1日目(3/9)
9:15-10:15 Kamryn Spinelli (Queen's University)
Title: An invariant-theoretic approach to periods of Calabi-Yau families
Abstract: In recent decades, several techniques have been developed to investigate the periods of Calabi-Yau families, whose explicit forms are of particular interest due to predictions from mirror symmetry. In this talk, we will showcase a new method for producing explicit period formulas in terms of G-invariant functions on universal parameter spaces. Our technique introduces new Galois-theoretic reinterpretations of some fundamental invariant-theoretic results due to Chevalley, Dadok-Kac, and Luna which permit us to leverage the work of Matsumoto, Sasaki, and Yoshida on hypergeometric systems. This is joint work with Bong Lian.
10:30-12:00 松本 隼斗 (東京理科大学)
Title: 特殊な$p$進Fatou集合
Abstract: 先行研究では, ある特殊な$\mathbb{Q}_p$上の有理写像を考えると, $\mathbb{Q}_p$上のFatou集合が空集合となる例が示されている. しかし$\mathbb{C}_p$上で考えると, Fatou集合は空集合にはならない. これは複素力学系とは大きく異なる現象である. 本講演ではこの$\mathbb{Q}_p$上のFatou集合が空集合となる有理写像$\phi$について, $K$上ではFatou集合が空集合とはならないような有限次拡大体$K/\mathbb{Q}_p$について考察する. \\キーワード$\colon$ 非Archimedes体上の力学系, Fatou集合, 楕円曲線.
14:00-15:30 金沢 篤 (早稲田大学)
Title: 一般化K3曲面とミラー対称性の周辺
Abstract: Hitchinにより導入された一般化Calabi-Yau構造は, Calabi-Yau多様体の複素幾何とシンプレクティック幾何を統一的に扱うための枠組みである. 一方で, ミラー対称性はCalabi-Yau多様体の間の複素幾何とシンプレクティック幾何の双対性に関する現象である. 本講演では, K3曲面(の下部4次元微分多様体)の場合に, 一般化Calabi-Yau構造とミラー対称性の関係を解説する. 特に特異K3曲面(複素剛的K3曲面)のミラー多様体が一般化K3曲面として得られることを紹介する.
15:45-17:15 志賀明日香 (東北大学)
Title: 同じ BSD 不変量を共有する非同型な楕円曲線の組の無限族と, Tate—Shafarevich群の可視化(visibility)について
Abstract: 強い Birch–Swinnerton-Dyer 予想は、有理数体上の楕円曲線の$s=1$における$L$関数の先頭係数が、Tate–Shafarevich 群や Tamagawa 数といった算術的データによって表されることを予言する。これらのデータをまとめて BSD 不変量と呼ぶ。Bell は、BSD 不変量を含む算術的データを共有する、非同型な 22 次元アーベル多様体の組を構成した。本講演では、BSD 不変量と Kodaira 記号を共有する非同型な楕円曲線のペアが無数に存在することを証明し, さらに非自明なTate—Shafarevich群を共有する組の存在を示す。
証明においては、2 次部分(2-primary part)に関する両方の Tate–Shafarevich 群を同時に自明化することがポイントとなる。さらに、非自明なTate—Shafarevich群を共有する組の存在証明においては、Agashe, Steinによる可視化(visibility)の理論を悪い還元を持つ素数に対しても拡張し、適用する。
2日目(3/10)
9 :30-11:00 大内 元気 (北海道大学)
Title: K3曲面上の連接層の導来圏と有限群
Abstract: 代数多様体に対して,その連接層の導来圏に注目することで,様々な対称性や双対性を記述することができる.向井は,K3曲面のシンプレクティック自己同型からなる有限群がマシュー群M_23を用いて特徴付けた.K3曲面にシンプレクティックに作用する極大な有限群は全部で11個あることが知られており,様々な方法により幾何学的に実現されている.Huybrechtsは,K3曲面の導来圏のある種のシンプレクティック自己同値からなる有限群をマシュー群よりも大きいコンウェイ群Co_0を用いて特徴づけた.自己同値の場合は,自己同型に比べてあまり具体例が知られていない.本講演では,K3曲面の導来圏や超ケーラー多様体の非シンプレクティック対合に注目し,K3曲面の自己同型からは誘導されないシンプレクティック自己同値の例を与える.さらに,具体的な4次曲面を用いて,大きい有限群の導来圏への作用を構成する.
11:15-12:45 瀧 真語 (東海大学)
Title: K3 surfaces and Galois points
Abstract: Gaois点を持つ非特異4次曲面(K3曲面)は吉原久夫先生によってかなり詳しく調べられています(J. Math. Soc. Japan, 2001)が,特に「Galois点を持つ」という条件から,このような曲面には非自明な自己同型が作用します.この講演では「Galois点を持つ非特異4次曲面は自己同型を持つK3曲面としてはどのようなものか?」や「特別な自己同型を持つK3曲面はいつGalois点を持つことができるか?」という事を扱います.時間が許せば,準Galois点を持つ非特異4次曲面の話もしたいと思います. この研究は三浦敬さん(山口大学)との共同研究です.
14:45-16:15 馬 昭平 (東京科学大学)
Title: 直交型モジュラー形式入門
Abstract: K3曲面や超ケーラー多様体のモジュライ空間は概ね直交型モジュラー多様体と呼ばれるタイプのモジュラー多様体になっています。モジュラー形式とは大雑把にいえばモジュラー多様体上の函数であり、モジュラー形式を調べることとモジュラー多様体を調べることは表裏一体の関係にあります。直交型モジュラー形式の研究の歴史は比較的新しく、1990年代に始まったばかりです。その現状について、非専門家を対象として、講演者の及ぶ範囲で概観を試みてみたいと思います。
16:30-18:00 金銅 誠之 (名古屋大学名誉教授)
Title: Desmic tetrahedra に関連した幾何学
Abstract: C. Stephanos (1897) は $\bbP^3$ 内の3つの tetrahedra から成る desmic (=faisceau) tetrahedra を発見した。その後、G. Humbert (1891) は desmic tetrahedra と Kummer 曲面や cubic line complex ($\bbP^5$ 内の2次超曲面と3次超曲面の交叉)との関係を見出した。
本講演では、正標数の Kummer 曲面の場合についての類似、desmic tetrahedra に付随した cubic line complex が $\bbP^5$ 内の2次超曲面と3次超曲面の交叉の持ち得る nodes の最大個数34を与えること、desmic polyhedra と $F_4$ 型ルート系との関係等をお話しする。
この話は Igor Dolgachev 氏との共同研究を基にしている。