迷ってませんよね。
GM:変な形の大きな岩や、小さな滝なんかが地図の目印なんで、そんなに迷う心配もいらないと思います。
リオネル:ずんずん進もう。「トロウル森」ってどんな感じの森ですか?
GM:岩が多いでこぼこの地形らしいから、木々はそんなに密生してないと思う。雑木林とか棘のはえた薮とかが多いんとちゃう? あとは窪地に小さな沼とか。
リオネル:ふ~ん。
GM:森に少し入ったところで、〈知覚〉で判定。
リオネル:61。
ペジョウ:38。
ダナヒィア:115。
GM:ダナヒィアは小川のほうからかすかに人の話し声を聞いた。
ダナヒィア:「おや? あちらから人の声が」って教える。
リオネル:小川のほう? そっと近寄ってみます。
GM:岩ごしにのぞき込むと、2人の男が水を汲んでいるのが見えた。2人とも怪我をしてるみたいです。
リオネル:声をかけます。
GM:はっとして顔を上げる。
リオネル:「あなたたち、グリヒディアの従者?」
GM:二人ともひどく驚いているぞ。
リオネル:「落ちついて。私はマディンに雇われた者です」
GM:それで合点がいった様子です。「て、手を貸してくれ、キャンプが襲われたんだ!」という。
リオネル:「襲われたって、誰に?」
ペジョウ:出ていきましょう。
ダナヒィア:癒す、癒す。(笑)
ペジョウ:「トロウルか?」
GM:一人は「それが…」と当惑顔です。もう一人が、「黒い亡霊だ! 死んだ兵士が化けて出たんだ!」という。
リオネル:亡霊ねぇ。「半エルフ、傷はどんな感じ?」
GM:少なくとも傷は現実的ですね。酷く殴られたって感じに見える。
ダナヒィア:「亡霊が棍棒をもってたのならありえるでしょう」っていう。(笑)
リオネル:「相手の姿ははっきり見なかったの?」
GM/男:「寝ているところを襲われたんだ。それに真っ暗だった」
ペジョウ:「他の人たちはどうなった?」
GM/男:「その先で休んでいる。歩けないヤツがいるんだ」
ダナヒィア:「キャンプはそのまま?」
GM/男:「ああ」
ペジョウ:「そこまで行こう」
GM:男たちが岩影で休んでいます。
ダナヒィア:癒す、癒す。
GM:一人は重傷ですね。足の骨を折っている。
リオネル:グリヒディアはいますか?
GM:従者の一人がいう、「見つからないんです」
リオネル:マジ?
ペジョウ:「どういうことだ?」
GM/男:「わかりません。襲われたときみんな散り散りになって逃げたんです」
ペジョウ:「主人が逃げたり、連れていかれるのを見た者は?」
GM/男:「いません」
リオネル:「襲ってきたのはどんなヤツ?」
GM:それに関してははっきりせず、みんな当惑しているか、怯えています。
ダナヒィア:「みなさん遺跡調査をしてたんですよね? なにか思い当たる節でも?」
GM:一人がいう。「墓暴きなんてするべきじゃなかったんだ」って。
ダナヒィア:「お墓を掘り返したんですか?」
GM:男たちの言葉をまとめるとね、「戦争で死んだ兵士たちの埋葬場所だ」「旦那様はこの辺で戦って死んだ先祖の遺物を探してるんだ」と。
ダナヒィア:なるほど。
リオネル:「それで、霊が化けて出たと」
ダナヒィア:「ですが、亡霊に呪われた者は生気を抜かれるといいますよ。こんな生々しい傷じゃないと思うのですが?」
ペジョウ:「ああ。墓暴きなんて後ろめたいことをしたから、そんな気分になっているだけだろう」
リオネル:「じゃあ、亡霊じゃないとしたら、襲撃者は何者だ?」
ペジョウ:「知らんね」 従者たちには自力で「果野館」まで帰ってもらおう。グリヒディアは俺たちが探す。
GM:みんな「お願いします」ってさ。
リオネル:時間は大丈夫ですか?
