お母さまやお父さまのご相談を聞かせていただいていると「関わりにくい」「育てにくい」という声を聞きます。
「関わりにくい」という言葉は漠然としていて、いろいろな理由や原因が背景にあります。
しかし、この「関わりにくさ」はとても大切なことであり、関わりにくいと感じていることをきっかけにお子さまがどんな状態なのか、お子さまを取り巻く環境や保護者の方々の思いなどを整理し、今後のサポートを考えていくことにつなげていきます。
どうして『関わりにくい』のか?~その背景と関わり方~
① 発達特性(例:自閉スペクトラム症など)
・一対一の関わりから少しずつ広げる
・関心のある活動を通じてやりとりを促す
② 言葉で気持ちを伝えるのが難しい
・表情や行動から気持ちをくみ取り代弁する
・絵カードや指差しで選べる工夫をする
③ 初対面や集団に不安が強い
・安心できる大人がそばにつき、見守る
・無理に話させず、自然な関わりを待つ
④ 愛着形成が不安定
・信頼関係を築く時間をしっかり確保する
・繰り返しのやりとりで安心感を育てる
⑤ 感覚過敏・感覚鈍麻がある
・刺激が少ない場所や時間を選ぶ
・感覚に合わせたペースで関わるようにする
⑥ 他者への興味が弱い
・大人が興味を共有し、一緒に楽しむ姿を見せる
・活動に巻き込むような声かけを意識する
⑦ 過去の関わりで嫌な経験がある
・安心して「大丈夫」と思える関わりを丁寧に行う
・急に距離を縮めず、信頼の積み重ねを大切にする
⑧ 自己主張がうまくできない
・選択肢を提示し「どっちがいい?」と聞く
・うまくできたときにしっかり認めて伝える