ドローン輸送飛行における危機とリスクマネジメント ← クリック
•ペイロードの増加方法(回転翼・固定翼に限らず) は下記2通り
1 翼面積を拡大する
2 翼面積が同じ場合は飛行速度を速める
回転翼では回転速度を速めるがマルチローター機では限界点が低い← クリック
•飛行が継続できなくなった事態
•墜落 空中からの落下
•操縦が不可能
•地表面に存在する第三者またはその資産への衝突の可能性
•重大な損傷被害を与えた場合
→ 刑事処罰 損傷を負わせた場合 過失傷害
死亡に至った場合 過失致死
→ 民事請求 損害請求
事故発生の要因
•機器の故障による操縦不能
•電波障害
•気象条件によるもの
Ⅰ 事故の回避
•1 航空気象の知識を得る : 局所風の予測 事前に危険を回避
乱気流発生のメカニズム
•2 パラシュート等による衝撃緩和:ドローン等機器の損害を最小限にとどめ
人的、物的被害の防止
•3 その他:機材の点検・メンテナンス等
Ⅱ 第三者への被害発生した場合の想定
•前例 ドローンでの第三者賠償事例は未発生のため、
ドローンに近い飛行体であるパラモーターでの地上の第三者へ空中から衝突した事故例の紹介
およそ15年前に国内某地方の海岸で発生
パラモーターが海岸にきていた第三者に衝突
顔面陥没骨折、眼球破裂、片目を失明
損害賠償請求額は1億円
デリケートな後遺障害が残った事例なので情報詳細は控える
保険会社は1億円の支払いを認めた
最終は示談となったが刑事事件としての捜査も行われたと聞く
過失による第三者への傷害について
•墜落事故の可能性が予測されていたか
予測しなった
予測したが 対策は講じていなかった
予測できる事態に対して最大限の対策は講じていた
•
•社会的責任の存在
日常生活を送る第三者の上空を飛行することで不安にさせない
社会的責任
パラシュートが有効な範囲
•パラシュートは空中から地表面へ向かって墜落落下してゆく飛行体に空気抵抗を生み出して降下速度を抑制させるものであって、それ自体が障害物を回避して自動的に安全な地点を選んで着地の無事を確約するものではない。
•パラシュートはドローンが墜落による落下に陥ってしまったら、その時点では最も有効な対策であることには間違いない。ここでいう緊急パラシュートとは操縦ができないタイプの直進降下するものを言う。
•開傘すればそれですべての危機が去ったわけではない。
•風に流されてどこへ着地するかわからない。着地地点に第三者がいるかもしれない。交通量の多い幹線道路まで流されて走行中の車両に衝突して二次被害を発生させるかもしれない。
•操縦ができないならば開傘する前の段階での仕込みが運命を左右します。それは危機に陥る前の段階、仕込むなら離陸以前の段階で 飛ぶことは常に落ちることも想定範囲にいれて飛ぶということです。
•アドエアではパラシュートの装備対象を物流用ドローンに焦点を絞っています。特に固定翼機です。その理由は後述します。
•空を飛ぶことは自由を得た心境から製品状態も高揚し、ときには有頂天となって冷静な判断ができなかったり、リスクを予測できなかったりします。離陸前にコースが定まっていないフライト、初めて飛ぶコース空域についてのリスクは最大レベルです。
物流ドローンに焦点を定めている理由は 定期便コースとなることを想定しています。
常に同コース 同空域を飛行することにより気象データが得られ、地形による独特の局所風の観察を行うことも可能です。
そのコース中でどのポイントが最も危機リスクが高いのか
最悪のケースとしてその位置からパラシュートを開傘する事態となったらどの風向きで飛ぶこととなって どのくらいの風速で どれくらいの平行距離を風下方向へ流されるのか 流されて着地が予想される地点には民家の集落があるのか、幹線道路があるのか 逆算すればどのポイントをどの高度で飛行すればパラシュート開傘の事態となった場合にも二次被害を最小限にとどめられるのか
そうした知識が世の中にすでに存在している
それを学んで備えることを弊社では危機対策として扱っている
商用を目的とした輸送事業であることは近隣からの騒音苦情もリスクに含んで対策することが重要です。騒音のメカニズムを正しく理解することが必要です。
例として空飛ぶクルマのシンポジウムではモーターを使った空飛ぶクルマはヘリコプターのエンジン音に比べて騒音が低いという説明を力説されていますが、ヘリコプターの騒音源はプロペラが空気を叩くときに起きるバタバタという音源が主流を占めます。モーターを動力として使用しても同じ揚力を出すなら空気を叩く音量は変わりません。
また小径プロペラの場合は回転数を高くしなければ大径プロペラと同じ揚力を出せないため音量は大径プロペラを減速して回転させた場合よりも高音質となり、より遠方まで響きます。
低音質であることは直近では同じ音量でも距離が離れるごとの消音率が高くなり騒音の苦情を抑制する働きがあります。
モーターパラグライダーエンジンユニット開発より
DKビート DKウィスパー開発時調査より
上記のことを踏まえ
アドエアではドローン配送用パラシュート型ドローンを使ったスクールの開始を予定しており、そのカリキュラムにおいて前述の危機管理、危機対策の知識を含んで2024年度より試験開講中です。
ドローン配送用パラシュート型ドローンを使ったスクール