GM:そろそろ日没になるんじゃないかな。
ダナヒィア:急ごう。夜になる前にキャンプに着いたほうがいい。
GM:到着しました。ひっくり返ったテントや散らかった穴掘り道具がみえます。ぱっと見は、なんの変哲もない森の空き地ですね。
ダナヒィア:砦跡ってもんでもないんだな。
ペジョウ:作業の跡はあるよね。
GM:はい。穴ぼこがいくつも。
ペジョウ:暴かれてるよ~。墓石が倒されているのじゃよ?
GM:そんなに丁重な埋葬じゃないです。浅い墓穴と動物避けの積み石だけですね。
ダナヒィア:作業の具合を調べてみたい。
リオネル:あたしは、足跡を調べて襲撃の手がかりを捜す。
ペジョウ:同じく。
GM:判定しましょう。ダナヒィアは〈知覚〉二人は〈追跡〉で振ってください。
ダナヒィア:75。
リオネル:12~。
ペジョウ:97。
GM:残念ながら、足跡は混じりあってよく判りませんでした。発掘の具合なんですが、錆びた鎖かたびらとか折れた武器とかばかりでたいした物は出てないようです。人骨の他にもオークの骨らしきものもあるみたいですね。
リオネル:ん~、もうちょっと捜索範囲を広げるべき?
ペジョウ:そうだな~。
ダナヒィア:みんなに「ここでオークと人間が戦ったようですよ」という。
ペジョウ:「そんなこと始めからわかっておるわ」
ダナヒィア:なに~、偉そうなこというな~、クソドワーフ。
リオネル:喧嘩はやめて~、みんななかよく、なかよく。
GM:そんなこんなで日が暮れてしまいましたが?
リオネル:あっというまねぇ。ここで野営してもだいじょうぶかな~?
ペジョウ:いいんじゃないの、さいわいテントは余ってるみたいだし。
リオネル:今夜は休んで捜索は明日にしましょう。森のほうへ入るにしても明るいほうがいいでしょ。
ペジョウ:いい考えだ。
ダナヒィア:「食事の準備は僕にまかせてください。ドワーフの口にあうか心配ですが」(笑)
リオネル:「ほらぁ、ちょっかいださない」
ペジョウ:黙って喰う。(笑)
GM:おやすみの時間になりました。
ペジョウ:見張りを立てよう。
リオネル:そうねぇ、3人じゃキツイけど、交代で頑張ろう。
GM:了解…真夜中です(サイコロを適当に振る)…ドワーフが見張りのときに…。
ペジョウ:なに?
GM:気配を感じた。
ペジョウ:顔を上げてあたりを見回す。
GM:少し離れた岩の上に、人影が見える。
ペジョウ:夜目が利きますけど、誰だか判りませんか?
GM:そうか…たぶん…宿で会った男。と、眼を凝らしたとき、フッと岩の後ろに消えてしまった。
ペジョウ:武器を持ってその場所まで歩いていく。姿は?
GM:ありません。
ペジョウ:帰る。みなを起こして話す。「人影をみた」
リオネル:「本当に?」
ダナヒィア:「幽霊じゃなくて?」(笑)
GM:そのとき森の中で枝が折れる大きな音が聞こえた!
リオネル:び、びっくり。
ペジョウ:武器を用意する。
GM:バリッ! パキッ!
ペジョウ:ちょっと森まで近づいてみる。
ダナヒィア:僕もだ。
リオネル:おいてかないで~。
GM:薮を踏み倒しながら歩いてくる大きな黒い影が現れたぞ。
ペジョウ:で、でた。
GM:トロウルだ。君たちに向かって突進し始めたぞ。
ペジョウ:「見ろ! トロウルだ!!」
リオネル:「“知ってます”よドワーフ」(笑)
GM:1ラウンド自由にしていいぞ。
ペジョウ&ダナヒィア:走って逃げる!!
リオネル:さ、3匹が向かってくる。(笑)
ダナヒィア:矢を放て~。
リオネル:撃ちます!
GM:トロウルの「防御ボーナス」は20です。「よろいのタイプ」は「硬いかわよろい」。
リオネル:(ころころ)「射出ボーナス」とサイコロと(計算中)104です。
GM:それを〈射出武器攻撃表〉に当てはめる。
リオネル:「10B」です。
GM:「痛打」が発生したから、次ぎは「大型生物用通常痛打表」で判定。
リオネル:う、どれ? これ?(ころころ)63で「通常の武器」だから-20の43ね。「打撃+18」
GM:合計で28ダメージですね。では、次ぎのラウンドに入ります。
ダナヒィア:イニシアティブはどう決めるんですか?
