このリプレイは、アースドーンのシナリオ集「ミスト・オブ・ビトレイアル」のキャンペーンです。
これからこのシナリオ集をプレイヤーで遊ぶ予定のある方は読まないようにしてください。
ハリス
ヒューマン盗賊・第3サークル・男性
ハリスは盗賊らしく、アウトローと呼べる性質を持ち合わせた人物です。
もちろん悪人ではありませんが、少なくとも“正直な”という言葉は彼には似合わないでしょう。
ときどき独り言をいいます。
プレイヤー:ナッキー
ティアラ
エルフ理論魔術師・第3サークル・女性
彼女は物静かで博識な女性というイメージがありますが、すこしせっかちで短気すぎるきらいがあり、そのため周りの人間に刺々しい人だと思われることもしばしばあります。
プレイヤー:リサ
フィリッポ
ドワーフ射手・第3サークル・男性
このドワーフの射手は、驚くほど無表情でぶっきらぼうな性格をしています。
他人の善意を理解することは出来ますが、彼がそれを素直に受け取ることは希で、無礼に振る舞ってしまうことがほとんどです。
プレイヤー:コニタン
ゲームマスター:チャッピー
リプレイ執筆:ナッキー
プレイ日時:1998年7月25日(土曜日)14時~16時
GM:始めます。前回の話しは憶えていますか?
フィリッポ:おお、ばっちり。忘れてる。
ティアラ:じじい(←!)の依頼で、薬草を採りに行くんだっけ。
ハリス:鮮血のツタを採りに森に行くんやったな。
GM:鮮血の森にです、贈り物として永遠の花を持って行きます。
ハリス:それって森への通行手形みたいな物? それとも薬草と引換の品?
GM:引換の品です。ハイアモンは鮮血の森のエルフと手紙で取引の約束をしてあって、永遠の花は薬草との交換条件なんです。通行手形は別にハイアモンが渡してくれます、ルーンを刻んだ木製のワンドです、書簡も渡されてこれを血の番人のタカリスに見せなさいと。
フィリッポ:ツタのロボットに?
GM:それはソーンマン。タカリスは鮮血エルフの女王アラシアの直属に仕える大臣みたいなのの一人です。
フィリッポ:昔、テトリスの3D版が・・・・・・。
ハリス:タカリス自身にはどこで会えるのかな? 鮮血エルフの交易所とかあるん?
GM:ないです。鮮血の森のエルフたちは森に入るよそ者には目を光らせているから、たぶん侵入した時点でエルフの方からなにかしら接触があるでしょう。
ティアラ:そこで、ワンドを振り回したらエルフは私に近寄れないんだ。
フィリッポ:ワーウルフのトリカブトやね。
GM:だから、通行手形だって。で、永遠の花の入った小箱も預かりました、水晶に封じ込められた赤い刺の黒バラです。
プレイヤー一同:へぇーっ。
GM:有名な品だよ。ティアラなんか小さい頃よくお話しで聞かされただろ。
ティアラ:ふん、ふん。
GM:タカリスはその小箱に封印の呪文をかけました。
ハリス:「バラの花嫁、確かにお預かりする。」
ティアラ:最低。
一行はタカリスの信用状(つまり、商品券)を使い、旅の荷物を揃えに街に出た。さんざん買い物に時間をかけた末、ティアラは致命的呪文の護符、フィリッポは致命的打撃の護符を購入する。
ティアラ:ハリスは護符買わないんだ。
ハリス:それ弱い、絶対。
GM:買い物の途中だけど知覚判定して。えーとティアラ、君は視線を感じたぞ。
ティアラ:熱い視線? ストーカー?
フィリッポ:なんなんじゃろ。
GM:気配を感じた方に行ってみましたけど、よくわかりませんでした。
ハリス:買い物終わったらさっさと出発、出発。
GM:鮮血の森までざっと1,120キロ。直線で徳島から北海道までの距離やな。馬で18日、徒歩で28日かかる。ハイアモンが言うには、行程の真ん中ぐらいに交易所があるみたいですけど。
ティアラ:遠いにゃー。
ハリス:馬乗っていく。ぱからっぱ、ぱからっぱ。
GM:ヘイブンを離れて数日は穏やかな旅が続きました。4日目のことです、君たちが森の中を進んでいると突然、ハリスの馬の足元に矢が飛んできてさくっと突き刺さる。馬が驚いて暴れる。
ハリス:「どう、どう。」 どこから狙ったんだ?
