2017年8月、連星中性子星合体による重力波(GW170817)が史上初めて観測された。同時に、rプロセスにおける不安定核の崩壊を起源とする電磁波対応天体「キロノヴァ/マクロノヴァ」も発見され、世界中の望遠鏡や観測衛星によって同時観測が行われた。これにより、我々は、宇宙における中性子過剰不安定核の生成と崩壊の現場を探る新たな観測手段を得たことになる。
本会議では、「中性子星合体におけるrプロセス」を主題に、関連する天文・天体物理と原子核物理の幅広い分野の専門家を集め、最先端の研究状況を確認する。さらに、今後、重力波観測を中心に展開されるマルチメッセンジャー天文学において、rプロセスや中性子星の物理を理解するのに必要とされる不安定核研究の方向性を模索する。
阿部 喬(東大CNS)、上坂 友洋(理研仁科)、上野 秀樹(理研仁科)、櫻井 博儀(理研仁科)、関口 雄一郎(東邦大理)、中里 健一郎(九大基幹)、西村 信哉(京大基研、世話人代表)、吉田 賢市(京大理)