GM:敏捷性の高い人からでいいです。※GMのオリジナル。
リオネル:「つがえ」ます。
ダナヒィア:十分距離をとってから、スリングを準備します。
ペジョウ:接近戦! 防御に25をまわして、フレイルで殴る。(ころころ)02…。
GM:「しくじり」やね。
ダナヒィア:いきなりか~。
GM:「下無限ロール」が発生したけど、ここでは関係ない。「手持ち武器しくじり表」に加えてフレイルは「砕きC痛打」を振ってくださいね。※フレイルの「しくじり」ルールは曖昧であるため、GMの裁量。
ペジョウ:わけわかんないっすよ。(ころころ)19と48。
GM:「足がすべった」その拍子にフレイルが腕にあたって「打撃4。1ラウンド麻痺」
ペジョウ:最悪。(笑)
GM:そこをトロウルが殴る。(ころころ)棍棒が胸にぶちあたる。(計算中)打撃が20点で「あばらが骨が軽い骨折。行動-5」
ペジョウ:むちゃ痛て~。
GM:次ぎのラウンド。
ダナヒィア:スリング発射!(ころころ。計算中)打撃24!
リオネル:短弓発射!(ころころ。計算中)打撃21!
ペジョウ:殴る。(ころころ。計算中)打撃32、「行動-20。2ラウンド麻痺」
GM:おお、やられた。ずどーんと倒れたぞ。
ペジョウ:やった~。
ダナヒィア:トロウルってけっこうちょろいもんなんだ。
GM:そんなことないよ。ダメージが走ったからですよ。耐久力は100あったんですから。
ダナヒィア:現実にもどさないで。(笑)
ペジョウ:うお~、あばらが痛て~。(笑)
リオネル:半エルフ、ペジョウを治してあげて~。
ダナヒィア:え、〈筋骨の技〉なんて憶えてませんって。
リオネル:それをなんとかしてあげて~。
ペジョウ:そ、それよりもトロウルの死体を燃やさなければ。
GM:それは違う世界だ。(笑)
リオネル:じっとしてなさい。手当ができないでしょ!
GM:打撃は休息していると1時間に1ポイントの割合で回復します。
ペジョウ:20時間は休もうな。(笑)
ダナヒィア:そうですね、〈いやし10〉は全部使っておきましょう。(ころころ)17点回復!
ペジョウ:うお~、ぜんぜん楽。夜明けと同時に出発だ~。
GM:骨折のペナルティーは、5日は残るね。
ペジョウ:じゃあ、5日は休む。
リオネル:どないやねん。
GM:夜が明けました。どうしますか?
リオネル:グリヒディアを捜さなくちゃ。
ペジョウ:昨晩の男のことが気になるぞ。あれは間違いなく、宿で話した男だった。
リオネル:そうねぇ。
ダナヒィア:トロウルの襲撃と関係があるんかなぁ。
リオネル:ビーストマスターみたいなもの? トロウル使い?
ペジョウ:二つに関連があると思うんだったら、トロウルの足跡をたどったらいい。どっちにせよ手がかりはそれしかないんとちゃう?
リオネル:よし、トロルの足跡を追跡しちゃろう。
GM:決まりましたか?
ペジョウ:足跡を追うべし。
リオネル:べし。
GM:〈追跡〉で判定しましょう。結果を教えてください。
リオネル:(ころころ)86です。
GM:うん。判る、判る、くっきりと足跡が残ってますよ。※GMはこの行動を「かなりやさしい(+20)」行為と判断。よって「知覚と追跡」判定の結果は106になり「ほぼ成功」となった。
ダナヒィア:派手に歩いてきたからね~。
GM:ずんずん進むと林を抜ける。岩がちな場所に出ました。
リオネル:足跡は?
GM:もう一度判定してみましょう。
リオネル:(ころころ)あっ! 98は「無限ロール」?
