2022年 佳作メカトラックス社

▶︎ 作品名

おんせんペンギン1号・2号

▶︎ チーム名

KNMR

▶︎ メンバー

金丸愛心(久留米工業高等専門学校 機械工学科 5年)

二次審査講評

▶︎ 審査委員長

筬島 修(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)

観光資源として重要な温泉をあらゆる面でバリアフリーな空間にする、入浴補助機能と通信機能を備えたロボの提案でした。ペンギンをモデルにした形状も可愛らしくてよかったのですが、私としてはロッカーキーをウェアラブルデバイスとして高性能にするアイデアに注目しました。当日の審査でも視力が悪い方が眼鏡をはずして入浴する際、結構危ないといった話もありましたが、そういった方々に対する、まさに通信機能と入浴補助機能を両立するデバイスになると思いました。

▶︎ 審査委員

田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)

ペンギンというデザインが非常に親しみやすく、万人に愛されるロボットになるのではと、大いに期待いたしました。また、体調に合わせた入浴方法のアドバイス機能など、温泉を楽しめるようにする着眼点がおもしろかったです。ただ、入浴補助機能を考える場合は、もう少し機能やデザインに工夫がみられるとよかったと感じました。また、おすすめ街案内は、その場の声だけでなく、温泉を出た利用者が現地に向かいやすいようデータを共有する方法などがあると、なお愛されるロボットになるのではと思いました。

▶︎ 審査委員

加藤 優(九州産業大学理工学部 非常勤講師)

病気で発声にも苦労する中リモートですがしっかりプレゼンテーションされ、提案を良く理解することが出来ました。温泉での自分の経験・困難から観光産業である温泉における小さい子供家庭や外国人観光者の不便に着目したテーマ設定は説得力があり、ウェアラブルなデバイスでの情報提供などの種々機能は実用性・有用性も高い提案であると思います。ペンギンの表面処理(油膜に覆われた短いウーリー)や足裏のゴム素材など細かな部分にも考察がなされているのは特にプロダクトデザイナーとしては高く評価したいと思います。ただぺんぎん2号は洗身と歩行補助の機能を有するとのことですが、プリント資料にあるイラストでは人を抱き抱えるような機能もあるのかなと間違って認識してしまいました。そうならないよう正確に意図が伝わる資料作成というものにも今後は注意すると良いかと思います。本提案は一人でされたとのことでよく頑張られたと感心します。

▶︎ 審査委員

永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)

・温泉を安心して利用できないというストーリーをもう少し丁寧に説明してほしかった

・ウエアラブルデバイスロッカーキーの便利機能は分かりやすい、心拍数とかの体調モニタリングとかもあれば尚良い

・自分が眼鏡なので入浴中に情報が少ないのは凄く共感できる、そこをもう少し強調しても良かったのでは(※段差や泉質、段差のアラートとか)

・2号の転倒防止は、高齢者が屋外で使ってる手押し車的な発想でも良かったかも、需要ありそう

・オンラインでのプレゼンでしたが、もう少し話を聞いてみたい内容でした、メカトラックス賞おめでとうございます

▶︎ 審査委員

田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)

農林水産業に関するテーマが多い本コンペの中で、観光・地域振興の観点から「温泉」に関する問題をテーマにあげたところは非常に興味深く、また気づきにくい事実(お子さんの入浴制限が引き下げられている等)から地域振興につなげていくための方策を考えられた点で秀逸だったと思います。装置開発においては、まずデザインの可愛さしさについ顔がほころんでしまいました。また、ウエラブル端末でのキー管理、健康端末、通信端末としての利用等細かい配慮のなされたスペックには感心いたしました。残念であったところは、1号に比べ2号のコンセプトが漠然としており、全体的な実現性という点で見劣りした点が残念でした。2号のブラッシュアップをぜひお願いしたいものです。

一次審査講評

・温泉内での子供たちの見守りという観点は鋭いが,音声利用がプライバシーの侵害にならないか心配.

・ロボットの役割などの説明が足りないのが残念である.

・隠れたニーズというか,いいところに目を付けたと思う.実現可能性がPRできれば完成度の高いアイデアになりそう.場所や対象を変えて,幅広い展開も期待できます.

・可愛らしいデザインで,親しみやすいと思います.一方で,入浴補助機能として,付き添いや介助を実現するための機構や安全性についてなど具体的に書いてほしかったと思います.

・温泉入浴補助ロボットの提案であり,親子で安全安心に温泉を楽しめるというコンセプトは面白いと思いました.デザインも可愛らしいのですが,寒暖のイメージが合わずなぜペンギン?と思ってしまいました.

・温泉内のコミュニケーションツールとしてロッカーキーにメッセージ機能を付与するところが良いコンセプトだと感じた.

・案内補助は良いと思いますが,洗身補助はどのように実現するかの説明が欲しいです.