1 日目 [2023/11/28]
会場:理学部A館 207室
9:30 ~ 10:30
10:30 ~ 11:00
藤江 克徳
11:00 ~ 11:20
永津 愛彩
自己紹介を兼ねて最近勉強したことについて簡単に紹介します。ランダム行列論の初歩としてWignerの定理とその組み合わせ論的証明について話す予定です。
11:20 ~ 11:40
那須 秀平
ワインガルテン解析の基本定理における「ワインガルテン行列」はある部分空間への直交射影となっている行列の構成方法からきている。本講演では与えられた部分空間への直交射影の構成方法の証明と簡単な具体例を説明する。
11:40 ~ 12:00
天野 創
自己紹介およびランダム行列と深層学習の関連についてお話しします。
昼食 12:00 ~ 13:30
13:30 ~ 15:00
村山 拓也
非可換確率論においては,確率変数に対して5つの独立性(古典,自由,ブール,単調,反単調)が存在する.本講演では,これらの独立性から生じる「Lévy過程」や「加法過程」について考える.例えば,Bercovich--Pata全単射があるから,自由独立性・ブール独立性と古典確率論との対応は見やすい.一方で,単調独立性に関する解析には,正則函数のなす半群あるいはLoewner鎖の理論が要求される.本講演では,その函数論的基礎について概説し,講演者の最近の結果(長谷部高広氏(北海道大学),堀田一敬氏(山口大学)との共同研究)を紹介する.
15:00 ~ 15:30
2 日目 [2023/11/29]
会場(午前):理学部A館 358室
9:30 ~ 10:30
10:30 ~ 11:15
北川 遊
ランダム行列は多くの分野に応用を持ちます.量子情報はその例の一つです.例えばadditivity of minimum output entropyの反例はHaar Unitary行列を用いた確率論的手法によって示されます.今回は量子情報の基本的な概念から説明し,量子情報におけるランダム行列に関連する話題の一部を紹介していきます.
11:15 ~ 12:00
横倉 将太朗
一般の確率測度に対してどのようにFree Convolutionが定義されるか解説する
昼食 12:00 ~ 13:30
会場(午後):理学部A館 207室
13:15 ~ 14:45
加藤 慎也
von Neumann環を用いた非可換なL^p空間としてHaagerup
L^p空間がある。本講演ではその紹介をし、時間があれば応用としての最近の私の研究結果や解決していない問題などを話す。
3 日目 [2023/11/30]
会場:理学部A館 207室
9:30 ~ 10:30
10:30 ~ 11:15
金田一 大和
Finite free probabilityと呼ばれる、ある意味でFree probabilityの有限近似を研究する分野があります。そう言われる所以として、Finite freeで定義されるcumulantの次元を大きくしていくとFreeの意味のcumulantに収束するというものがあります。この事実について説明した後、Finite freeにおけるmultiplicative convolutionの分布の次元を大きくしたときにFreeの意味でのmultiplicative convolutionに弱収束することを示します。証明の中で、対称群の元から構成されるグラフを閉曲面に埋め込み、オイラーの多面体定理を用いることで得られる大切な公式を使います。
11:15 ~ 12:00
佐藤 健斗
Weylの積分公式とその応用を基軸に,時間が許せば周辺分野の研究に向けた自身の取組結果を紹介する.
昼食 12:00 ~ 13:30
13:30 ~ 15:00
藤江 克徳
古典的な確率論を代数的な状況で考えた際,自然に定まる独立性の概念は3種類ないし5種類のみに限られることはよく知られている.ここで気になるのは,独立なGUEの族が満たす漸近的自由独立性のように,自然に構成されるランダム行列モデルが存在するのかという問題である.そこで本講演では,GUEと有限次元行列を足した摂動モデルを考えた際に,それらの独立性の概念が自然に現れ,外れ固有値の解析に応用できることを紹介する.なお,本講演は長谷部高広氏(北海道大学)との共同研究に基づく.
15:00 ~ 15:30
4 日目 [2023/12/1]
会場:多元数理棟 555室
9:30 ~ 10:30
10:30 ~ 12:00
伊藤 久優雅
自由確率論の研究の一つにVoiculescuにより創始された自由エントロピー・自由Fisher情報量の研究がある。この研究でfree difference quotientと呼ばれる非可換差分作用素が導入された。この非可換差分作用素はこれ自身興味深い対象で、現在もこの作用素に基づく非可換解析が研究されている(これが自由解析と呼ばれている分野と思われる)。本講演では、free difference quotientとは何か、自由解析とはどんな分野であるかをお話ししたい。
昼食 12:00 ~ 13:30
13:30 ~ 15:00
佐藤 僚亮
本講演では漸近的表現論(asymptotic representation theory)と自由確率論(free probability theory)に関する話題について議論する.漸近的表現論とはコンパクト群の帰納極限の表現論であり,様々で豊かな確率論の研究の一つの源泉としても知られている.特に漸近的表現論とランダム行列理論には,研究の発展や方針が類似しており,漸近的表現論と自由確率論も自然に深く関わっている.具体的に,コンパクトLie群の最高ウェイトをランダム行列の固有値のようなものだと思うと,そこから経験測度が定義される.本講演では,それに対する大数の法則や中心極限定理などの研究について説明する.特に自由確率論の役割に着目したい.
15:00 ~ 15:30