GM:もう一度振ってください。
リオネル:…合計で161。
GM:見事やね。ここは干上がった谷川じゃないかな、と思う。さらに進むと、潅木に覆われて分かりにくいけど、渓谷の別れる場所をみつけた。
リオネル:足跡はこっち?
GM:ええ。
リオネル:進みます。
GM:朽ち木に生腐りの獣の皮や、骨が引っかけられてたものがある。
ダナヒィア:なんでしょう、これは?
GM:リオネルは知っています。トロウルの縄張りをあらわす印で、トロウルの巣近くにあるもんです。
リオネル:あにょ。
ダナヒィア:グリヒディアはトロウルに捕まったんでしょうか?
ペジョウ:わからん。ここまできたら進むしかない。
GM:はい。渓谷の奥で岩肌に大きな穴が開いているのをみつけました。いま気づいたんだけど、この場所は気味が悪いくらい静かだ。
リオネル:入り口までそっと近づいてみましょう。中は覗けますか?
GM:光が射し込んでいるところまでなら。洞窟は入り口付近から急な度で下っています。
リオネル:松明の用意をしましょう。
ペジョウ:準備ができたら入ってゆくぞ。
GM:ちょっといったところで地面が平らになります。進むと大きなホールがあって、骨や木っ端が転がっています。かなり獣臭いな。奥に左右、通路があります。
ペジョウ:適当に…右。
GM:通路が狭まってきました。行き止まりのホールに出ました。
ダナヒィア:なにもない?
GM:みたいです。
ペジョウ:引き返すか。
GM:と、男のうめき声が聞こえてきたぞ。
リオネル:「シッ」っていって、耳をすませる。
GM:「うう~」 若い男の声だ。
ペジョウ:部屋の奥まで進んでいって、よく見てみる。
GM:洞窟の隅に狭い裂け目があって、井戸みたいにストンと落ちている。
リオネル:覗いてみましょう。
GM:ちらっと人影がみえる。向こうも松明の明かりに気づいたんでしょう、「おおい、助けてくれぇ」というぞ。
リオネル:「グリヒディア?」
GM/グリヒディア:「あなたは?」
ペジョウ:「雇われた兵隊だ。あんたを助けにきた」
GM/グリヒディア:「ここから出してください」
リオネル:ロープを下ろしてあげましょう。「登れますか?」
GM:はい。「助かった!」と、上がってきた泥まみれの青年がいうぞ。
ダナヒィア:ありゃ、もっとオッサンかと思っていた~。
ペジョウ:「いつからこの穴に?」
GM/グリヒディア:「一昨日の夜だ」
ペジョウ:「トロウルに襲われて洞窟に逃げ込んだのか? それでここに落ちた?」
ダナヒィア:「墓暴きのバチがあたったんでしょう」
GM/グリヒディア:「ま、まさか! 連れてこられたんです」
リオネル:「誰に?」
GM/グリヒディア:「トロウル。いや、気のふれた男だ」
ペジョウ:「男?」
GM/グリヒディア:「それに、墓暴きなんかじゃない! 僕は先祖の形見を探していただけだ」
ダナヒィア:「どっちにせよ、お墓を掘り返したのには違いありませんね」
リオネル:「その話しはあとにしましょう」
ペジョウ:「おい、その男はこの洞窟にいるのか?」
GM/グリヒディア:「わからない」
ダナヒィア:「宿の男か…?」
ペジョウ:「まちがいない。さっさと外に出たほうがよさそうだ」
GM:最初のホールまで帰りました。左の通路から、松明の明かりを持った人影が近づいてくるぞ。
リオネル:「止まりなさい!」って声をかける。
GM:立ち止まった。ここからも相手の顔が見えます。例の男です。名はマルクア。
ペジョウ:グリヒディアに訊ねる。「君を連れてきたのはあの男か?」
GM:「そうだ」という。
リオネル:「墓暴きが気に入らなくても、これはやりすぎなんじゃない?」
GM/マルクア:「俺は墓守だ。偉大な戦士たちの眠りを妨げる者は、生かしておかん」
リオネル:ミイラとりをミイラにしてたのね。(笑)
ペジョウ:「ぜんぶ一人でやったのか? ご苦労なことだな」
GM:男はにやっと笑うぞ。「手伝いがいるんだ」 男の背後に大きな影がぬっと現れる。
リオネル:またトロウルじゃよ!