GM:森の中からだろ、前方から男の声が聞こえるぞ、「一発目はわざとだ、このままこの道を進みたいのなら我々に通行税を払え!」 20メートルほどの所に声の主が姿を現した、ヒゲをはやした人間で見るからに悪党風だ。「森の中の手下が貴様らの頭を狙っているぞ、無駄な抵抗はやめろ。」
ハリス:「こんな辺ぴな所で追い剥ぎとは御苦労なこったな。」
GM:だまれ(笑)
ティアラ:「通行税っていくら?」
GM:「金目の物全部だ。まぁ、武器と鎧、食料は残してやってもいいぞ。」
ハリス:「俺たちしがない冒険者だぜ、商人じゃないんだ、お前たちと似たようなもんだろ、勘弁しろよ。」
GM:「アレを持ってるんだろ、御宝が目当てなんだよ。」
ハリス:「知ってるのかぁ。」
GM:ニヤリとする。
しばらく、わたせわたさないの押し問答が続く。
ティアラ:こいつらよく喋るにゃー、もう聞きたくないにゃー、死ねにゃー。
ハリス:イベント否定型。(笑)
GM:ひどい。(笑)「交渉決裂かな?」
ティアラ:「始めから払う気なんて毛頭ないわ。」
ハリス:「あーあ。」馬から降りて剣を抜く。
フィリッポ:「こりゃだめだ。」クロスボウを取る。
GM:戦闘開始です。
幸い、初回の弓の一斉射撃は全てはずれ、ハリスは路上のボスに切りかかるが、出てきた手下に阻まれ接近戦となる。ティアラ、フィリッポは森に向けてそれぞれ念刃、クロスボウの攻撃を行った。矢の飛び交う危険な乱戦状態だが、アーチャーのいるプレイヤー側が射撃戦を有利に進め、追い剥ぎたちはあっさりと抵抗不能になった。
ハリス:首領はどこに行った?
GM:森に逃げ込んだみたい。
ハリス:可愛そうに、部下おきざりかよ。
フィリッポ:「つぎあったら殺すぞ。」って言っとく。
ティアラ:早くこの場所を離れよう、どっか安全な所で野営しよう。
ハリス:今夜は見張りを強化するか。
GM:それから5日たちました、合計で9日目のことです。荒野の真ん中に壁に囲まれた小さい街が見えてきました、あれが交易所でしょう。
ハリス:やっと着いた。
GM:街に入りました。結構、活気がありますね、露店が並んでいますし家畜市とかもある。
ハリス:宿を探そう。
GM:街の真ん中辺にある、内陸宿屋だ。
フィリッポ:なぜ、内陸?
GM:そう、この交易所の名前も内陸交易所、入り口に書いてあったよ。それで、宿にはいるとごっついトロールの女将が出てきた、ぶっきらぼうに「泊まりかい?」と訪ねる。
ティアラ:「二部屋御願いします。」
GM:「あいよ。」、部屋のカギを渡してもらったよ。
ティアラ:「部屋に荷物を置いたらご飯を食べましょう。」
GM:宿の食堂もにぎわってるよ。
ハリス:てきとうなヤツに話しかけよう、「ここらには野盗は多いのかい?」
GM:銭を勘定していたドワーフ商人が答えてくれる。「ああ、この辺は内陸だからね。」
ハリス:はぁ、「内陸ですか。」 それは重要なキーワードなのか?(笑)
GM:「野盗どころか、ホラーだって潜んでるって噂だよ。」
ハリス:「そりゃ内陸だから。」(笑)
フィリッポ:「とっても内陸ですたい。」(笑)
ハリス:「そうゆうあんた、内陸は長いのかい?」(笑)
GM:「もちろんだとも」
フィリッポ:「朝から、内陸ですか?」(笑)
GM:なんかしつこいぞお前ら!(怒) 「一日中内陸だわい!」(←乗るな)
ハリス:「俺には内陸すぎてちょっと」(笑)
ティアラ:マスター、泣いてる?
プレイ中断。
GM:(気を取り直して)「この宿じゃ、もめ事は御法度なんだ。あのオークの馬賊たちだって大人しく酒を飲んでるだろ、喧嘩なんぞ起こしたらここの女将に足をへし折られてしまうからなんだ、あの女トロールはその名前もレッグブレイカーさ」
ティアラ:はーん、関係ないっしょ、寝よ。(←酷い)
GM:知覚チェック。
フィリッポ:3。
ハリス:また襲われるのかよ。5。
ティアラ:1。「あのストーカーね、むにゃむにゃ」
GM:真夜中頃、ハリスは物音で目が覚めた。扉の前で声が聞こえる、「カギは開けた、後は手はずどうり頼んだぞ」。
ハリス:剣を手にする。声に聞き憶えは?
