今回はネットカフェのパーティルームでプレイしました。
仕事帰りのメンバーが集まると、少し時間に余裕があるのをいいことに、食事のあとゲームセンターへ。
そんなこんなで開始は22時。イスに座ると思わず寝そうになるのでした。
教訓: TRPGの前はスタミナに余裕を持ちましょう。
レオーネは夢をみた。
親友の司祭セリナが、壁に囲まれた暗い場所で足元まで水に浸かって憔悴している姿。
セリナは何者かに囚われている。助けなければ――夢はそこで終わる。
足早に神殿へ向かうバーリック。
バーリックはパーカスポイントのドワーフ達とカラコスの間で交易の仲介をしている。
直近の取引相手である司祭長からの呼び出しだ。嫌な予感がする。
「我々の発注した品を覚えているな?神殿の祭壇に備える工芸品だ。
納期から1週間経つがまだ届いていない。それはいい。
問題は受け取りに発った司祭と警備兵が帰ってこないことだ…
何か問題に巻き込まれたのだ。セリナ達が無事だといいのだが。」
ドワーフの側へ視線を向ける司祭長。
そこには心配そうな表情のレオーネが立っていた。
「バーリック、すまないが彼らの行方を追ってほしい。
司祭レオーネと…私の甥が力になる。」
ずかずかと部屋に入ってくるレゾ・メーン。
叔父の司祭長と短い挨拶を交わすと、レオーネとバーリックの方をじろりと一瞥する。
「さっさと出発しよう。」
荷物の輸送には二つのルートがある。
森を迂回するルート、湿地帯を抜けるルート。
セリナ達は森を抜けることになっていた。
一行はその後を追っていくことにした。
10日の行程。
威勢よく出発したものの、旅慣れしていないせいか体調を崩して熱を出すレオーネとレゾ・メーン。
(セービングスローに失敗)
レオーネが司祭らしく治療術を施して事無きを得る(スキル判定成功)
遠くにヒル・ジャイアントの姿を見るが、一行は姿を隠してやり過ごす。
程なくして空から一行をめがけてやってくる3体の大きな影。
「グリフォンだ!」
武器を手に取るバーリックとレオーネ。
緊迫した表情の二人をよそに、悠然と魔法の準備をするレゾ・メーン。
「知ってたか?グリフォンの大好物は…これだ。」
魔法が完成すると、そこには立派なたてがみの若い雄馬が現れていた。
雄馬は高くいななくと、その場から一目散に走りだす。
グリフォンは目標を雄馬へと定めると、急降下しながらその場から離れていった。
「あいつら、あれが幻だって気付いたらどんな風に悪態をつくんだろうな?」
グリフォンから逃れた一行は、ドワーフ族の交易所・パーカスポイントへ到着する。
セリナ達の行方を追って、ドワーフ達から情報を聞き出す三人。
「カラコスの司祭殿なら、少し前に我々の船に同乗して沼地へ向かったよ。
大事な祭器の納品が遅れてるから、少しでも早く帰りたいって言ってたな。
沼は噛み付く虫がいるし、ブライトパインはならず者の溜まり場だからやめとけって言ったけどよ。」
5日の行程。
ブライトパインは湿地帯の中継点にあたる小さな街である。
それと同時に、素性のわからない者、怪しげな者の集まる評判の良くない場所だ。
自称「水先案内人の頭領」タンカッドが、地元の実力者として知られている。
実は盗賊の頭だとか、汚い商売をしているだとかいろいろと噂は絶えない。
一行はセリナの行方について現地で聞き込みを行うが、ここでプッツリ途絶えてしまっていた。
ドワーフ族の船もろとも行方不明の状態である。
タンカッドが事件に関係しているに違いないと踏んだ一行は、彼に面会を申し出る。
セリナの行方がここでわからなくなっている以上、手ぶらで帰るわけにはいかない。
レオーネは切り札を切った。
「セリナはカラコス神殿から正式に派遣された司祭です。
その彼女が祭器とともに行方不明になっているのですから、教会は何としても行方を探すでしょう。
私はこの場所で彼女の行方がわからなくなっていることを、教会に報告せねばならない。
そんな手間をかける前に、ここで彼女の行方が分かればいいのですが。」
「パーカスポイントのドワーフを代表して」
バーリックが鬚を撫でながら前に進み出る。
「取引相手との商品を積んだ船がまるごと行方不明となれば、我らのメンツが立たん。
ドワーフ達がここで仲間の行方を調査―荒事も含めて―させてもらえるよう通告に参った。」
「ブライトパインの実力者たるタンカッド殿の力をお借りできれば、面倒事は避けられるのではないかな?」
涼し気な顔で言葉を継ぐレゾ・メーン。
訪問者の言葉を押し黙って聞いていたタンカッドが、長い沈黙の後で口を開いた。
「…わかった。今夜使いの者を宿まで遣らせる。助けになるはずだ。」
後半へ続く