GM:男が進み出ますね。すると、鎖かたびらを着て、剣を持っていることが判ります。
ダナヒィア:「おや、古の武人きどりですか?」
GM/マルクア:「俺は武人の一族だ。先祖は王の死に際に立ち会い、戦士たちの亡骸を守り続けることを誓ったのだ」
ダナヒィア:代々ってか!
GM:そういうことになるな。(笑)
ペジョウ:「この青年は先祖の形見を探しにきたんだ。それは正当な理由にならないのか?」
GM/マルクア:「誇り高い戦士たちは王とともに死んだ。そいつは裏切り者か、臆病者の子に違いない」
ペジョウ:「思いこみもはなはだしいな」
GM/マルクア:「警告はしたはずだ。それを無視したのなら、報いは当然だ」
リオネル:「話しにならないわね」
GM:剣をかまえる。
ペジョウ:「けっきょくあんたは、トロウルを使った時点で武人でもなんでもないのさ」
GM:戦闘に入るんですね。
リオネル:斧をかまえて…あ、弓がいいにゃあ。(笑)
GM:ドワーフが1対2になるのは辛いから、どっちか引き受けたほうがいいと思う。
リオネル:じゃあ、トロウルの相手をしよう。
ペジョウ:マジで!?
リオネル:う~ん、鎖かたびらが硬そうやん。
ペジョウ:よし、男を相手するぞ。
ダナヒィア:青年を後ろに庇いながら、スリングの準備。
GM:では始めます。
リオネル:キアイーッ
■第1ラウンド
ダナヒィア:「つがえ」ます。
リオネル:(ころころ。計算中)打撃3。
ペジョウ:ん、(ころころ。計算中)命中、打撃11。
GM:マルクアの攻撃(ころころ。計算中)「太ももに切りつける。足に防具がないと毎ラウウンド1ダメージ。」合計で打撃15。
ペジョウ:痛て~。防具はあります。
GM:トロウルの槍がブ~ンと…(ころころ。計算中)打撃6。
リオネル:この調子なら8ラウンドは保つ。(笑)
■第2ラウンド
ダナヒィア:トロウル狙ってスリング発射~!(ころころ。計算中)はずれましたぁ。
リオネル:地道に、地道に(ころころ。計算中)打撃5。
ペジョウ:(ころころ。計算中)打撃7。
GM:マルクアの攻撃(ころころ。計算中)あ~、はずれ。トロウルの攻撃(ころころ。計算中)「8A」やけど「握りが甘い。」打撃8。
■第3ラウンド
ダナヒィア:「つがえ」ます。
リオネル:(ころころ)はずれ。
ペジョウ:(ころころ)だめ。
GM:(ころころころ)ペジョウに打撃8。リオネルに打撃5。
リオネル:削られてる~。
■第4ラウンド
ダナヒィア:撃つぞ~、うっ、06。
GM:「しくじり」判定してください。
リオネル:なにやってんねん!
ダナヒィア:71です。
GM:「弾を落とす。拾うかどうかは次ぎのラウンドに決める」
ダナヒィア:わははは。
リオネル:攻撃します…、きゃ、04。
ペジョウ:なんなんじゃよ。(笑)
GM:しくじってください。(笑)
リオネル:32。
GM:「まずい振り抜き。攻撃の機会を逸し、自分自身に打撃2」
リオネル:あ~あ。
ペジョウ:まさか俺はないよね。(ころころ。計算中)打撃6。
GM:オチってものをわかってないな~。(笑) 反撃~、(ころころころ。計算中)リオネルに打撃11。男ははずしました。
リオネル:くぅ、あと一撃じゃよ~。
■第5ラウンド
ダナヒィア:拾うかな~、どうしょうかな~。(笑) やはり、〈いやし10〉をリオネルに使いましょう。
GM:「接触」の判定とかするって手もあるんですが…。ま、「行使」判定だけでいいでしょう。
ダナヒィア:(ころころ)行使は成功で、7点回復。
リオネル:はずれ。
ペジョウ:だめじゃよ。
GM:そろそろやばい雰囲気だなぁ。(ころころころ。計算中)ペジョウに打撃10。リオネルに打撃7。
リオネル:か、回復の意味が。
ペジョウ:ほら、1ラウンド寿命が延びたと思えば。(笑)
■第6ラウンド
ダナヒィア:もう一度、〈いやし10〉を使いましょう。
ペジョウ:いっそ、前に出てくれたほうがありがたいんだが。
ダナヒィア:アカンて、死んじゃう。(ころころ。計算中)リオネルに6点回復。
リオネル:この人数で接近戦できないキャラはキツイにゃぁ。(ころころ。計算中)命中! 打撃12。まだやれる?