GM:ある、たぶん追い剥ぎの頭領だ。バタンと扉が開いてオークが3体部屋になだれ込んでくる。あっ、ティアラの部屋にも2人のオークが押し入った。
ハリス:そりゃ面倒だな。
フィリッポ:俺、起きていい?
GM:いいよ。ティアラも気づいたら斧を振りかぶったオークと対面した。戦闘開始ね。
フィリッポ:イニシア9。
ハリス:宙の舞い発動、不意打ちもする、5、最悪。
ティアラ:イニシアチブ振っていいのね?、2。
GM:オークは1。ちなみにオークは手斧や剣を持っていて、チェインメールを着ている。
ハリス:それってイニシア・ステップ1の世界じゃの。
フィリッポ:部屋の中やけんど、射撃していいの?。
GM:いいですよ。
注:控えめに言っても非常に困難。辛目の判断なら不可能にしてもいいはずだ。この後も乱戦の中、射撃を続けるが、これはルール的に完全な誤り。このルール間違いは次からは修正するが、このパーティー編成では致命的な問題ではある。
フィリッポ:11、命中?、ダメージ10。
GM:チェインだぜ、ちょこっと入った。
ハリス:あっ6。はずしたーっ、不意打ちが無駄にーっ。
ティアラ:念刃11、ダメージ6。
GM:チェインメイル意味ないし。反撃、ハリスに14ダメージ、フィリッポに11、ティアラに13ダメージ。
ハリス:痛いっす。鎧着てないよなぁ、転けた。宙の舞いが無駄にーっ。
フィリッポ:もろくらいじゃ、転倒した。
ティアラ:転けた。
さい先が悪かった、第3ラウンドで早々とハリスが気を失い(ティアラ:まだ一人も倒してないのにい!)、残されたフィリッポ、ティアラの二人が必殺の鮮血の護符を使い反撃を試みる。
ティアラ:致命的呪文の護符使うよ、+6ステップね、24で命中?
GM:クリティカル。
ティアラ:ダメージ・・・・・・きゃーっ3。
フィリッポ:俺も護符使う、狙撃タレントもカルマもだ、普通に命中・・・・・・ダメージ13・・・・・・。
GM:だめだな、それでは。
ハリス:戦闘すんだら教えてくれな。(部屋の隅でカステラ食べ始める)
第4~6ラウンド。カルマを垂れ流すように消費しながらも、獅子奮迅の戦いで徐々に形勢は逆転していった。
GM:オークの一匹が、戦闘から離れ部屋の隅に走った。
ハリス:連れていかれる! 誘拐される!
ティアラ:「俺の体が目的か!」(笑)
GM:荷物狙ってるんだって。
ハリス:助けてぇ、アブダクられる!(←だいぶ退屈らしい)
第7~8ラウンド。ようやく調子が出てきたフィリッポが立て続けに大ダメージを叩き出し、1体を除去。ティアラは念刃で2体目のオークを倒し、フィリッポの加勢に向かった。
ティアラ:歩いて行こうかにゃ、この前の恨み。
フィリッポ:前回のアレか!
ティアラ:ウソ、走っていく。
GM:するとだね、廊下の突き当たりの階段の所で黒い影がさっと引っ込んだ。
ティアラ:なに? 大丈夫そう?
GM:さあ。
ティアラ:ううん、いいや、部屋に行く。
GM:ハリスが仰向けに倒れていて動かない、オーク1匹がフィリッポを攻撃している。
ティアラ:「よくもハリスを!」(笑)て言いながら念刃。
第9~13(最終)ラウンド
GM:フィリッポの前のオークが倒れてすぐ、荷物をあさっていたオークが窓から飛び出していった。
フィリッポ:追い撃つ、はずれ。
GM:暗闇にまぎれた。
ティアラ:荷物盗まれた、大変。
ハリス:戦闘終わり? 回復していい? ああ、だるかった。(←最悪)
フィリッポ:荷物を確認しよう。
GM:タカリスへの書簡が無くなっています、幸い永遠の花とワンドは残っています、置いてある場所が別だったんでしょう。
フィリッポ:長い戦闘やったな。
ハリス:「アーチャーお前のせいだ、オークごときに手こずりやがって。」
フィリッポ:「気絶していたヤツが何を言う。」
ハリス:俺ちゃうって、マスターのせいやって。
フィリッポ:それは、耐久力低い盗賊だからです、オブシディマンの武人で出直しなさい。
ティアラ:お互い、責任のなすりつけ合いは醜いよ。
GM:そこに、トロールの女将が現れて、「何の騒ぎだい!」と言う。
プレイヤー一同:遅いっちゅーねん。
GM:次の日だけど。
フィリッポ:襲撃したオークの見当はつく?
