赤ちゃんの小さな手に、大人が指をのせると自然とその指を握ってくれるという現象があります。
しかし、中にはこの自然に握るということをしないお子さまもおられます。
この現象は、「原始反射」の一つですので、脳が自然と手のひらのものを握るようになっています。
この反射運動ができない場合、医療機関や発達に関する相談機関にご相談をしていただいた方が良いでしょう。
当機関にもぜひご相談ください。
どうして『児の手のひらに、指をおいても握ってくれない』のか?~その背景と関わり方~
① 握る反射(把握反射)の弱さや遅れ
・指だけでなく手全体でふれて刺激を与える
・優しく手のひらを包み、感覚を促す遊びを取り入れる
② 筋緊張が低く、力が入りにくい
・タオルや布を握る遊びで力を育てる
・無理に握らせず、自然な手の動きを支援する
③ 手に触れられる感覚への過敏さ
・手を温めてからふれるなど工夫する
・触れる時間や刺激の強さを調整し、安心感をもたせる
④ 周囲への関心や反応が乏しい
・目を合わせながら、笑顔や声で呼びかける
・触れ合い遊びを通じてやりとりを重ねる
⑤ 発達の個人差や発達遅れ
・成長の様子を継続的に見守り、専門機関とも連携
・日々の関わりの中で小さな反応を大切にする
⑥ 緊張や不安から体がこわばっている
・スキンシップや歌などで安心できる雰囲気づくり
・落ち着いた環境で関わるよう心がける
⑦ 関わりの経験が少ない
・手をにぎにぎする遊びやふれあいを日常に取り入れる
・繰り返しの中で反応が出るまで気長に待つ
⑧ 手を使う活動や運動が少ない
・おもちゃをにぎる、布をつかむなどの機会を増やす
・感触の異なる物を触らせ、手の感覚を育てる