このたび、2025年3月8日(土)・9日(日)に、第1回Respiratory Research Conference in Kyotoを開催させていただくことになりました。
近年、呼吸器の疾患、傷害、組織再生、および病理状態の基礎理解と治療応用に関する研究のアクティビティが世界的な潮流となっておりに、その関心の興隆は目覚ましいものがあります。背景には、SARS-CoV2感染による肺障害への関心や、生命科学技術の発展による、従来叶わなかった1細胞解像度の細胞解析や、幹細胞から臓器の組織構造を試験管内で構築するオルガノイド技術の盛行などがあります。さらにゲノム編集技術は先天的なヒト疾患の根治する未来を夢見させるのに十分なインパクトがありました。当該分野の研究論文が、Nature誌やScience誌など自然科学全体に影響力のあるトップジャーナルに掲載される機会が増えていることは、国際的な機運の高まりを反映していると言えます。
一方で最近の基礎研究では、高価な先端技術とビッグデータ情報解析が求められていることもあり、1つの研究室で欧米の研究機関と渡り合うのではなく、国内研究機関の連携を促進することで、技術、知識、リソースを共有し、世界に伍する呼吸器基礎研究を国内から発信することが必要です。このような機運の高まりに合わせて、日本国内の呼吸器の基礎研究も連携を強め、国際的な評価を意識した高い志の研究を推進することを目的に、呼吸器研究者の分野の壁を超えたカンファレンスを企画しました。本カンファレンスは、呼吸器に関する医学、生物学の基礎研究に取り組んでいる医師、研究者が、研究機関に捉われずに横の繋がりを持つことで、機関横断的な共同研究への発展を振興し、日本の呼吸器医療を底上げすることが期待されます。
今回のカンファレンスでは、海外から呼吸器の再生研究で世界をリードする若手呼吸器基礎研究者2人、シンシナティ小児科病院のDr. William Zachariasとミシガン大学のDr. Jason Spenceを招聘し、keynote talkをお願いしています。
幹事代表
日本呼吸器学会細胞分子生物学部会 部会長
森本充