GM:難しいですねそれは。
ティアラ:追跡は無理でしょ、取られた手紙はしょうがない、説明してわかってもらおう。
GM:たぶん、大丈夫だと思うよ。
ハリス:傷も治したし出発しよう。
GM:旅を続けます、丘陵地帯を移動しているところです。君たちは風の中にものの焦げるような嫌な臭いを嗅いだ。見ると丘の向こうには薄く煙がたなびいている。
ハリス:「俺が見てこようか。」 馬を走らせる。
GM:頂まで行って下を見おろした、そこにはキャラバンらしき馬車数台の無惨な残骸が転がっている、辺りには黒こげの馬、人間の死体が、まだくすぶっているな。
ハリス:皆を呼ぶ。生存者を探しに行こう。
フィリッポ&ティアラ:ゆく。
GM:あるのは死ばかりですね、奇妙なことに金品などは残されている反面、全ての生命が完璧に奪われている。
ティアラ:快楽殺人だ。
フィリッポ:大がかりやな。
ハリス:すごい快楽だろうな。犯人の見当はつきそうか? 知覚する。
GM:足跡です、3つ爪の巨大な足跡が残されています。
ハリス:ホラーなのか? でかくて火を吐くモンスターっておったっけ、電撃か?
ティアラ:ぴかちゅー。
フィリッポ:でかいピカチュウやな、それってライチュウ?
ハリス:見当もつかん。我々にできることはもうないだろう、進もう。
フィリッポ:あのエンカウンターはなんだったのじゃろ。
ハリス:アメリカシナリオに良くあるやりっぱなしイベントだろ。(←遠からず)
GM:はい、ついに18日が経過しました、目前に巨大な森が広がってきた。
ハリス:「おおっ、これが鮮血の森か、なんとも嫌な雰囲気の場所だぜ。」
ティアラ:「入って行こう。」
GM:森にはいると不気味な雰囲気がいっそうと増してくる。ずんずん2時間ほど進んだ頃か、不意に囲まれていることに君たちは気づいた。
フィリッポ:いつのまに。
GM:鮮血エルフだ、人数は10人程度、弓や槍を持っている、鎧はファーンウィーヴ。リーダーらしきエルフが前に進み出て、「よそ者よ、何故、我らが呪われた鮮血の森に足を踏みいれるのか?。」と言う。
フィリッポ:早く、ワンドを振らなければ。
ティアラ:「使いを頼まれたのです、ハイアモンの名はご存知でしょうか?」
ハリス:「タカリスだ、血の番人タカリスとやらに会いに来た。」
GM:「タカリス殿? その証は?」
フィリッポ:ひゃーっ(ワンドをまわす仕草)
ハリス:「この小杖を」
GM:それを見たエルフのリーダーは「よかろう。」と言ってうなずいた。気づいたんだけどエルフたちの腕の所には、そのワンドに刻まれたルーン文字と同じ模様の入った腕章があるな。そして、数歩下がって森に振り向き呪文を唱え始めた。
ティアラ:罠なのじゃよ。
GM:かかげた手先の方向の密集した木々がバリバリ音を立てながら退いて行く、やがて下生えもない植物のトンネルができあがった。「進め、ただし決してこの道からはずれてはならぬ。お前たちにとってこの森はあまりにも無慈悲だ。」
ハリス:いんぎん無礼やの、「お気遣いかたじけない。」 進もう。
ティアラ:ダッシュ。
GM:けっこう長いトンネルです、枝の間から外が見れるんですがトゲトゲのゴーレムみたいなのが歩いてたりする。
ハリス:「道をはずれたらこいつらに襲われるのか。」
ティアラ:石投げてみよっか。
フィリッポ:群がってくる、アリのように、石突いて突いてするなきっと。
ティアラ:ゴーレムこわれたー。
GM:本当ならエルフ宮殿まで徒歩で5日はかかりますが、このトンネルなら2~3時間で到着します。
ハリス:「そんな魔法なトンネルだったのか、どこに連れて行かれるのやら。」
ティアラ:ひっとして未来?
GM:突然、目の前が開けた、そこに見えるのは柱の上に建つ荘厳な城だ。城を支える6本の柱はよく見ると巨大な樹木でできている。槍を持った衛兵が胸壁に立ち、豪華なローブの賢者風のエルフが集まってなにやら話し込んでいたりする。これがエルフの宮殿です、樹上都市ですな。
ハリス:ここが、メンゾベランザン。(←ウソ)
GM:とゆうところで今日のセッションはこの辺で終わっときましょう。
ティアラ:歯切れ悪いにゃ。