お子さまの中には、揺れにさほど反応しない場合があるかもしれません。
ブランコのようにフワッとした感覚が身体中で感じるような場合にも、喜ばない。
むしろそういう感覚が不快であるというお子さまもおられます。
ブランコだけでなく、抱っこでゆらゆらすること、車に乗ることなども喜ばない、嫌だという場合もあります。
どうして『ブランコのように揺らしたり膝の上で揺すっても喜ばない』のか?~その背景と関わり方~
① 前庭感覚の過敏
・揺れの強さ・速さを調整(ゆっくり・少しだけ)
・まずは静止した状態から慣れさせる
・無理に揺らさず、他の心地よい感覚刺激から入る(触覚・深部圧など)
② 原始反射の残存
・リズム体操やバランスボールなどを用いた統合遊びを取り入れる
・作業療法士など専門職による評価と支援を検討する
③ ボディイメージの未形成
・鏡を使って自分の身体を視覚的に確認する遊び
・触覚刺激やジャンプ、転がり遊びなどで身体感覚を育てる
④ 愛着や安心感の課題
・まずは信頼関係を築くスキンシップややりとり遊びを重視
・子どもが主導権を持てるように「自分から近づける関係性」づくり
⑤ 視覚と前庭の統合の未熟さ
・揺れるときは視界を安定させる(例:目を閉じる、抱っこで視界固定)
・座位での軽い回転や傾きなど、感覚を分けて体験させる
⑥ 発達障害に伴う感覚特性
・その子の感覚プロフィールを把握し、「心地よい刺激」を見つけてから段階的に
・特定の素材や遊びにこだわりがあれば、そこから展開
⑦ 感情表現の未熟さ
・表情カードなどを使って「楽しい/怖い/いやだ」など感情の表現をサポート
・その子の反応をよく観察し、無理強いしないことが重要
⑧ 揺れる遊びの経験が少ない
・絵本やごっこ遊びで「揺れる」体験をイメージとして伝える
・布ブランコやスカーフなどで楽しく安全な遊びから始める