前回に引き続き、アースドーン(日本語版)をプレイしました。
セネド : ドワーフ元素魔術師
プレイヤー : ナッキー
リナリア : エルフ射手
プレイヤー : いそさん
ガノフィル : オブシディマン武人
プレイヤー : あゆみん
グラル・トー : オーク獣使い
プレイヤー : チャッピー
メラーニヤ : エルフ理論魔術師の女性。「病院」の院長。
ザムエル : トロールの戦士。「病院」の看守長。
ジェルマン : 「病院」に捉えられているオークの男性。脱出の機会を伺って武器を準備する。
1.チュニス村まで
スロール王国はバータータウン。
蝶の姿をしたホラーを退治したアデプトたちは、商人から譲り受けた剣について調べていた。
剣は魔法の品物であり、その魔法の力を開放するためには剣の歴史を知らなくてはならない。
調査の結果、この剣が鍛えられたのはパーレインスであり、その作者の名を知らなくてはならないことが分かる。
そこで一行はバータータウンを出、パーレインスまでの長い旅路についたのだった。
出発して数日後、チュニスという村に滞在することになった一行。
アデプトが珍しいのか、酒場で冒険の話をしてくれと村人からせがまれる。
酒の力も手伝って饒舌になっていくが、「ホラー」について話し終わったところで意識は暗転する。
2.「病院」
目を覚ますと、見知らぬ白い天井。そして白い壁に白い服。
持ち物は無くなっている。そして仲間はおらず、個室にひとりきり。
状況がわからないアデプトたちは、部屋から出ようと試みるが、ドアは固く施錠されていて開かない。
扉越しに声を掛け合い、お互いの存在を確かめ合う。
どうやら閉じ込められたようだ。どんなに力を入れても扉は開かない。
しびれをきらせたオブシディマンのガノフィルは、力いっぱい扉へ体当たりを試みた。
400kgを超える巨体をぶつけられ、ついに扉は木っ端微塵になってすっ飛んでいった。
部屋を出たガノフィルは、武装したトロールがこちらに近づいてくるのを確認した。
「派手にやりやがって、オブシディマンの患者には特別の部屋が必要だな!」
ガノフィルは激しく抵抗するが、武装したトロールにはかなわず、やがて降参せざるを得なくなった。
3.診察とお薬の時間
やがて個室から連れだされ、ホールに集められたキャラクターたちは、エルフの魔術師と対面する。
彼女の名前はメラーニヤ。この「病院」の院長である。
メラーニヤから事情が説明される。
この施設はホラーに精神を汚された者が治療のために入る施設である。
メラーニヤは精神を汚されたものを治療する方法を自身の研究で確立し、この「病院」を建設した。
この「病院」にはアデプトたちの他に数人の入院患者がいるようだが、いずれも目は虚ろで表情が死んでいる。
アデプトたちは酒場でホラーのことを「熱意を込めて、さも楽しそうに」語っていたことから、病人と診断されたようだ。
もちろんそれは酒のせいでもあり、自らの冒険譚を語りたがるものの常として、大げさに表現していただけなのだが。
患者たちは投薬を受けたあと、つかの間の自由時間を与えられた。
4.武装隆起
セネドはジェルマンと名乗るオークの患者に話しかけられる。
ジェルマンは低く小さい声で「ここから出たいなら力を貸せ」と提案し、脱走の計画を打ち明けた。
ジェルマンは囚われて以来、反乱の機会を待ちながら間に合わせの武器を作ってきた。
木材の切れ端を使った槍やスリングなど、さまざまなものを作ったが、それを手に反乱を起こすには味方が足りなさすぎた。
今ならアデプトたちを含めた患者全員で力をあわせてこの「病院」から脱出することができるかもしれない。
ジェルマンの提案で次の日の診察の時間、投薬の前に計画を実行に移すこととなった。
次の日、投薬の時間が始まると一斉に全員が武器の隠し場所へ全力疾走し始めた。
すぐにトロールの看守がそれを追いかけるが、それに立ちふさがったのはオークの獣使いグラル・トーである。
彼の手には魔法の力で生み出された鋭い爪が光り、仲間が武器を手に入れるまでは一歩も通さない覚悟で立っていた。
続く数分間、ガノフィルとリナリアは武器の回収に急ぎ、セネドは魔法でグラル・トーを援護する。
トロールの攻撃は苛烈であり、瞬く間に両者激しく傷つきあい、あと一撃で倒れるかというところまで戦いは続いた。
もう持ちこたえることができないと思った瞬間、リナリアの手から発射されたバレットがトロールの頭を直撃する。
大きな木の棍棒を手にしたガノフィルが、とどめの一撃をトロールに叩きこみ、アデプトたちはついに勝利したのだった。
5.真実
その瞬間、床に倒れ込んだトロールの背中が血しぶきを上げ、中からおぞましい姿の巨大な虫が這い出してきた。
呆気にとられるアデプトたちに、廊下の向こうからメラーニヤが魔法の刃で攻撃を仕掛けてくる。
ホラーに精神を汚されていたのは患者ではなく、医者の方だったのだ。
ガノフィルはトロールが使っていた巨大な剣を拾い上げると、虫の姿をしたホラーに突進し始めた。
こうなるともはや止めようがない。セネドの元素魔術が剣を赤く燃やし、武人の技がホラーを切り刻む。
激しい戦いの末「医者」は倒され、ホラーを討ち取ったことで患者たちはようやく本来あるべき自由を手に入れたのだ。
またもホラーの眷属を退治した一行だったが、今度こそ酒場で武勇を語る気分にはなれず、早々に村を後にしたのだった。
「カッコーの巣の上で」まんまのお話ですが、あの異様な雰囲気がホラーのせいだとしたら?という観点でプレイしてみました。
また、武装解除された状態での戦闘を試してみたいという意図もあり、今回のシナリオとなりました。
冒頭でオブシディマン武人のプレイヤーが激しく抵抗するという選択をしたのですが、その行動をうまく活かせられなかったのが悔やまれます。
シナリオとしては変化に乏しく、プレイヤーがとれる選択肢も少なかったので、もっと時間をかけてブラッシュアップしておくべきだと思いました。
武装解除状態では活躍できるキャラクターとできないキャラクターが明確に別れてしまいますが、その救済処置も十分ではありませんでした。
今後の課題を多く残したセッションとなりました。
ゲームマスターおよびプレイレポート執筆: コニタン