呼びかけても全く反応がないお子さまが、時折おられます。
今やっていることに夢中になっているのか、聴力が弱いのか、声かけに注意が向けられていないのか…。
呼びかけに答えられないままであると、集団生活をするようになると、より一層、困難さが大きくなります。
集団生活の中で本人の生活のしにくさ、精神的負担が少なくなるようにするためにも、何らかの工夫をしていきたいですね。
どうして『声をかけても反応がない』のか?~その背景と関わり方~
① 聴覚の問題(聞こえにくさ)
・聴力検査など専門機関への相談を検討する
・近くで穏やかに話しかけ、視覚的にも伝える
② 興味の中心が別にある
・お子さまの集中が切れたタイミングで声かけする
・関心のある活動に合わせて話しかける
③ 言葉が理解しにくい
・視線やジェスチャーを加えてわかりやすく伝える
・短く具体的な言葉で声をかけるようにする
④ 発達特性(例:自閉スペクトラム症など)
・反応がない時も否定せず、受け入れる姿勢をもつ
・視線や表情など他の反応にも注目して関わる
⑤ 感覚の過敏や鈍麻がある
・静かな環境で声かけし、音量や声色を工夫する
・反応が見られる音の特徴を観察する
⑥ 不安や緊張によって固まっている
・無理に声をかけず、安心できる環境で関わる
・笑顔や柔らかい声で穏やかに話しかける
⑦ 声かけの経験が少ない
・日常の中で頻繁に名前を呼んで話しかける
・反応があったときはすぐに共感を返す
⑧ 声かけが多すぎて意味づけが薄れている
・必要な場面でだけ、丁寧に声をかけるようにする
・「○○しようね」など目的を明確にして伝える