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この度、日本臨床心理身体運動学会第28回大会を、2026年12月12、13日、京都の地で開催できますことを、心より嬉しく存じます。本大会は、京都先端科学大学太秦キャンパスを会場として、多くの皆さまのお越しをお待ちしております。
近年、生成AIの急速な発展によって、言葉や物語は以前にも増して容易に生み出されるようになりました。効率よく要約し、短く分かりやすく伝えることが求められる今日、私たちは素早く情報を処理し、「理解したつもり」になりがちな時代を生きています。「AIに悩み事を聞いてもらって癒された」という声を耳にするにつけ、私たちは日常生活の中で、実は人の話を十分に聴いていないのではないかと、打ちのめされたような思いに駆られることがあります。効率や利便性が求められ、目に見える結果ばかりに価値が置かれる現代社会にあって、人の語りに耳を澄まし、時間をかけて聴くという営みは、ますます困難になっているのかもしれません。
しかし、人間は本来矛盾を孕んだ存在であり、簡潔で分かりやすい言葉だけで語り尽くせるものではありません。パンデミック以後、世界は混迷の様相を深めており、不確かさや将来の見えなさが広がるなか、人々の心もまた揺れ動いています。心理臨床の場では、クライエントたちが、その苦しみや痛みを先取りするかのように体験されていることも少なくありません。
山中(1991)は「死を受け入れるためには、自分はこういうふうに生きてきたのだということを語る対象を見つけ、その人に自分の今までの生を聞いてもらう必要がある」と述べています。人が自らの「老い」や「死」を受け入れるためには、そのような場と、それを聴く人の存在が必要なのだと思います。心理療法家は、その語りに身を置き耳を傾ける使命を担っているのではないでしょうか。
ユングは『自伝』のプロローグで、「私の一生は無意識の自己実現の物語である」と述べ、「私個人の神話を物語ること」を試みたと語っています。物語が客観的に真実であるかどうかよりも、それが「私の神話」「私の真実」であるかどうかが重要なのだと言います。私の物語は、私の誕生によって始まり私の死によって終わるだけではなく、より大きな時間の流れの中に位置づけられるものとも言えるでしょう。私自身、クライエントの生育歴を伺うとき、いつも圧倒されるような思いに駆られます。一人の人が今日まで生きてこられた重みを、かけがえのない証として感じるからです。だからこそ、「物語」を蔑ろにすることは、つまるところ私たち一人ひとりの「魂」を蔑ろにすることにつながるのではないかと思うのです。
平安時代、京都では多くの物語や日記が書かれました。その中でも、とりわけ紫式部による『源氏物語』は、今日では世界的に知られている作品です。当時一人の女性がこのような壮大な物語を書き、それが千年もの時を超えて人々の心に響き続けていることは、まさに驚異だと言えるでしょう。本大会では、源氏物語研究の第一人者である山本淳子先生をお迎えして、紫式部にとって「物語を書く」とはどのような意味をもっていたのかを手がかりにしながら、人が自らの人生を語ること、そしてそれに耳を傾けることの意味を考えてみたいと思います。 物語は、語る人がいるだけで生まれるのではありません。そこには必ず聴こうとする他者の存在が必要です。本大会では、「物語ること」と同時に「聴くこと」にも光を当て、あらためて物語の営みを見つめ直したいと考えております。
千年の歴史の中で幾多の物語が生まれ、語り継がれてきた京都という地で本大会を開催できることには、特別な意味があると感じています。本大会が、参加者の皆様にとって、自らの臨床や生を振り返り、「物語ること」「聴くこと」に立ち戻る契機となりましたら幸いです。
【第2日目:12月13日(日)】
事例研究発表/一般研究発表、総会
1.大会参加資格
大会参加者は、原則として令和8年9月現在及び大会当日も日本臨床心理身体運動学会会員でなければなりません。また、2026年度の会費を納入していない会員は、大会(研究発表)に参加することができませんので御留意ください。
ただし、準会員・賛助会員は、会則第6条の規定により事例研究発表に参加することができません。
2. 研究発表
研究発表者は、原則として令和8年6月現在及び大会当日も日本臨床心理身体運動学会会員でなければなりません。
ただし、準会員・賛助会員は事例研究発表を行うことはできません。
本学会員は、会員移行申請のためのポイントとして以下のポイントを取得できます。
1)大会(ワークショップを含む)参加者 2ポイント
2)事例研究発表者(一般研究を除く) 3ポイント
ただし、1)と 2)を同時に取得することはできません。
学会は公益財団法人日本臨床心理士認定資格協会より関連学会として承認されています。本学会大会のワークショップと会長講演・シンポジウムの両方に参加した場合、学会員・非学会員に関わらず、臨床心理士・研修規定別項第2条(3)「ワークショップ型研修会」受講の2ポイントが与えられます。なお、オンライン参加の場合でも、対面参加と同様のポイントを取得できます。詳しくは、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の『「臨床心理士」継続研究会 承認申請手引書』をご参照ください。
申込〆切:10月22日(木)
〒615-8577 京都府京都市右京区山ノ内五反田町18
京都市営地下鉄太秦天神川駅・嵐電天神川駅下車、徒歩5分
・京都太秦キャンパスには駐車場はありません。
・公共交通機関をご利用ください。