● 2022年 佳作
▶︎ 作品名
道草刈取君
▶︎ チーム名
IwaLab.
▶︎ メンバー
山口裕斗(有明工業高等専門学校 創造工学科 メカニクスコース 4年)
川原虹美(有明工業高等専門学校 創造工学科 メカニクスコース 4年)
河村悠希(有明工業高等専門学校 創造工学科 メカニクスコース 4年)
田中陸羽(有明工業高等専門学校 創造工学科 メカニクスコース 4年)
橋本知佳(有明工業高等専門学校 創造工学科 メカニクスコース 4年)
● 二次審査講評
▶︎ 審査委員長
筬島 修(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)
財政が厳しい自治体にとっては、助かるロボだなと思いました。実際、この作業を担っているのはシルバー人材センター(高齢者)の方々が多いと思われ、事故も発生しやすいのではないかと想像していました。
ただ、このロボは「産業の振興に貢献する」というよりも「行政の効率化・住民負担の軽減」に貢献するものではないかと考え、その点、今回のコンペでは評価が厳しくなってしましました。
▶︎ 審査委員
田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
プレゼンテーションの中で、ロボットの機能的なアイデアを、イメージがわきやすいように実現しているものを利用しながら撮影した動画を用いることで、非常にロボットが稼働した際の前後をイメージしやすかったです。ロボットのガイドローラーは、安全を考える上で、素晴らしいアイデアと感じました。しかし、歩車道境界ブロックがない道路なども多いので、それも対応できるような柔軟な機能か、複数のロボットのアイデアがあるとよかったです。また、想定されるロボット大きさなどが資料もしくはプレゼンテーションの中であるとより具体的にイメージしやすかったです。
▶︎ 審査委員
加藤 優(九州産業大学理工学部 非常勤講師)
審査の中ではテーマ適合性にやや難があるとの意見もありましたが私はシルバー人材を活用する上での問題改善、また景観確保・安全への貢献という観点で意味のあるテーマ設定であると思いました。解決されるべき問題点が明確化されプレゼンテーションの説明の順序も大変良かったと思います。機構も良く考えられシュレッダーの動画など検証を行っているところも良かったですね。プレゼ時には実物の大きさを知りたくてモデルの縮尺を1/2或いは1/3かと質問しましたがモデルには歩車道境界ブロックも一緒に作ってあり実物大のモデルだったようですね。大きく成長した雑草を考えると少し小さいかもしれません。ガイド、刈り取り、回収、掻き出し、などの各機構のアイデア(解決策)は良いので、それらをどのように配置(パッケージングと言います)し、それぞれどのような大きさであるべきか、をもっと考えると実用的で説得力ある提案にもっと近づくでしょうしダイソンのクリーナーのような画期的なデザインが生まれるかもしれません。佳作でしたが私の中では2位の高評価でした。
▶︎ 審査委員
永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・素朴だが良いテーマ、草刈り作業はよく見る機会があり共感できる
・歩車道境界付近にフォーカスしている点が良い(課題が明確)
・草刈り費用が1km 40万円!!!勉強になりました
・ガイドローラーを活用するアイデアは素晴らしい(面倒な位置制御が不要)
・境界ブロックが崩れてないかの確認(道路保全)にも役立ちそう
・除草前、除草後の写真が少々わかりづらかった(特に苔)
・歩車道境界の草むらでダニが何処まで問題になってるかの説明が欲しかった
・機能的とは思われるが、造形性にもう少し工夫があっても良かった。(デザインとして遊べる余地が大きい)
▶︎ 審査委員
田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
当社の近所にもシルバー人材センターがあり、よく草刈りをされている光景を目にすることがありますが、今回の発表をされるまでこんなにたくさんの痛ましい事故があるということを知りませんでした。そういう意味では、身近であるけれども決して見過ごしてはいけないテーマ、弱者を助けるテーマの選定は気持ちのいいものでした。草刈り実験を通じての作業検証や作業コストも調査分析したうえでの課題抽出は、境界ブロックを活用したガイドローラー方式の設定など実現性の高さを感じさせるアイデアをご提示されたことにしっかりつながっていたと思います。ただし、ガイドローラーが使えない道路への対応等メリットデメリットの検討や、またデザイン性において、もう少々武骨さの消えたお年寄りでも使い勝手の良いデザインができれば、もっと素晴らしい発表となったと思います。
● 一次審査講評
・雑草の伐採は大きな力を要するため,このような機構で実現可能か疑問が残る.平坦路であればできるかもしれない.
・道路の草刈りに特化するのは発想が良いと思います.
・ブロックの近くに結構障害物が存在するので,障害物対策が実用化に向けての一つの課題ではないでしょうか.
・目の付け所がいいし,仕組みをよく考えているところも好感.それだけに具体的な細部が気になってしまう!?
・シュレッダー機構で,草を細断するのは面白いと思いました.
・歩車道境界ブロック付近に生えている草を刈り取るロボットの提案ですが,使用場所を限定することで具体的かつ実用的な提案になっています.安全性にも配慮されており,直ぐにでも製品化できそうですね.
・草を刈り取る機構や回収機構が考えられていて良い.
・着想が良いです.ガイドブロックのない場合での対応の説明があると良いと思います.