ペジョウ:そろそろやばい。こんどは戦士で生まれ変われ。(ころころ)はぁ、04。
GM:遅れてきたね~。
ペジョウ:04と47。
GM:「手がすべる」「前腕への一撃。打撃+5。1ラウンド麻痺」
ダナヒィア:あはははっ。
GM:では、こちらの攻撃。(ころころころ。計算中)ドワーフに命中。「胸に軽傷。毎ラウウド打撃1。1ラウンド麻痺」合計で打撃11。
ペジョウ:そのうえ命中させるか~。
■第7ラウンド
ペジョウ:アカン、アカン、もう死んだ、アカン。
GM:そろそろ逃げたほうがいんじゃないかなぁ。(笑)
ダナヒィア:GMから撤退命令が!
リオネル:また~。このゲーム逃げてばっかり。昔はイノシシに全滅させられかけたし~。
ペジョウ:呪いだ、呪われたゲーム。
ダナヒィア:あはははは。
リオネル:今回は強いはずなんやけど~。
ダナヒィア:帰ろう。まじない師は今日でやめだ。(笑)
ペジョウ:マスターが悪いもんね。攻撃命中させすぎやもんね~。
GM:そんなことないぞ~。クリティカルしないほうが悪いんじゃ。
リオネル:むちゃいうな~。
ペジョウ:最後に一発だけ殴らせろ。はずれたら、逃げる。
GM:いいよ。(笑)
ペジョウ:攻撃ボーナス全開だ。(ころころ)15。
■第8ラウウド
一同:走れ~。(笑)
リオネル:青年は?
GM:一緒に走ってる。(笑)
ペジョウ:っていうか戦闘なんてする必要なかったんじゃねーの。
リオネル:いやいや、RPGは過程が重要なのであって、ね。(笑)
ペジョウ:逃げるべきだったんじゃよ。戦闘なんか無駄なんじゃよ。
ダナヒィア:黙れ、ドワーフ。黙って走れ。(笑)
ペジョウ:おかしい、なにかがおかしいのじゃよ。
GM:あの、一応、シナリオはまとめときますね。どうにかして森まで逃げ込んだ。そして、宿まで帰った。先祖の宝とかがどうなったかは知らん。(笑)
リオネル:森に火をかけてやろうかしら。
ペジョウ:軍隊を率いて還ってくるのじゃよ。
GM:そんな汚い復讐はやめてくれ。
ペジョウ:敵が強すぎた!
GM:そうか~? それに俺が昔プレイしてたころは、もっと派手にクリットしてたけどな~。
ペジョウ:4%なんてそんなに出ないって!
ダナヒィア:その割には、ファンブルが異常だったけど。(笑)
ペジョウ:あれは、あれじゃん。(←?)
ダナヒィア:ほら、最近振ってなかったから、サイコロ。(笑)
リオネル:次ぎは戦士、戦士、戦士ね。
GM:リターンマッチかよ。(笑)
ダナヒィア:あー面白かった。めちゃ笑ったなぁ。
巻末付録:戦闘データー(イニシアティブ順)
ダナヒィア … 耐久力:33 / 鎧:軟 / 防:20 / 攻撃:35ス
リオネル … 耐久力:54 / 鎧:硬 / 防:15(+盾) / 攻撃:21斧
ペジョウ … 耐久力:73 / 鎧:鎖 / 防:05 / 攻撃:58フ(28を「受け」に)
マルクア … 耐久力:60 / 鎧:鎖 / 防:25 / 攻撃:60剣(15を「受け」に)
森トロウル … 耐久力:90 / 鎧:硬 / 防:20 / 攻撃:70槍